仕立て方を先に決める
メロン・マクワは、どのつるに実を付けるかがあらかじめ決まっています。親づるにはほとんど雌花が付かず、子づるから出た孫づるの根元に付きます。この性質を知らずに伸ばし放題にすると、葉だけが茂って実が一つも付きません。
場所の広さで仕立て方を決めます。地面に這わせる地這いなら一株で三平方メートルほど、支柱に登らせる立体づくりなら一平方メートルほどで済みます。
| 仕立てのタイプ | 伸ばす子づる | 向く場所 |
|---|---|---|
| 地這い | 三本から四本 | 畑。三平方メートルほど要る |
| 支柱の立体づくり | 二本 | ベランダや狭い畑。実は吊る |
| 放任 | そのまま | マクワ向き。実は小さくなる |
親づるは本葉五枚で摘心する
植え付けから二週間ほどで本葉が五枚から六枚になったら、親づるの先を摘心(先端を切って枝分かれを促すこと)します。ここを切らないと親づるだけが長く伸び続け、実の付く子づるが出てきません。
切ったあと、葉の付け根から子づるが四本から五本出てきます。そのうち勢いのそろった三本を残し、残りは付け根から取り除きます。判断が付かないうちは、しばらく伸ばしてから太いものを選んでも構いません。
- 本葉を数える
- 双葉の上から数えて五枚か六枚になったら合図です。手で先端をつまんで折るか、清潔なはさみで切ります。
- 子づるを選ぶ
- 出てきた子づるのうち、太さと伸びのそろった三本を残します。細いものと下向きのものは付け根から外します。
- 向きをそろえる
- 地這いなら三本を扇形に広げ、重ならないように向きを決めます。重なると下の葉が枯れて病気の元になります。
- 晴れた日に切る
- 切り口から病気が入らないよう、雨の日は避けます。朝に切れば日中に乾いてふさがります。
子づるの根元寄りの孫づるは外す
残した子づるからは、葉の付け根ごとに孫づるが出ます。根元に近い側の孫づるは実が小さくなりやすいので、株元から数えて六節目までは付け根で取り除きます。ここを残すと株が消耗し、肝心の実に力が回りません。
七節目から十二節目あたりに出た孫づるが、実を付けるのに適した場所です。ここは残し、実が一つ付いたら、その先の葉を二枚残して先端を止めます。
- 六節目まで外す
- 子づるの株元から六節目までに出た孫づるは、小さいうちに付け根から取ります。大きくしてから切ると株が弱ります。
- 七節目から残す
- 七節目以降の孫づるを残します。ここに咲く雌花に実を付けると、形も大きさもそろいやすくなります。
- 実の先で止める
- 実が付いた孫づるは、実の先の葉を二枚残して先端を切ります。養分が実に向かい、太りがよくなります。
- 子づるの先も止める
- 子づるが二十五節ほどまで伸びたら先端を切ります。これ以上伸ばしても実は増えません。
朝のうちに人工授粉する
雌花は花の付け根に小さな丸い膨らみがあり、雄花にはそれがありません。虫が少ないベランダや、雨続きで虫の飛ばない時期は、自分で花粉を付けたほうが確実です。花が開くのは朝で、昼を過ぎると花粉の力が落ちます。
受粉できた実は三日から五日で目に見えて膨らみ始めます。膨らまずに黄色くなって落ちるものは受粉していないので、慌てずに次の雌花で改めて行います。雨の日は前日に雄花へ袋をかけておくと、花粉がぬれずに使えます。
- 雄花を採る
- 朝の七時から九時ごろ、その日開いた雄花を摘み取ります。花びらを外して中の花粉の部分を出します。
- 雌花に付ける
- 膨らみのある雌花の中心に、雄花の花粉を軽くこすり付けます。強く押すと傷が付くのでそっと触れます。
- 日付の札を付ける
- 受粉した日を書いた札やひもをそのつるに結びます。収穫時期の判断がこの日付だけで決まります。
- 実を選ぶ
- 一本の子づるに三つ以上付いたら、形のよいものを残して他は早めに取ります。数を欲張ると全部小さくなります。
実が付いたあとの手入れ
実が卵ほどになったら、下に発泡スチロールの板やわらを敷いて土から浮かせます。土に接した面は色が付かず、そこから腐りやすくなります。立体づくりなら、袋やネットで吊って枝に重さがかからないようにします。
葉は実を育てる工場なので、黄色くなった下葉以外は取りません。混みすぎて風が通らないときだけ、重なった葉を数枚外して光を通します。
- 実の下に敷く
- 卵ほどになったら板やわらを敷きます。地面に接したままだと下面が白く残り、雨のあとに腐ることがあります。
- 吊るして支える
- 立体づくりでは玉ねぎのネットや布で実を包み、支柱に結びます。重みでつるが折れるのを防げます。
- 枯れ葉だけ取る
- 黄色く枯れた下葉は病気の元になるので取ります。緑の葉は残し、光がよく当たるように向きだけ整えます。
整枝でつまずいたときの切り分け
実が付かない、落ちる、形がゆがむといった不調は、どこを切ったかで原因が読めます。摘む場所を間違えたのか、受粉の時間がずれたのか、肥料が多すぎたのかを順に確かめます。
- 雌花がないとき
- 雄花ばかりなら、まだ株が若いか肥料が多い状態です。追肥を止めて子づるを伸ばすと、先の節に雌花が出ます。
- 実が落ちるとき
- 受粉が足りていません。翌朝、開いたばかりの雄花で付け直します。雨の日は前日に花に覆いをかけます。
- 形がゆがむとき
- 受粉が片寄ったか、水切れが起きた印です。次の実では花粉を全体に付け、実の太る時期に水を切らさないようにします。
- 切りすぎたとき
- 子づるを全部切ってしまっても、新しい芽が出れば作り直せます。追肥は控え、伸びた二本に絞って進めます。
メロン・マクワのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
メロン・マクワの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はメロン・マクワの育て方にまとめています。
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