一年の流れは三つの山でできている
中玉トマトの栽培は、五月の定植と活着、六月の一段目の着果、七月から八月の収穫という三つの山でできています。花が咲いてから収穫までは四十日から四十五日で、大玉より一週間ほど早く穫れ始めます。
見落とされやすいのが六月で、ここで一段目の実を確実に付けられるかどうかで株の勢いが決まります。中玉は実の数が多いぶん、七月以降は肥料切れとの追いかけっこになります。
| 山 | 時期 | ここで決まること |
|---|---|---|
| 定植と活着 | 5月 | 根の深さと株の骨格 |
| 一段目の着果 | 6月 | 株の勢いと収穫量 |
| 収穫の最盛 | 7月から8月 | 肥料切れと割れの管理 |
月別のやることカレンダー
関東の露地栽培を目安にした一覧です。暖地では二週間早く、寒冷地では二週間から三週間遅くなります。苗を買って植える前提で、種まきからの育苗は含めていません。
自分で育苗する場合は定植の六十日前に室内でまき、加温して育てます。二月から三月に温度を保つ設備が要るので、家庭菜園では苗を買うほうが確実で、費用もほとんど変わりません。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 4月 | 畝立て、マルチ張り、苗の準備 | 地温を上げて植え付けに備える |
| 5月 | 定植、仮支柱、活着の確認 | 根を深く張らせる |
| 6月 | わき芽かき、誘引、一段目の着果、追肥開始 | 最初の実を確実に付ける |
| 7月 | 収穫開始、二週おきの追肥、下葉かき | 肥料を切らさない |
| 8月 | 収穫の最盛、摘心、水管理 | 割れと尻腐れを防ぐ |
| 9月 | 収穫の終わり、株の片付け | 残渣を畑に残さない |
五月は植えて待つ
五月の仕事は植え付けとその後の見守りです。連休前後に地温が上がったら植え、仮支柱で固定し、水は表面が乾いてから与えます。手をかけるほど根が浅くなるので、活着を待つことが仕事です。
月末には一段目の花が咲きます。気温がまだ低い年は花粉が出にくいので、朝に株を軽く揺すって受粉を助けます。ここで最初の実が付けば、六月以降は楽になります。
- 連休前後に植える
- 遅霜の予報が消え、マルチの下の地温が十五度を超えたら植えます。早すぎるより遅いほうが失敗が少ないです。
- 朝に葉の張りを見る
- 植えて三日から五日で朝に葉が立てば活着です。朝も垂れたままなら根鉢が乾いているので株元に与えます。
- 一段目の花を揺する
- 花が咲いたら晴れた日の午前中に支柱を軽く叩き、花粉を落とします。低温の年ほど効きます。
五月中に一段目の実が付くと、株はそれ以降も実を付け続けます。最初の実が付かずに葉ばかり茂る株は、花房の下のわき芽を一本残して養分の逃げ道を作ります。
六月と七月は週一回の見回りと追肥
六月に入ると株が急に伸びます。わき芽かき、誘引、追肥を同じ日にまとめて、週に一回の見回りにします。中玉はわき芽の勢いが強いので、一週間あけると十センチになります。梅雨の間は下葉の斑点も一緒に見ます。
七月に入ると一段目から収穫が始まり、以後は毎週のように房が熟します。実の数が多いぶん肥料が早く切れるので、二週おきの追肥を欠かさず、上の段の実が小さくなってきたら間隔を詰めます。
- 曜日を決めて回る
- わき芽かき、誘引、病気の確認を毎週同じ曜日にします。一週間あければわき芽は五センチを超えます。
- 追肥を二週おきに
- 一段目の実がビー玉になったら一回目、以後二週間おきに株から二十センチ離した場所へ施します。上の段の実が小さくなったら間隔を詰めます。
- 梅雨明けに雨よけ
- 雨よけがあれば梅雨の間から、なければ梅雨明けに支柱の上へビニールを張り、実の割れを減らします。
八月は水管理と摘心
八月は収穫の最盛期であると同時に、尻腐れと実割れがいちばん出る月です。土の乾きと湿りの波を小さくすることが仕事になります。敷きわらやマルチで乾きを抑え、乾いたら朝に株元へ与えます。
支柱の高さまで伸びたら摘心して、残った実に養分を集めます。お盆を過ぎると花が付いても実が熟す前に季節が終わるので、新しい花房は取ります。
| 時期 | 気温の目安 | 株にすること |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 30度以上 | 摘心、朝の水やり、雨よけ |
| 8月中旬 | 最も暑い | 新しい花房を取る、収穫を続ける |
| 8月下旬 | 夜が涼しくなる | 最後の実を太らせる、追肥を止める |
地域と作型で二週間ずれる
上の表は関東平野の露地を基準にしています。暖地では四月中旬に植えて六月下旬から収穫、寒冷地では五月下旬に植えて八月からの収穫になります。雨よけハウスがあれば、どの地域でも二週間ほど前倒しできます。
同じ地域でも畑の日当たりと風で一週間は前後します。定植日と一段目の開花日、初収穫の日を毎年残しておくと、翌年の計画が自分の畑の数字で立てられます。
| 地域 | 定植 | 収穫の中心 |
|---|---|---|
| 暖地(九州・四国南部) | 4月中旬 | 6月下旬から8月上旬 |
| 中間地(関東・近畿) | 5月上旬 | 7月上旬から8月中旬 |
| 寒冷地(東北・北海道) | 5月下旬 | 8月上旬から9月上旬 |
中玉トマトの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
中玉トマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は中玉トマトの育て方にまとめています。
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