地植えか鉢か、最初に決める
ミントで失敗する人の多くは、植えた場所を選び直せなくなってから気づく。地下茎は一年で四方に五十センチ前後伸び、三年で畳一枚分を覆うこともある。最初の判断がその後をほぼ決める。
判断材料は「その区画を将来ミント以外に使う予定があるか」の一点でよい。予定がないなら地植えでよく育つ。少しでも他の草花や野菜を入れたいなら、鉢か根止めで囲った区画に限る。
- 地植えしてよい場合
- コンクリートや建物で三方が囲まれた細長い場所、または数年間ミント専用と割り切れる区画。周囲に他の宿根草がなく、はみ出しても踏んで済む場所なら地植えが一番よく育つ。
- 鉢にすべき場合
- 花壇の一角、菜園の畝の端、芝生に接した場所。いずれも地下茎が隣の区画へ抜ける。ここに直に植えると、翌年から他の株の間にミントの芽が出てくる。
- 迷ったときの初手
- 一年目は鉢で育てて様子を見る。香りや使い道が気に入り、置き場所も定まってから地植えを考えればよい。鉢から地面へ移すのは簡単だが、逆は根の掘り上げになる。
地下茎はいつ、どこへ伸びるか
広がりの主役は地上の茎ではなく、地表から深さ五センチから十五センチを横に走る白い地下茎である。先端が持ち上がって新しい芽になり、その株がまた地下茎を出して先へ進む。
伸びが速いのは気温が上がる春と、暑さがゆるむ秋の二回。真夏と真冬はほとんど止まる。つまり手当てが効く時期も春と秋に集中する。
| 時期 | 地下茎の動き | このときやること |
|---|---|---|
| 3月から5月 | 休眠から目覚めて一気に横走りする | 鉢の底と縁を点検し、はみ出した先を切る |
| 6月から8月 | 高温で伸びは鈍る。地上部が茂る | 刈り込んで蒸れを防ぐ。掘り返しは避ける |
| 9月から10月 | 二度目の伸長期。翌春の芽を作る | 株分けを兼ねて掘り上げ、範囲を戻す |
| 11月から2月 | 地上部が枯れ、地下茎で越冬する | 範囲を記録し、根止めを入れ直すのに向く |
鉢で封じ込めるときの要点
- 鉢は大きめの深鉢
- 直径二十四センチ以上で深さのあるものを選ぶ。浅鉢は根が回るのが早く、夏に水が切れて香りの乗らない小さな葉ばかりになる。土は市販の草花用培養土でよい。
- 鉢を地面に直置きしない
- 縁からしなだれた茎が地面に触れると、その節から根を下ろして株が増える。レンガや台で数センチ浮かせ、受け皿を敷いておけば逃げ道がなくなる。
- 一年に一度は株を割る
- 根詰まりすると葉が小さくなり香りも薄れる。春か秋に鉢から抜き、外側の元気な部分を三分の一だけ残して植え直す。残りは捨てるか人に譲る。
- 水は多め、肥料は少なめ
- 乾燥に弱いので、鉢土の表面が乾いたらたっぷり与える。一方で肥料が多いと葉ばかり大きくなって香りが薄い。春と秋に緩効性の粒を少量置く程度でよい。
鉢の底穴から地下茎が抜けて地面に根づくことがある。置き場所を年に一度ずらして鉢底を確認しておくと確実。
地植えするなら囲って植える
- 底を抜いた容器ごと埋める
- 十号以上の鉢や深い容器の底を抜き、縁を地面から三センチ出して埋める。縁が地面と同じ高さだと、そこを乗り越えて外へ出てしまう。
- 根止め板は深さ三十センチ
- 地下茎の大半は深さ十五センチまでを走るが、余裕を見て三十センチ以上埋め込む。継ぎ目の隙間から抜けるので、板は重ねて差し込む。
- 囲いの内側だけを耕す
- 囲いをまたいで土をならすと、混じった地下茎の断片が外で芽を出す。移植ごては囲いの中で使い、外へ出す前に土を落とす。
- 境界を毎年見て回る
- 春に囲いの外周を一周し、外に出た芽を見つけたら地下茎までたどって引き抜く。年一回でも続ければ面積は増えない。
もう広がってしまったときの戻し方
抜くだけでは戻らない。ちぎれた地下茎はひとかけらからでも芽を出すので、掘り残しがあれば翌春に同じ場所から生えてくる。掘る作業は一度では終わらないと考えて始めるほうがよい。
- 掘るのは秋か早春
- 地上部が小さく、地下茎が見つけやすい時期を選ぶ。夏に茂った状態で掘ると、切れた断片が土に紛れて取りこぼしが増える。
- 外周から内側へ掘る
- 広がりの先端を先に断ち、そこから中心へ向かって土をふるう。逆の順だと、掘った拍子に先端の地下茎が押し出されて範囲が広がる。
- 白い地下茎は全部拾う
- 地下茎は白くて節があり、太さはうどん程度。土をふるいにかけるつもりで拾う。指で切れる柔らかさなので、力任せに引かずたどって抜く。
- 翌春にもう一度点検
- 一度で根絶できることはまずない。四月に出てきた芽をもう一度掘れば、二年でほぼ収まる。芽を見つけるたびに抜くだけでも勢いは落ちる。
掘り上げた地下茎を庭の隅に積むと、そこから新しい株になる。土を落として乾かすか、生ごみとして処分する。
他の植物と一緒に植えるときの注意
- 野菜の畝に直植えしない
- 地下茎が畝を横断し、根菜のあいだに芽を出す。虫よけを兼ねて近くに置きたいときは、鉢のまま畝の脇に置けば効果は変わらない。
- 宿根草の花壇は要注意
- 冬に地上部が消えるためミントの範囲が見えなくなる。春に一斉に芽吹くと、株元にいたはずの小型の宿根草が消えていることがある。
- 乾き好きのハーブと分ける
- ローズマリーやタイムは乾き気味の土を好み、ミントは湿り気を好む。同じ鉢に寄せ植えすると水やりがどちらかに合わなくなる。
ミントの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
ミントの収穫までのコツは作物ページに
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