庭の広さに合う品種を先に選ぶ
モクレンには紫の花のシモクレン、白い大輪のハクモクレン、小型で育てやすいサラサモクレンなどがあり、樹の大きさがまったく違います。ハクモクレンは十メートル以上になる高木で、狭い庭に植えると数年で手に負えなくなります。植える前に、成木の大きさと庭の広さを照らし合わせます。
| 品種 | 成木の高さ | 向いている場所 |
|---|---|---|
| ハクモクレン (白い大輪、上向きに咲く) | 十〜十五メートル | 広い庭、シンボルツリー。狭い庭には不向き |
| シモクレン (紫、株立ちで横に広がる) | 三〜五メートル | 一般的な庭。剪定で三メートルに抑えられる |
| サラサモクレン (外が紫で内が白) | 五〜八メートル | 中くらいの庭。花が最も華やか |
| ヒメモクレンなど小型品種 | 二〜三メートル | 狭い庭、大鉢。花は小ぶり |
| キモクレン (黄色い花) | 五〜八メートル | 中くらいの庭。開花はやや遅い |
コブシはモクレンの仲間ですが別種です。花が小さく枝が細かく出るので、モクレンより剪定に強い反面、樹形がまとまりにくい違いがあります。
植え場所は日なたで、根を広げられる場所
モクレンは日当たりを好み、日陰では花が少なくなります。根は太くて浅く広がる性質があり、建物の基礎やブロック塀のすぐそばに植えると、将来根が持ち上げたり、掘り返すときに苦労したりします。成木の枝張りは高さと同じくらいに広がるので、隣家との境界からは最低二〜三メートル離します。
土は水はけがよく、腐葉土を含んだ肥沃な土を好みます。粘土質で雨が降ると水がたまる場所では根が傷むため、植え穴を大きく掘って腐葉土と軽石を混ぜ、盛り土をしてやや高く植えます。
- 一日五時間以上日が当たるか見る
- 植えたい場所に午前と午後で何時間日が当たるかを確かめます。午後の西日だけの場所や、建物の北側は花が減ります。
- 根を広げる余地を測る
- 成木の枝張りと同じ範囲に根が伸びます。半径二メートル以内に基礎や配管、塀がないかを確かめます。
- 水はけを確かめる
- 三十センチの穴を掘って水を入れ、一時間で引くかを見ます。引かなければ軽石を混ぜて盛り土にします。
植え付けの時期と苗の選び方
落葉している十二月から二月の休眠期に植えるのが基本です。ただし寒さの厳しい一月は避け、十一月下旬から十二月、または二月下旬から三月上旬の芽が動く前が最も活着しやすい時期です。春に花付きの鉢苗を買った場合は、花が終わってから根鉢を崩さずに植えます。
モクレンの根は太く、細かい根が少ないため、根を傷めると回復に時間がかかります。苗は根鉢がしっかりした鉢植えの苗を選び、根を切られた掘り上げ苗は避けた方が失敗が少なくなります。
| 時期 | 植え付けの可否 | 注意 |
|---|---|---|
| 11月下旬〜12月 | 最適 | 落葉後、根が休む前に植えて冬に根を落ち着かせる |
| 1月 | 避ける | 寒さで根が傷み、乾燥で枯れやすい |
| 2月下旬〜3月上旬 | 最適 | 芽がふくらむ前に。遅れると花が落ちる |
| 3月中旬〜4月 (開花中) | 鉢苗のみ可 | 根鉢を崩さず、花後にたっぷり水 |
| 5月〜10月 | 鉢苗のみ可 | 根鉢を崩さない。夏は避ける |
植え穴と植え方
植え穴は根鉢の二〜三倍の直径、深さは根鉢と同じか少し浅めに掘ります。深植えは根が呼吸できず弱る原因で、モクレンでは特に嫌われます。掘り上げた土に腐葉土を三割ほど混ぜ、元肥(植えるときに土に混ぜる肥料)としてゆっくり効く粒状肥料を少量加えます。
- 穴を掘り土を改良する
- 根鉢の二〜三倍の直径の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を三割混ぜます。粘土質なら軽石も一割加えます。
- 根鉢を崩さず置く
- 鉢から抜いた根鉢はほぐさずそのまま置きます。根鉢の上面が地面と同じか一〜二センチ高くなる高さに調整します。
- 土を戻して水極めをする
- 土を半分戻したらたっぷり水を注ぎ、棒でつついて根と土の間の空気を抜きます。残りの土を戻し、もう一度水をやります。
- 支柱を立てる
- 苗の高さが一メートルを超えるなら、風で根が揺れないように支柱を斜めに立てて幹を結びます。二年ほどで外します。
- 株元を覆う
- 根が浅く乾燥に弱いため、株元に腐葉土やバークチップを五センチ敷きます。夏の乾燥と冬の凍結を防ぎます。
植え付け後に芽が動かない、葉がしおれるときは
植え付け後の一〜二年は根が十分に張っておらず、水切れと根の傷みで不調が出やすい時期です。芽の動きと葉の様子から原因を切り分け、早めに手を打ちます。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 春に芽が動かない | 根の傷みか冬の乾燥 | 枝を少し削って緑なら待つ。茶色なら枯れ込みを切り戻す |
| 春の新葉がしおれる | 水切れ | 株元に朝たっぷり水。夕方も葉がしおれるなら日除け |
| 夏に葉が茶色く縮れる | 根の未熟と乾燥、西日 | 株元を覆い、二〜三日に一回たっぷり水 |
| 植えた年の花が咲かない | 植え傷み | 正常。二〜三年で咲き始める |
| 苗がぐらつく | 根が張っていない | 支柱を追加し、株元を踏み固めない |
植え付けから二年間は、雨が一週間降らなければたっぷり水をやります。三年目からはよほどの乾燥でなければ水やり不要です。
鉢植えで育てる場合
小型品種なら十号以上の大鉢で育てられます。土は赤玉土七に腐葉土三を混ぜ、鉢底に軽石を敷きます。庭植えより乾きやすいので、春から秋は表面が乾いたらたっぷり水をやります。二〜三年に一度、二月に根を三分の一ほど整理して植え替えないと、根詰まりで花が減ります。
- 大鉢と重い土で倒れにくく
- 枝が広がるので風で倒れやすいです。十号以上の重い鉢を選び、赤玉土主体の重めの土にします。
- 冬も屋外で
- 落葉樹なので冬の寒さに当てる必要があります。室内に入れると休眠が乱れて花が咲きません。
- 二〜三年で植え替える
- 二月に鉢から抜き、根鉢の外側を三分の一削って新しい土で同じ鉢か一回り大きい鉢に植え直します。
モクレンの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
モクレンの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモクレンの育て方にまとめています。
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