咲かない原因を樹の状態から絞る
モクレンが咲かないとき、原因は大きく四つに分かれます。若すぎる、剪定で花芽を落とした、肥料や日照で花芽ができなかった、花芽はできたが冬の寒さや乾燥で落ちた。枝先の芽の様子を秋と春に見比べれば、どれに当たるか判断できます。
| 状態 | 原因の見立て | 対策 |
|---|---|---|
| 植えて三年以内、枝先に丸い芽がない | 若木でまだ花を付ける年齢でない | 待つ。実生苗なら五〜十年、接ぎ木苗なら二〜三年 |
| 秋に枝先に丸い芽があったが春に咲かない | 冬の乾燥や遅霜で花芽が傷んだ | 冬に株元を覆い、春先の寒の戻りで花芽を守る |
| 夏以降に強く剪定した | 花芽の付く枝先を切った | 翌年は花後だけに剪定を限る |
| 枝が長く伸び葉が濃いが丸い芽がない | 窒素過多で葉芽ばかり | 肥料を減らし、リン酸中心にする |
| 日陰で枝が細く伸びる | 日照不足 | 周りの木を剪定して日を当てる、または移植 |
花芽は夏に枝先で作られる
モクレンの花芽は六月から七月ごろ、その年に伸びた枝の先端で作られ、秋には毛に覆われた丸く大きな芽として目に見えるようになります。細く尖った芽は葉芽、ふっくらして毛の多い芽が花芽です。この花芽が冬を越して三月に開くので、夏から冬にかけて枝先を切らないことが最も大切です。
花芽を多く作るには、六月から七月に樹が充実していることが条件です。花後の追肥(育ちの途中で足す肥料)で葉を茂らせ、梅雨明けから夏の間に極端な乾燥をさせないことが花芽の数につながります。
- 秋に花芽を数える
- 十月に落葉が始まったら枝先を見て、丸くふくらんだ毛のある芽の数を数えます。来春の花の数がほぼ分かります。
- 花芽の付いた枝を切らない
- 冬の剪定で花芽の付いた枝先を切らないよう、切る前に必ず芽の形を確かめます。迷ったら切りません。
- 花後の追肥を守る
- 四月から五月にリン酸を含む肥料を与えると、六月の花芽作りに間に合います。夏の肥料は逆効果です。
若木はいつから咲くか
接ぎ木や挿し木で作られた苗は植えて二〜三年で咲き始めますが、種から育てた実生苗は五年から十年かかることがあります。店で売られている苗の多くは接ぎ木ですが、大きく育つハクモクレンは実生苗も多く、買ったときに札を確かめます。若木の間は花より根と枝を育てる時期と考え、剪定も肥料も控えめにして待ちます。
| 苗の種類 | 咲き始めの目安 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 接ぎ木苗 | 植えて二〜三年 | 株元に接いだ跡のふくらみがある |
| 挿し木苗 | 植えて三〜四年 | 株元がまっすぐで接ぎ跡がない。小型品種に多い |
| 実生苗 | 五〜十年 | ハクモクレンの大苗に多い。札に実生と書かれる |
冬から早春の花芽を守る
花芽は冬の乾燥した風と、三月の開花直前の遅霜に弱いです。特に開花直前のつぼみが膨らんだ時期に強い霜が降りると、花びらが茶色く傷んで開かずに終わります。若木は不織布で覆うことができますが、大きな樹では場所選びの段階で北風の当たらない位置にすることが唯一の対策です。
- 冬に株元を覆う
- 落葉後に株元へ腐葉土やわらを敷き、根の乾燥と凍結を防ぎます。根が乾くと花芽に水が届かず、春に落ちます。
- 若木は不織布で
- 高さ二メートル以下の若木なら、つぼみがふくらむ三月上旬から霜の予報の夜だけ不織布をかけます。日中は外します。
- 冬に乾いたら水をやる
- 冬でも一か月雨が降らないときは、暖かい日の午前中に株元へたっぷり水を与えます。乾いた冬に花芽が落ちる失敗を防ぎます。
花が少ない年、隔年で咲く樹の直し方
たくさん咲いた翌年に花が減る、という隔年の波が出る樹があります。花に養分を使いすぎて夏の花芽作りに回らないためです。花後に果実 (赤い袋果) を付けたままにすると、さらに養分を取られます。花後に果実を摘み取り、追肥をして樹を回復させると波が小さくなります。
| 場面 | 作業 | 理由 |
|---|---|---|
| 花が終わって実が付き始めた | 手の届く範囲で実を摘む | 種を作る養分を花芽に回す |
| たくさん咲いた年の花後 | 追肥を通常通り、夏に乾燥させない | 夏の花芽作りに体力を残す |
| 前年に花が少なかった | 肥料を増やさない | 増やすと枝ばかり伸びて悪循環 |
| 剪定した年 | 実は全部摘む | 枝の回復と花芽作りを優先 |
開花中に花を長く楽しむ
モクレンの花は暖かい日が続くと一週間ほどで散り、雨と風で花びらが傷みます。開花期は樹に対してできることが少ないため、散った花びらの掃除と、開花中に肥料や剪定をしないことを守るのが基本です。
- 花びらを掃除する
- 落ちた花びらは腐って病気の元になり、地面を汚します。こまめに拾って堆肥にするか処分します。
- 開花中は何もしない
- 開花中に肥料をやったり枝を切ったりしません。水も庭植えなら不要です。花後に一気に手入れをします。
- 切り花にするなら
- つぼみが色づいて開き始めた枝を切り、室内の涼しい場所に活けます。開花直前に切ると数日で開いて楽しめます。
モクレンの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
モクレンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモクレンの育て方にまとめています。
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