樹の年数と植え方で手間が変わる
モクレンは根付いてしまえば丈夫で、庭植えの成木に水をやる必要はほとんどありません。一方、植えて二年以内の若木と鉢植えは乾燥に弱く、夏の水切れで葉を落とします。自分の樹がどの段階かで、水やりの考え方を決めます。
| 状態 | 水やり | 肥料 |
|---|---|---|
| 植えて一〜二年の庭植え | 一週間雨がなければたっぷり。夏は三日に一回 | 寒肥と花後の二回、控えめに |
| 三年目以降の庭植え | 基本不要。真夏に二週間雨がなければ | 寒肥一回、花後に一回 |
| 鉢植え | 春から秋は表面が乾いたらたっぷり、冬は控えめ | 寒肥、花後、九月の三回 |
| 樹勢が強く枝ばかり伸びる | 変えない | 窒素を減らし、リン酸中心にする |
若木の水やりは根が張るまで
植え付けから二年間は、根が周囲の土に広がる途中で、水を自力で集められません。春から秋にかけて一週間雨が降らなければ、株元にバケツ一杯ほどの水をゆっくり与えます。真夏は三日に一回、朝に与えます。株元をバークチップや腐葉土で五センチ覆うと、乾きが遅くなって水やりの回数を減らせます。
三年目以降は根が枝の広がりと同じ範囲まで伸び、雨だけで足りるようになります。ただし真夏に二週間以上雨がなく葉が朝からしおれるなら、成木でも株元にたっぷり水をやります。
- 株元をゆっくり湿らせる
- ホースで一気にかけると表面を流れて根まで届きません。株元にくぼみを作り、じわじわと注いで根の深さまで湿らせます。
- 葉のしおれで確かめる
- 朝に葉がしおれていれば水切れです。夕方だけしおれて朝に戻るなら暑さのせいで、水は足りています。
- 株元を覆う
- 腐葉土やバークチップを五センチ敷き、幹に直接触れないよう少し離します。乾燥と雑草を同時に防げます。
肥料は寒肥と花後の二回
モクレンは肥料をあまり必要としない花木です。一月から二月に寒肥(冬の休眠中に与える肥料)として油かすや堆肥を株元の周りに埋め、花が終わった四月から五月に追肥(育ちの途中で足す肥料)として粒状の化成肥料を少量まきます。窒素が多いと枝葉ばかり伸びて花が減るので、リン酸を含む肥料を選びます。
| 時期 | 肥料 | 量の目安 (高さ二メートルの樹) |
|---|---|---|
| 1月〜2月 (寒肥) | 油かすと堆肥、または緩効性の粒状肥料 | 油かす二握りと堆肥バケツ一杯を枝先の下に埋める |
| 4月中旬〜5月 (花後) | リン酸を含む粒状の化成肥料 | 一握りを株元の周りにまく |
| 9月 (鉢植えのみ) | 緩効性の粒状肥料 | 小さじ一杯程度 |
| 6月〜8月 | 与えない | 夏の肥料は根を傷め、花芽の形成を乱す |
寒肥は幹のすぐそばではなく、枝先の真下の位置に埋めます。細かい根は枝の広がりと同じ範囲の外側に多く、幹の近くには少ないためです。
土の酸度と土壌の改良
モクレンはやや酸性から中性の土を好み、日本の庭土なら特別な調整は要りません。石灰をまきすぎてアルカリに寄ると葉が黄色くなることがあるので、他の植物のために石灰を使うときはモクレンの根の範囲を避けます。年に一度、寒肥と一緒に腐葉土や堆肥を株元にすき込むと、根の伸びる土が柔らかく保たれます。
- 寒肥と一緒に堆肥を入れる
- 枝先の真下に深さ二十センチの穴を三〜四か所掘り、堆肥と油かすを入れて土を戻します。毎年少しずつ場所をずらします。
- 石灰は避ける
- 近くの花壇に石灰をまくときは、モクレンの枝の広がりの範囲には入れないようにします。
葉が黄色い、花が少ないときの原因と直し方
モクレンが弱る原因は、水切れ、根の傷み、肥料の過不足、日照不足が多くを占めます。葉の色と枝の伸び方、花の数から原因を絞ります。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 夏に葉の縁が茶色く縮れる | 乾燥と西日 | 株元を覆い、若木なら水を増やす |
| 葉全体が黄色く小さい | 肥料不足か根の傷み | 寒肥を増やす。根元が湿りすぎていないか確かめる |
| 枝は長く伸びるが花が少ない | 窒素過多か剪定のしすぎ | 肥料を減らし、二年は切らない |
| 花芽はできるが春に落ちる | 冬の乾燥か遅霜 | 冬に株元を覆い、若木は霜よけ |
| 樹全体の勢いが年々落ちる | 根詰まりや根の病気、深植え | 株元の土を少し掘って根の状態を見る |
鉢植えの年間管理
鉢植えは土が限られるため、庭植えより水と肥料をこまめに管理します。春から秋は表面が乾いたらたっぷり、冬は乾いてから二〜三日後に与えます。肥料は寒肥、花後、九月の三回。二〜三年に一度、二月に根を整理して植え替えます。
- 夏は朝と夕方に確かめる
- 真夏は一日で乾きます。朝たっぷり与え、夕方に葉がしおれていれば夕方にも与えます。鉢を直射日光の当たるコンクリートに直置きしません。
- 冬は乾かし気味に
- 落葉中は水をあまり吸いません。表面が乾いて二〜三日たってから午前中に与えます。凍る夜の前は与えません。
- 根詰まりの合図を見る
- 水が染み込みにくい、鉢底から根が出る、葉が小さくなる。この三つが見えたら次の二月に植え替えます。
モクレンの育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
モクレンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモクレンの育て方にまとめています。
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