まず病気か障害かを見分ける
実や葉の異常は、病気と生理障害(水や養分の偏りで起きる不調)に分かれます。障害は株から株へうつりませんが、病気は隣へ広がります。うつるかどうかで急ぎ方が変わるので、最初にどちらかを見分けます。
実の先端だけが黒くなるのは尻腐れという障害、実が割れるのは裂果という障害です。葉に輪のような斑点が出て広がる、株が急にしおれて戻らない、といった症状は病気を疑います。
| 症状 | 考えられるもの | うつるか |
|---|---|---|
| 実の先端が黒く腐る | 尻腐れ(生理障害) | うつらない |
| 実が同心円や放射状に割れる | 裂果(生理障害) | うつらない |
| 葉に輪紋の斑点、実に黒い斑 | 疫病 | うつる |
| 日中しおれ、朝は戻り、数日で枯れる | 青枯病 | うつる |
裂果は雨よけと早採りで防ぐ
実が色づくころに大雨が降ると、実の中身が急に膨らんで皮が割れます。中玉は大玉より皮が薄い品種が多く、裂果はいちばん多い悩みです。へたの周りに同心円状に割れるものと、放射状に割れるものがあり、どちらも急な水の変化が原因です。
いちばん確実な対策は雨よけで、支柱の上にビニールを張るだけで割れは大きく減ります。雨よけがなければ、色づき始めた房を大雨の前に採って室内で追熟させます。皮の丈夫な品種を選ぶのも効きます。
- 雨よけを張る
- 支柱の上端に横棒を渡し、透明なビニールを屋根のようにかけます。横は開けておき、風は通します。
- 大雨の前に早採りする
- 赤みが半分回った実は採ってしまい、室内で二日から三日置きます。味は畑で完熟させたものとほぼ変わりません。
- 割れた実はすぐ使う
- 割れた実は腐りやすいので採って早めに食べます。株に付けたままにすると病気の入り口になります。
尻腐れは水の波を小さくする
尻腐れは実の先端が黒く陥没する障害で、実の先端までカルシウムが届かないときに出ます。土に石灰があっても、乾燥や肥料過多で根が吸えないと出るので、対処は水の管理が中心です。
出た実は治らないので早めに取り、土の乾きと湿りの差を小さくします。追肥を一回休むのも効きます。一段目や二段目に出て、以後出なくなることも多いので、株ごと抜く必要はありません。
- 黒くなった実を取る
- 先端が黒い実は太らないので見つけ次第摘み取り、残った実に養分を回します。房の他の実まで黒くなることはまれです。
- 敷きわらで乾きを抑える
- 株元に敷きわらやマルチをして、土の乾く速さをゆるめます。乾いたら朝に株元へ与えます。
- 窒素の追肥を一回休む
- 肥料の効きすぎはカルシウムの吸収を妨げます。葉が巻いているなら次の追肥を飛ばします。
疫病は梅雨の見回りで止める
疫病は梅雨の低温多湿で出る病気で、葉に暗い緑から茶色の斑点が広がり、実にも茶色の硬い斑ができます。進みが速く、一週間で株全体に広がることもあります。下葉から出るので、梅雨の間は株元の葉を毎週確かめます。
出た葉は見つけ次第取り、畑の外で処分します。株元の風通しをよくし、葉に水をかけない水やりを徹底します。広がりが止まらないときは、トマトに登録のある殺菌剤を使います。ラベルの適用作物を必ず確かめます。
- 下葉の斑点を毎週見る
- 梅雨の間は株元の葉の裏まで見ます。暗い緑のにじんだ斑点が初期の姿で、翌日には茶色に変わって広がります。
- 病葉を取って持ち帰る
- 斑点の出た葉は根元から取り、畑に置かずに処分します。はさみは株ごとに消毒します。
- 雨よけと下葉かきで予防
- 雨よけで葉が濡れる時間を減らし、収穫済みの段の下葉を取って風を通します。株間を詰めすぎないことも予防です。
青枯病は株を抜いて広げない
青枯病は土の中の細菌が根から入り、日中に急にしおれて朝には戻る、を数日繰り返した後に緑色のまま枯れる病気です。茎を切って水に浸けると白い液が糸を引くのが特徴で、これで見分けられます。
薬で治すことはできません。見つけたら株を根ごと抜いて畑の外で処分し、その場所には数年トマトやナスを植えないようにします。次の年からは接ぎ木苗を使うと、台木の抵抗性でほぼ防げます。
- 茎を切って水に浸ける
- しおれた株の茎を地際で切り、切り口を透明な水に浸けて数分待ちます。白く濁った液が糸を引いて出れば青枯病です。
- 株を根ごと抜く
- 周りの土ごと掘り上げ、畑の外で処分します。抜いた場所の土は他の畝に運ばず、道具も洗ってから使います。
- 翌年は接ぎ木苗にする
- 抵抗性の台木に接いだ苗を選びます。同じ場所での連作も避け、ナスやピーマンも数年は植えません。
アブラムシとコナジラミは早期発見
新芽や葉裏に付くアブラムシと、葉裏に潜む白い小さなコナジラミは、株を弱らせるだけでなくウイルス病を運びます。ウイルス病は治らないので、虫を増やさないことが対策になります。
少ないうちは指でつぶすか水で洗い流します。黄色い粘着シートを株のそばに吊るすと、飛んでくる成虫を減らせます。増えてしまったら、トマトに登録のある殺虫剤を葉裏まで届くように散布します。
- 葉裏を週に一度見る
- わき芽かきのついでに葉裏をめくり、小さな虫が付いていないかを見ます。新芽の先も忘れずに見ます。
- 少ないうちに取る
- 指でつぶす、粘着テープで取る、水で流すのいずれかで、増える前に減らします。新芽に固まっているうちなら数分で済みます。
- 黄色い粘着シートを吊るす
- コナジラミやアブラムシの成虫は黄色に集まります。株の高さに吊るして飛来を減らします。
中玉トマトの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は中玉トマトの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。