咲かない原因を球根の状態から切り分ける
リコリスの花芽は葉が枯れる前、球根の中で作られ、休眠中に完成して花茎が伸びます。咲かないときは、花芽ができなかったのか、できたが休眠中に傷んだのか、根が落ち着かず伸びられなかったのかを、前の季節の葉の状態と球根の様子から判断します。
| 状態 | 原因の見立て | 対策 |
|---|---|---|
| 植えて一年目 | 根が落ち着いていない | 待つ。二〜三年目から本来の花になる |
| 前の葉が細く淡かった | 葉の時期の日照か肥料の不足で花芽ができなかった | 葉の時期に日と薄い肥料 |
| 葉は元気だったが咲かない | 深植え、密集、休眠中の過湿 | 休眠中に浅く植え直し、大きい球根を選ぶ |
| 花茎が出たが途中で止まった | 花茎の伸びる時期の極端な乾燥か低温 | 乾いていれば軽く水。寒冷地は霜前に咲く型を選ぶ |
| 去年植え替えたら咲かなくなった | 根を切られた植え傷み | 二年は動かさず待つ |
花芽は葉の時期に作られる
花を咲かせる養分は、葉が出ている間に球根にためられます。ヒガンバナ型なら十月から四月、ナツズイセンなどの春葉型なら三月から六月の葉の時期に、日をよく当てて薄い肥料を与えると、葉が枯れる前に球根の中で翌シーズンの花芽が作られます。この時期の葉を切ったり日陰に置いたりすると、花芽ができません。
葉が枯れて休眠に入ってから花が咲くまでの間、球根は花芽を仕上げます。この間は水を控え、乾いた土で休ませます。過湿で球根が傷むと、花芽まで腐ります。
- 葉の時期に日を当てる
- 葉が濃い緑で立ち上がる程度の日照を確保します。落葉樹の下や冬に日の当たる花壇が向いています。
- 葉が枯れる前にリン酸肥料
- 葉が黄色くなる一か月前に、リン酸とカリが多めの液体肥料を一回与えます。球根の充実と花芽の形成を助けます。
- 休眠中は乾かす
- 葉が枯れたら水を止め、鉢なら雨の当たらない日陰へ移します。庭は水をやらず、夏の草花の水やりがかからないよう注意します。
花茎が伸びる合図と水
ヒガンバナ型は九月に入って気温が下がり、まとまった雨が降ると数日で花茎が伸びます。ナツズイセンは八月上旬の雨が合図です。休眠中に完全に乾いた土でも、この雨で一気に動くのがリコリスの特徴で、逆に八月の終わりまで雨がない年は開花が遅れます。鉢植えで雨が当たらないなら、時期になったら軽く水をやって合図を送ります。
- 時期になったら土を湿らせる
- 鉢植えは開花予定の二〜三週間前に一度たっぷり水をやります。以後は表面が乾いたら軽く与えます。
- 花茎が見えたら動かさない
- 花茎が伸び始めたら鉢を動かしたり土を掘ったりしません。根が伸び始めているので、傷めると花が小さくなります。
- 花の時期は肥料なし
- 花茎が伸びる勢いは球根の蓄えだけで足ります。ここで肥料を与えると球根が腐りやすくなります。
種類ごとの花の時期を知る
リコリスは種類によって七月下旬から十月まで開花期がずれます。複数の種類を植えると、夏から秋まで順に咲いて長く楽しめます。関東平野部の目安を示します。寒冷地は一〜二週間遅く、暖地は早くなります。
| 種類 | 開花の目安 | 花の特徴 |
|---|---|---|
| キツネノカミソリ | 八月上旬〜中旬 | オレンジ色で花びらが反り返らない |
| ナツズイセン | 八月中旬〜下旬 | 淡いピンクの大きな花。香りがある |
| スプレンゲリ (ムラサキキツネノカミソリ) | 八月下旬〜九月上旬 | ピンクに青みがかる花先 |
| ヒガンバナ、シロバナマンジュシャゲ | 九月中旬〜下旬 | 赤か白で細い花びらが反り返る |
| ショウキズイセン | 九月下旬〜十月上旬 | 黄色で花びらの縁が波打つ |
花が小さい、色が薄いときの立て直し
花は咲くが年々小さくなる、色があせる、というときは球根が小さくなっています。分球して密集したか、葉の時期の養分が足りていません。休眠中に一度だけ掘り上げて大きい球根を選び直し、以後は葉の時期の日照と肥料で維持します。
- 休眠中に掘って球根を見る
- 葉が枯れた直後に掘り上げ、直径三センチ以上の球根と小さな子球を分けます。大きい球根だけを間隔を空けて植え直します。
- 子球は別の場所で育てる
- 小さな子球は別の鉢や花壇の隅に植え、二〜三年葉を育てると咲く大きさになります。親球と同じ場所に戻すと再び密集します。
- 翌年は動かさない
- 植え直した年は根が落ち着かず花が乱れます。以後は最低三年動かさず、葉の時期の管理だけで育てます。
花を長く楽しむ
一本の花茎は一週間ほど咲き、群植なら二〜三週間続きます。強い日差しと乾いた風で花びらが早く傷むため、開花中は午後に日陰になる場所の方が長持ちします。切り花にする場合は、最初の花が開いた花茎を朝に切ると、つぼみが次々開いて一週間楽しめます。
- 切り花は朝に切る
- 一輪目が開いた花茎を根元近くで切り、すぐ水に入れます。切り口から出る汁は洗い流します。
- 花後は花茎だけ切る
- 枯れた花茎は根元から切ります。種を付けさせると球根の養分が減り、翌年の花が小さくなります。葉はまだ出ていない時期です。
リコリスの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
リコリスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はリコリスの育て方にまとめています。
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