露地で作れるタイプから選ぶ
メロン・マクワは同じウリ科の仲間ですが、育てやすさには大きな差があります。網目の入る高級なタイプは温度と湿度をこまかく管理する必要があり、屋外の家庭菜園ではまず思ったようになりません。最初はマクワウリや小玉の交配種から始めると、失敗がぐんと減ります。
苗はウリ科の連作障害に強い接ぎ木苗(別の丈夫な根に接いだ苗)が安心です。同じ場所で三年以内にキュウリやスイカを作った畑なら、自分の根で育つ苗はつる割病で枯れやすくなります。新しい土のプランターなら自根の苗でも構いません。
| タイプ | 露地での作りやすさ | 植え付けから収穫まで |
|---|---|---|
| マクワウリ | いちばんやさしい。雨にも比較的強い | およそ八十日 |
| プリンス型の小玉 | やさしい。一株に三個から四個穫れる | およそ九十日 |
| 網目の入る大玉 | むずかしい。雨よけがないと裂けやすい | 百日前後 |
苗は本葉四枚、双葉が残ったものを選ぶ
売り場では大きく伸びた苗が立派に見えますが、選ぶのは背が低くてがっしりしたものです。節と節の間がつまっていて、双葉が黄色くならずに残っている苗は、根がしっかり張っている証拠になります。
反対に、茎が細長く伸びて双葉が落ちている苗は、日照りが足りない場所で育った苗です。植えても根が伸びず、最初のつるが出るまでに時間がかかります。買ってきたその日に植えられないときは、日なたに置いて夕方に軽く水を与えて待ちます。
- 双葉を見る
- 根元の丸い二枚がしっかり残っているか確かめます。ここが落ちた苗は根も傷んでいることが多く、植え付け後の伸びが鈍ります。
- 節の間隔を見る
- 本葉が四枚から五枚で、葉と葉の間がつまっているものを選びます。間延びした苗は初期の伸びが弱くなります。
- 葉裏を返す
- アブラムシやハダニが付いていないか、白い斑点や粉がないかを見ます。買った時点の虫は畑に持ち込まれます。
- 接ぎ目を確かめる
- 接ぎ木苗は根元に斜めの継ぎ目があります。そこが土に埋まると意味がなくなるので、植える深さの目印にします。
植え付けは地温が十五度を超えてから
メロン・マクワは熱帯生まれで、寒さに当たると根が動かなくなります。関東の露地なら五月の連休が明けてからが目安で、四月中に急いで植えても伸びません。朝の最低気温が十度を下回らなくなったころが分かりやすい合図です。
植える二週間前までに土を作っておきます。畑なら一平方メートルあたり苦土石灰を軽くひとつかみと堆肥を入れて耕し、水はけを良くするために高さ十五センチほどの畝を立てます。低い畝は梅雨に根を傷めます。
- 植え穴に水を注ぐ
- 穴を掘ってから先に水をたっぷり入れ、引いてから苗を置きます。植えたあとに上からかけるより根がなじみます。
- 浅めに植える
- 根鉢の肩が土の面より少し高くなるように置きます。深植えは接ぎ目が埋まり、病気の入り口になります。
- 株間を九十センチ取る
- つるが四方に伸びるので、株と株は九十センチから百センチ空けます。狭いと葉が重なって病気が出ます。
- たっぷり水を与える
- 植えた直後だけはしっかり与えます。以降は根を張らせるため、しおれない限り控えめにします。
遅霜の心配がある地域では、植え付けを一週間遅らせるほうが結果的に早く穫れます。
マルチと行灯で最初の二週間を守る
植えたばかりの苗は風で葉がちぎれ、夜の冷えで動きが止まります。畝に黒いマルチを張って地温を上げ、苗のまわりを肥料袋やあんどん状の囲いで囲うと、二週間の立ち上がりがまるで違ってきます。
囲いはつるが囲いの高さを越えたら外します。いつまでも囲っておくと中が蒸れ、うどんこ病が出やすくなります。外すのは風の弱い曇りの日を選ぶと、葉が焼けません。
- マルチを張る
- 植え付けの一週間前に黒いマルチを張り、地温を上げておきます。雑草も抑えられ、実が土で汚れるのも防げます。
- あんどんで囲う
- 底を抜いた肥料袋を支柱で立て、苗を囲みます。風よけと保温を兼ね、ウリハムシの飛来も減らせます。
- つるが出たら外す
- 本葉が七枚を超え、囲いの上に葉が出てきたら外します。中が蒸れる前に外すのが要点です。
プランターや狭い場所で作る
つるを地面に這わせる場所がなくても、支柱に登らせる立体づくりならベランダでも作れます。土は深さ三十センチ以上、容量にして二十五リットル以上の大きめの容器を選び、一株だけ植えます。
容器づくりでは水切れが最大の敵です。実が太る時期に一日水を切らすと、そこで生育が止まります。受け皿にためた水は根腐れのもとなので、朝にたっぷり与えて夕方に土の乾きを見る形にします。
| 容器 | 植える株数 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 二十五リットル以上の丸鉢 | 一株 | 支柱を四本立てて上に伸ばす |
| 六十センチの長方形 | 一株 | 根が浅いので夏は朝夕の水やり |
| 土のう袋や不織布の袋 | 一株 | 乾きが早い。受け皿を使わない |
植え付けでつまずいたときの切り分け
植えてから一週間たっても新しい葉が出ないときは、原因を地温、水、根の三つに分けて考えます。触ってみて土が冷たければ地温、葉がだらりと垂れていれば水、株元がくびれていれば根や病気の疑いです。
- 冷えを疑う
- 朝に土を触って冷たければ地温不足です。あんどんをかけ直し、日中だけ上を開けて夜は閉じます。
- 水のやりすぎを疑う
- 土が常に湿っているのに葉がしおれるなら根腐れです。水を止めて乾かし、畝の低い場所なら溝を切って排水します。
- 株元を確かめる
- 地際が茶色くくびれて倒れるなら病気です。抜き取って処分し、同じ穴には植え直さず別の場所に植えます。
- 虫を探す
- 葉に丸い食べあとがあればウリハムシです。朝の動きが鈍い時間に捕らえ、囲いや不織布で飛来を防ぎます。
メロン・マクワの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
メロン・マクワの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はメロン・マクワの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。