大株と小株で作り方が分かれる
水菜は株間を四十センチ取れば白い軸が何百本にも分かれた大株になり、五センチのまま育てれば細くて柔らかいサラダ向きの小株になります。同じ種でも作り方でまったく別の野菜になるので、最初に決めておきます。
家庭菜園で扱いやすいのは小株です。まいてから三十日から四十日で穫れて場所も取らず、失敗しても短い期間でまき直せます。鍋の季節に大株を作りたいなら、九月上旬までにまくのが条件になります。

| タイプ | 株間 | まき時と収穫まで |
|---|---|---|
| 小株(サラダ用) | 5〜10センチ | 3〜5月と9〜10月。30〜40日 |
| 中株(お浸し用) | 15〜20センチ | 9月中旬まで。50〜60日 |
| 大株(鍋用) | 40センチ以上 | 8月下旬〜9月上旬。80〜100日 |
秋まきがいちばん作りやすい
水菜は涼しい気候を好み、暑さでは葉が固くなり虫も増えます。関東の露地なら九月から十月にまくのが最も失敗が少なく、寒さに当たった葉は柔らかく甘くなります。
春まきもできますが、気温が上がるととう立ち(花芽が伸びて葉が固くなること)が早く、収穫できる期間が短くなります。春は小株どりに割り切って、四十日ほどで穫り切るのが現実的です。
- まき時期を決める
- 鍋用の大株なら八月下旬から九月上旬、サラダ用の小株なら九月から十月、または三月下旬から五月にまきます。
- 土を平らにならす
- 水菜の種は小さいので、土の表面に大きな塊があると発芽がそろいません。まく前にくまでで細かくならしておきます。
- 石灰を先に入れる
- 酸性の強い土では育ちが悪くなります。まく二週間前に苦土石灰を一平方メートルあたり百グラムまいて耕しておきます。
小株はすじまき、大株は点まき
小株どりならば、深さ一センチの溝に一センチ間隔ですじまきします。厚くまくと間引きに手間がかかり、薄すぎると株がまばらになって畝が空きます。覆土(かぶせる土)は五ミリほどの薄さです。
大株どりならば、四十センチ間隔に三粒から四粒ずつ点まきします。あとから一本に間引くので、最初から一粒だけまく必要はありません。まいたあとは手のひらで軽く押さえ、たっぷり水を与えます。
- 溝か穴を作る
- 小株なら板の縁で深さ一センチの溝を切り、大株なら四十センチ間隔に浅いくぼみを作ります。条間は二十センチから三十センチにします。
- 薄くまいて覆土する
- 種を指ですり合わせて落とし、五ミリほど土をかけます。厚くかけると光が足りず発芽がそろいません。
- 押さえて水をやる
- 手のひらで軽く押さえて種と土を密着させ、はす口のじょうろで静かにたっぷり与えます。強い水流は種を流します。
- その日にネットをかける
- 水菜はアブラナ科なので、まいた日から虫が来ます。不織布か防虫ネットをかけ、すそを土で完全にふさぎます。
水菜の種はまいてから三日から五日で芽が出ます。一週間たっても出ないときは、覆土が厚すぎたか、乾かしてしまった可能性が高いです。
土づくりは水もちと水はけの両立
水菜は名前のとおり水を好み、乾くと葉が固くすじっぽくなります。一方で水がたまる畑では根が傷むので、堆肥をよく入れて、水を含みつつ余分は抜ける土にするのが理想です。
肥料は元肥(植える前に入れる肥料)として、一平方メートルあたり堆肥二キロと化成肥料一握りが目安です。葉物なので窒素が効きますが、多すぎると虫が付きやすくなるので控えめにします。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルあたり百グラムまいて深く耕します。肥料と同時に入れず、一週間は日を空けます。
- 一週間前に堆肥と肥料
- 完熟堆肥二キロと化成肥料を一握り入れて耕し、幅六十センチ、高さ十センチの畝を立てます。
- 表面を細かくならす
- くまでで表面の塊をつぶし、平らにします。種が小さいので、この一手間で発芽のそろい方が変わります。
間引きは二回に分ける
小株どりでは、双葉が開いたころに三センチ間隔、本葉が三枚から四枚になったころに五センチから十センチ間隔になるよう二回に分けて間引きます。一度に広げると残った株が風で倒れます。
間引いた株はそのまま食べられます。小さくても水菜の香りと歯ざわりがあり、サラダや味噌汁に使えるので捨てずに持ち帰ってください。これも収穫のうちと考えると作業が楽しくなります。
- 一回目は双葉のころ
- 混み合った場所から、双葉の形がゆがんだ株や色の薄い株を抜きます。三センチ間隔を目安にそろえます。
- 二回目は本葉四枚
- 残す株の葉が触れ合うころに、五センチから十センチ間隔にします。大株どりならここで一本立ちにします。
- 抜くときは押さえる
- 隣の株の根元を指で押さえながら、まっすぐ上に引き抜きます。斜めに引くと残す株の根まで動きます。
種まきでつまずいたときの切り分け
芽が出ない、出たけれど消えたという場合、水菜では原因が乾きか虫かのどちらかにほぼ絞られます。土を掘って種の状態を確かめれば判断できます。
- 種が乾いたまま
- 掘って種が元の形で乾いていたら水切れです。まき直して、発芽まで不織布をかけて乾きを防ぎます。
- 芽が地際で切れている
- ネキリムシの仕業です。倒れた株の周りの土を三センチほど掘ると、灰色の幼虫が丸まっているので取り除きます。
- 双葉に小さな穴
- キスジノミハムシです。ネットのすそに隙間がないか点検し、土で完全にふさぎ直します。
- 芽が細く倒れる
- 厚まきで込み合っています。早めに間引いて風と光を通せば、残った株は数日で立ち直ってきます。
種まきの手順
水菜は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
水菜の種まきでよくある質問
水菜の種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
水菜の種はどうやってまく?
点まき / すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
水菜の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
水菜の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
水菜は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
水菜の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
水菜の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
水菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は水菜の育て方にまとめています。
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