中玉は大玉より強く、ミニより実が重い
中玉トマトは一個四十グラムから八十グラムほどの実が房になって付く品種群です。大玉のように一つずつ太らせる必要がなく、ミニのように数が多すぎて追いつかないこともないので、家庭菜園でいちばん失敗が少ないトマトと言われます。
ただし実が房で重くなるぶん、花房が垂れて枝が折れることがあります。苗を選ぶときは大玉と同じ基準に加えて、茎が太くしっかりしたものを優先します。ひょろりと伸びた苗は、房の重みに耐えられずに倒れます。
| 種類 | 一個の重さ | 一房の実の数 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 大玉 | 150グラム以上 | 3〜5 | 一つずつ丁寧に育てたい |
| 中玉 | 40〜80グラム | 8〜15 | 失敗を減らして量を穫りたい |
| ミニ | 10〜20グラム | 15〜30 | 毎日少しずつ穫りたい |
一段目の花が見える苗を選ぶ
売り場では、一段目の花房(最初の花のかたまり)の蕾が見え始めた苗を選びます。中玉は生育が早いので、花が咲ききって実が付いた苗は老化が進んでおり、植えたあとの根の張りが鈍ります。蕾が見える程度がちょうどよい若さです。
茎は鉛筆より太く、節と節の間が詰まっていて、下葉が黄ばんでいないものを選びます。根鉢(根と土のかたまり)を軽く抜いて、白い根が回っていれば健全です。接ぎ木苗は青枯病や萎凋病が出た畑で選びます。
- 蕾の見え方で若さを見る
- 一段目の花房に小さな蕾が見え始めている苗が適期です。花が全部咲いた苗は老化、蕾の影もない苗は若すぎます。
- 茎の太さを比べる
- 同じ品種の苗を数本並べ、いちばん茎が太く節間の詰まったものを選びます。中玉は房が重いので、太さがそのまま強さになります。
- 根を確かめる
- ポットから根鉢を抜き、白い根が全体に回っているものを選びます。根が少なく黒ずんだ苗は避けます。
地温が十五度を超えてから植える
中玉トマトも大玉と同じく、根が動くのは地温が十五度を超えてからです。関東の露地では五月の連休前後が目安で、黒マルチ(地面を覆うフィルム)を一週間前に張っておくと地温が上がり、植えてすぐ根が伸び始めます。
植え穴は根鉢と同じ深さに掘り、根鉢の上面が地面と同じ高さになるように置きます。徒長した苗は茎を寝かせて植えると茎から根が出て安定しますが、がっしりした苗ならふつうの浅植えで十分です。
- 一週間前にマルチを張る
- 畝を立てて黒マルチを張り、地温を上げておきます。張った直後より数日おいてから植えるほうが活着が早いです。
- 花房を通路側に向ける
- 一段目の花房を通路側に向けて植えると、以後の花房も同じ側に付き、収穫が楽になります。
- 植えたら仮支柱で固定
- 短い支柱を斜めに挿し、茎をゆるく結びます。風で揺れると出たばかりの根が切れます。
- 水は根鉢になじませる程度
- 植えた直後にたっぷり与えたら、以後は表面が乾くまで待ちます。毎日与えると根が浅くなります。
株間は五十センチを空ける
中玉トマトは大玉より葉が茂りやすく、詰めて植えると株元の風通しが悪くなって病気が出ます。株と株の間は五十センチ、畝の間は一メートル以上を目安にします。プランターなら一株に二十リットル以上の土を用意します。
二本仕立てにする予定なら、株間はさらに広く六十センチ以上取ります。狭いと隣の株と枝が絡み、わき芽かきや収穫のたびに枝を折ってしまいます。
| 仕立て方 | 株間 | 一株の土の量(プランター) |
|---|---|---|
| 一本仕立て | 45〜50センチ | 20リットル |
| 二本仕立て | 60センチ以上 | 30リットル |
| 放任に近い | 80センチ以上 | 向かない |
植えたあとの一週間は水を控える
植え付け直後にたっぷり水を与えたあとは、土の表面が白く乾くまで待ちます。乾いてから与えるを繰り返すと根が深く伸び、夏の乾きに強い株になります。毎日与えると根が表面に集まり、七月に一日でしおれる株になります。
活着(根付くこと)の確認は朝の葉の張りで行います。植えて三日から五日で朝に葉が立っていれば根が動いています。日中のしおれは活着前なら普通で、朝も戻らないときだけ株元に水を与えます。
- 朝の葉を見る
- 朝に葉がぴんと立っていれば活着しています。日中しおれても夕方に戻れば水は要りません。
- 追肥は一段目の実が付いてから
- 植え付け時に追肥をすると根を傷めます。一段目の実がビー玉ほどになったら、株から二十センチ離して施します。
- 一段目の花を揺する
- 花が咲いたら晴れた日の午前中に支柱を軽く叩き、花粉を落とします。低温の年ほど着果がよくなります。
植え付けでつまずいたときの切り分け
植えて一週間たっても葉が立たない、下葉が黄色くなる、茎が紫がかる。症状ごとに原因が違うので、地温と水の量から順に確かめます。株を抜くほどの失敗はほとんどありません。
- 全体がしおれて戻らない
- 根が動いていません。地温不足か水のやりすぎです。マルチを張り、水を控えて土を乾かし気味にして待ちます。
- 下葉だけ黄色くなる
- 根鉢が乾いて根が傷んだか、肥料が切れています。株元にたっぷり水を与え、戻らなければ薄い液肥を与えます。
- 葉裏が紫色になる
- 低温でリン酸を吸えていない状態です。気温が上がれば戻るので、肥料を足さずに待ちます。
- 植えた翌日に倒れた
- 根鉢が浮いているか風で揺れています。株元を押さえ直し、仮支柱にゆるく結び直します。
中玉トマトの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
中玉トマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は中玉トマトの育て方にまとめています。
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