香りが一番濃いタイミング
精油は葉にたまり、その量は時刻と生育段階で変わる。もっとも濃いのはつぼみが上がる直前、そして朝の露が乾いた直後である。日中の高温にさらされると香りは飛ぶ。
- 時刻は午前の早い時間
- 露が乾き、気温が上がりきる前が目安。前日に雨が降ったときは葉に水が残り、乾燥に回すと傷みやすいので一日待つ。
- 段階はつぼみの直前
- 花が咲くと葉が硬くなり香りが鈍る。茎の先に小さなつぼみの塊が見えたら、その二節下で切る。これが収穫と刈り込みを兼ねる。
- 株の状態を確かめる
- 植え付けから一か月未満の株や、刈り込み直後の株からは摘まない。葉数が三分の一を切ると、その後の立ち上がりが遅れる。
雨上がりの葉は水を含んで香りがぼやける。生で使うぶんには構わないが、乾燥に回すなら晴れが二日続いた朝を選ぶ。
摘み方で次の収穫量が変わる
- 葉を一枚ずつ取らない
- 葉だけ摘むと茎ばかり伸びて株が間延びする。枝ごと切れば節から二本の枝が出て、次の収穫量がむしろ増える。
- 節の上で切る
- 節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が伸びる。節と節の間で切ると切り口が枯れ込み、株の見た目も悪くなる。
- 一度に三分の一まで
- 株全体の三分の一を上限にすれば、二週間から三週間で元の姿に戻る。半分以上摘むときは、そのあとの水やりと追肥(育てている途中で足す肥料)を厚くする。
- はさみは切れるものを
- つぶれた切り口は枯れ込みやすい。よく切れるはさみで一度に切り、同じ切り口を何度も挟み直さないほうが再生が速い。
収穫のたびに枝分かれするので、季節の終わりには株が横に広がる。秋に一度大きく刈り戻して形を整えるとよい。
使い方で変わる下ごしらえ
| 用途 | 下ごしらえ | 注意点 |
|---|---|---|
| 生のまま飲み物に | 冷水にくぐらせて水気を切る | 強くもむと苦味が出る。手のひらで軽くたたく |
| 温かいお茶に | 葉だけをちぎって湯を注ぐ | 煮出すと渋くなる。三分ほど蒸らす |
| 料理の香りづけに | 仕上げの直前に加える | 加熱の時間が長いと香りが飛ぶ |
| 乾燥させて保存 | 洗わずほこりを払う | 水で洗うと乾きにくく、色も悪くなる |
土はねが気になる株は、収穫の前日に株元へ水をかけて葉を洗っておくと、摘んだあとに洗わずに済む。
乾燥のしかた
- 束ねて陰干しにする
- 枝を十本ほど束ね、風通しのよい日陰に逆さに吊るす。直射日光に当てると色が抜け、香りの成分も飛んでしまう。
- 乾く目安は一週間から二週間
- 葉が指で崩れるまで乾かす。湿りが残ると保存中にかびる。梅雨どきは室内でも風の通る場所を選ぶ。
- 乾いたら葉だけ外す
- 茎は香りが薄くかさばるだけなので外す。葉は細かく砕かず、形を残したまま保存するほうが香りが長持ちする。
- 色が黒くなったら失敗
- 乾く途中で葉が黒ずむのは湿気が抜けきっていない証拠。風の通る場所へ移し、束を細くして間隔を空け直す。
- 密閉して暗い場所に置く
- ふたの締まる瓶に入れ、日の当たらない棚に置く。透明な瓶を明るい場所に置くと、半年もたたずに色と香りが抜ける。
電子レンジで一気に乾かすと香りの成分が飛ぶ。時間はかかっても、風を当てて陰干しするほうが仕上がりはよい。
保存方法の使い分け
| 方法 | 持ちの目安 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 水に挿して冷蔵 | 三日から五日 | 翌日以降に生のまま使う分 |
| 湿らせた紙で包み冷蔵 | 一週間ほど | 少量ずつ料理に使う分 |
| 刻んで冷凍 | 一か月から二か月 | 飲み物や煮込みに入れる分 |
| 乾燥させて密閉 | 半年から一年 | ハーブティーや入浴に使う分 |
冷凍した葉は解凍すると形が崩れる。飾りには向かないので、香りだけを使う用途に回すとむだがない。
収穫が続かないときの原因
- 摘みすぎている
- 毎回半分以上を刈ると、株が回復しないうちに次の収穫時期が来る。二株を交互に摘む形にすれば、絶やさずに使える。
- 花を放置している
- 咲かせたままだと株は種づくりに力を回し、新しい葉が出なくなる。花芽を見つけ次第切れば、秋まで収穫が続く。
- 夏に生育が止まっている
- 高温期は伸びが鈍る。半日陰に移して水を切らさなければ、九月の涼しさとともに再び伸び始める。
収穫量の目安と使い切り方
直径二十四センチほどの鉢一つで、生葉なら二週間に一度、両手にひとつかみが取れる。ハーブティーを毎日飲むなら、この一鉢でほぼ足りる計算になる。
- 使い切れないときは乾かす
- 生のまま冷蔵しても数日しかもたない。摘んだその日に束ねて吊るせば、無駄が出ずに一年分の保存に回せる。
- 大量に出るのは刈り込み時
- 梅雨前と秋の刈り込みでは一度に大量の枝が出る。この二回に合わせて乾燥の場所を空けておくと処理が楽になる。
- 香りが弱い葉は入浴に
- 硬くなった葉や開花後の葉は飲用には向かない。乾かして布袋に入れ、湯に浮かべる使い道なら香りが弱くても役に立つ。
一年で使う量を先に決めておくと株数の判断がぶれない。余らせて捨てるより、少なめに持って刈り込みで回すほうがよい。
ミントの収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ミントの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミントの育て方にまとめています。
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