一年に二回、秋を主にする
水菜は春と秋にまけますが、味も収穫量も秋まきが上です。春まきは短期の小株どりに割り切り、秋にまとめて作るのが家庭菜園では合理的です。
どの作型を選ぶかは、いつ食べたいかで決めます。鍋の季節に合わせたいなら八月下旬にまき、サラダを続けたいなら九月から十月に二週間おきにまくと切らさずに済みます。
| 作型 | まき時 | 収穫と特徴 |
|---|---|---|
| 春の小株どり | 3月下旬〜5月 | 4月下旬〜6月。とう立ちが早く短期決戦 |
| 秋の大株どり | 8月下旬〜9月上旬 | 11月〜1月。鍋向きの大きな株になる |
| 秋の小株どり | 9月中旬〜10月 | 10月下旬〜12月。最も失敗が少ない |
| 冬のトンネル | 10月下旬〜11月 | 1月〜3月。不織布か農業用の透明資材が要る |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を前提にした目安です。寒い地域は秋まきを半月ほど早め、暖かい地域は半月遅らせると気温に合います。水菜は生育が早いので、多少ずれても取り返しがつきます。
水菜は生育が早いので、日付どおりに進まなくても取り返しがつきます。まき時を二週間ずらして二回まけば、収穫が途切れずに続きます。
大株どりだけは時期が厳しく、八月下旬から九月上旬を逃すと株が大きくなりません。この一行だけは日付を守るつもりで予定に入れておいてください。
| 月 | やること | 見るところ |
|---|---|---|
| 3月 | 土づくり、小株どりの種まき | 遅霜の年は不織布をかける |
| 4月 | 間引き二回、追肥、収穫が始まる | とう立ちの前に穫り切る |
| 5月 | 春まきの最後、収穫を終える | 気温が上がったら片づける |
| 8月下旬 | 大株どりの種まき、土づくり | 残暑の水切れに注意する |
| 9月 | 小株どりの種まき、間引き | まいた日にネットをかける |
| 10月 | 追肥、土寄せ、小株の収穫 | 虫の飛来が最も多い時期 |
| 11月 | 大株の収穫が始まる。不織布をかける | 霜に当たると甘くなる |
| 12月〜1月 | 大株を順に収穫する | 凍る夜はトンネルを閉じる |
| 2月 | 残った株を穫り切る | とう立ちしたら菜の花として使う |
九月と十月は虫との勝負
九月から十月は水菜がよく育つ時期ですが、同時にアブラナ科を狙う虫が最も多く飛ぶ時期でもあります。この二か月をネットで乗り切れれば、あとは寒さで虫が減ります。
虫の飛来は気温が下がると急に減ります。十一月に入って朝が冷え込むころになれば、ネットを外しても被害はほとんど出ません。逆にいえば、九月と十月さえ守り切れば水菜はほぼ穫れたも同然です。
- まいた日にネット
- 種をまいたその日に防虫ネットをかけ、すそを土で完全に埋めます。あとからでは中に虫が入っています。
- 間引きのときだけ開ける
- 作業のためにネットを外したら、その日のうちに元どおりかけ直します。開けたままの一晩で卵を産まれます。
- 十月に葉裏を点検
- 週に一度は葉の裏を見ます。アブラムシの群れや小さな穴を早く見つければ、手で取るだけで済みます。
ネットの目は一ミリ以下のものを選んでください。目の粗いネットではコナガやキスジノミハムシが通り抜けます。
まき時をずらして長く穫る
水菜は一度にまくと一度に穫れごろが来て、食べ切れずにとう立ちさせてしまいがちです。二週間ずつずらして三回まけば、収穫が二か月にわたって続きます。
ずらしてまくときは、畝を三つに区切って順にまいていくと管理が分かりやすくなります。まいた日を札に書いて挿しておけば、収穫の見当も付けやすくなります。
| 時期 | まく量の目安 | 収穫の時期 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 畝の3分の1 | 10月中旬〜11月 |
| 9月下旬 | 畝の3分の1 | 11月〜12月上旬 |
| 10月中旬 | 畝の3分の1 | 12月〜1月。不織布をかける |
地域でずれる時期の目安
水菜は寒さに強く、氷点下五度ほどまでなら露地でも耐えます。地域の差は主に、冬にどこまで収穫を続けられるかに出ます。雪が積もる地域では、トンネルをかけるかどうかで判断が変わります。
雪が積もる地域では、雪の下でも水菜は生きています。掘り出せば穫れますが、作業が大変なので十二月までに穫り切る計画にするほうが無理がありません。
| 地域 | 秋まき | 冬の収穫 |
|---|---|---|
| 寒い地域 | 8月中旬〜9月中旬 | 12月まで。以降はトンネルが要る |
| 関東の平野 | 8月下旬〜10月 | 1月まで露地で穫れる |
| 暖かい地域 | 9月〜10月下旬 | 2月まで露地で穫れる |
時期の判断で迷ったときは
水菜は生育が早いぶん、数日の遅れが姿に出ます。カレンダーどおりに進まないときは、株の大きさを基準に次の作業を決めてください。
- まき遅れた
- 十月下旬を過ぎたら、小株どりに切り替えて不織布をかけます。大株には育ちませんが柔らかい葉は穫れます。
- 育ちが遅い
- 気温が低い年は日数がかかります。株の大きさが目安に届くまで待てば、味はむしろよくなります。
- 一度に穫れごろが来た
- 大きくなった株から順に抜き、洗って冷蔵庫へ入れます。とう立ちする前に穫ってしまうのが正解です。
- 株が大きくなりすぎた
- 目安の草丈を超えても葉が柔らかいなら、まだ穫れます。中心から太い茎が立ち始めていないかを見て判断します。
水菜の栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
水菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は水菜の育て方にまとめています。
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