症状から原因を絞る
リコリスは毒性があるため虫や動物に食べられにくく、病害虫の悩みは少ない球根です。困りごとの多くは過湿と管理の時期の誤りです。どこに症状が出たかで切り分けます。
症状がいつ出たかと、その前に水やりや周囲の植え付けを変えたかを思い出すと切り分けが楽になります。休眠中に何かした後なら過湿か根の損傷を最初に疑います。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の対応 |
|---|---|---|
| 花の時期に花茎が出ず、葉の時期に葉も出ない | 球根の腐敗 (休眠中の過湿) | 掘って固さを確かめる |
| 葉に黄色や褐色の斑点、早く枯れる | 葉の斑点病などのカビ | 傷んだ葉を取り、風通しをよくする |
| 葉に黄色いすじ、縮れ | ウイルス病の疑い | 他の株から離し、回復しなければ処分 |
| 葉の先が茶色く枯れる | 霜や乾いた寒風 | 障害。春に新しい葉が出るなら問題なし |
| 花茎に小さな虫、花が縮れる | アブラムシ | 水で流すか手でつぶす |
| 球根に穴、中が空洞 | 球根を食べる幼虫 | 傷んだ球根を捨て、固いものだけ植え直す |
| 花茎が途中で倒れる | 強風、花茎が弱い | 支柱で囲う |
球根の腐敗は休眠中の過湿が原因
リコリスで最も多い枯れ方は、葉のない休眠中に土が湿り続けて球根が腐ることです。鉢に水をやり続けた、隣の夏の草花の水やりがかかった、水はけの悪い花壇で長雨が続いた、といった状況で起きます。地上に何もない時期なので気付きにくく、花の時期になって初めて分かります。
- 掘って固さを確かめる
- 花の時期に花茎が出ず、葉の時期にも葉が出ない場所を掘り、球根をつまみます。柔らかく異臭がすれば腐っています。
- 腐った球根は周りの土ごと捨てる
- 腐敗菌が残らないよう、球根の周りの土も取り除きます。残った固い球根は乾いた土に植え直します。
- 予防は水はけと水やりの分離
- 軽石や川砂を混ぜて水はけを上げ、休眠中は水をやらない、夏の草花の水やりをかけない。この二つでほぼ防げます。
鉢植えは休眠中に雨の当たらない日陰へ移すのが最も確実な予防です。庭植えで夏に湿る場所なら、鉢に移して管理する方が安全です。
葉の時期の病気
冬から春の葉に黄色や褐色の斑点が出て早く枯れる病気は、湿った風通しの悪い環境で出ます。密集した株や、常緑樹の下で日が当たらない場所に多く、球根が太る前に葉を失うと翌年の花に響きます。傷んだ葉を取り除き、休眠中に間隔を空けて植え直すことで改善します。
- 傷んだ葉を取る
- 斑点の広がった葉を根元から切り取り、鉢や花壇の外へ捨てます。健康な葉は残します。
- 風と日を通す
- 周囲の落ち葉や枯れ草を片付け、株の間に風が通るようにします。日陰なら休眠中に移植を検討します。
- 広がるなら殺菌剤
- 株全体に広がりそうなときは草花用の殺菌剤を葉に散布します。病気の出た年は休眠中に株を分けて密集を解消します。
ウイルス病の見分けと対応
葉に黄色いすじやモザイク状の模様が出て縮れるのはウイルス病の可能性があります。治す方法はなく、アブラムシやはさみを介して他の株に移ります。寒さによる葉先の枯れは病気ではなく、春に出る新しい葉が正常なら問題ありません。
| 見た目 | 見分け | 対応 |
|---|---|---|
| 葉全体に黄色のすじ、縮れ、花の色が乱れる | ウイルス病の疑い | 他の株から離し、道具を株ごとに消毒。回復しなければ処分 |
| 葉先だけ茶色く枯れる | 霜や寒風の障害 | そのまま。春の葉が正常なら問題なし |
| 葉が淡く細い | 日照不足 | 休眠中に明るい場所へ |
アブラムシと球根を食べる虫
花茎や新しい葉にアブラムシが付くことがあります。数が少ないうちに水で流すか手でつぶします。土の中では、まれに球根を食べる幼虫が入り、球根の中が空洞になります。掘り上げたときに穴のある球根は捨て、固い球根だけを植え直します。リコリスは毒性があるため、他の球根に比べれば虫の害はかなり少ないです。
- アブラムシは早めに流す
- 花茎の先や葉の間に群がっていたら、霧吹きで流すか指でつぶします。多ければ草花用の殺虫剤を使います。
- 掘り上げ時に球根を点検
- 休眠中に掘り上げたら、穴や柔らかい部分がないか一つずつ確かめます。傷んだものは戻さず捨てます。
毒性についての注意
リコリスの球根、葉、花茎にはリコリンなどの有毒成分が含まれ、食べると嘔吐や下痢を起こします。特に葉がニラやノビルと似ているため、菜園のそばに植える場合は札を立て、食用の野菜と明確に分けます。子どもやペットのいる家庭では、掘り上げた球根を放置せず、作業後は手を洗います。皮膚が弱い人は球根を扱うときに手袋を使います。
| 場面 | 注意 | 理由 |
|---|---|---|
| 菜園の近くに植える | 札を立て、ニラなどから離す | 葉が似ていて誤食の恐れ |
| 掘り上げ作業 | 手袋をし、終わったら手を洗う | 汁で肌がかぶれることがある |
| 子どもやペットがいる | 球根を放置しない、口に入れさせない | 誤食で中毒 |
| 切り花にする | 切り口の汁を洗い、花瓶の水を口にしない | 汁に有毒成分 |
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