水は切らさない、ためない
水菜の葉が柔らかいかどうかは、育つ間に水が足りていたかでほぼ決まります。乾かすと繊維が発達して固くなり、辛みも強くなります。逆に水がたまると根が傷んで下葉から黄色くなります。
| 状態 | 水やりの判断 | やること |
|---|---|---|
| 土の表面が白く乾いた | 与える | 畝の全体に静かにたっぷり与える |
| 表面は乾き、指を入れると湿る | まだよい | 翌朝もう一度確かめる |
| 昼に葉がしおれる | 急いで与える | 夕方に与えて翌朝の姿を見る |
| 畝の間に水が残る | 与えない | 溝を切って水を抜く |
追肥は少量を二回
水菜の追肥(育ちの途中で足す肥料)は、二回目の間引きのあとと、その二週間後の二回で足ります。一度に多く与えると葉が濃い緑になって虫が寄り、味も苦くなります。
肥料は株元から離した畝の肩に置き、土と軽く混ぜて水をやります。大株どりの場合は生育期間が長いので、十月と十一月にもう一回ずつ足すと株の張りが違ってきます。
- 二回目の間引きのあと
- 化成肥料を一平方メートルあたり一握り、畝の肩にまいて土と混ぜます。株元に直接かけないようにします。
- 二週間後にもう一回
- 葉の色が薄くなってきたら同じ量を追加します。濃い緑を保っているなら足さずに済ませます。
- 液体肥料でも代用できる
- プランターや小株どりなら、薄めた液体肥料を一週間から十日に一度、水やり代わりに与えるほうが簡単です。
肥料が多いとアブラムシが増えます。葉が濃い緑で厚くなってきたら、追加をやめて様子を見るほうが結果的にきれいに穫れます。
大株は土寄せで株を締める
大株どりでは、株が大きくなるにつれて重みで外側に広がり、真ん中が開いて土が入ります。二回ほど土寄せ(株元へ土を寄せて支えること)をしておくと、株が締まって形よく育ちます。
土を寄せるときは、株の中心に土を落とさないよう、外側から静かに寄せます。中心に土が入ると洗うときに落ちず、鍋にしたときにじゃりじゃりします。
土を寄せる作業は、雨の翌日など土が湿っているときのほうが手早く終わります。乾いてかたい日に無理に削ると、株元の根まで一緒に引き上げてしまいます。
- 一回目は本葉六枚
- 畝の間の土を削って株元に三センチほど寄せます。同時に生えている草も一緒に埋められます。
- 二回目は十月下旬
- 株が広がり始めたころ、株元が隠れるまで寄せます。寄せた土が広がりを内側へ押し戻します。
寒さに当てて甘くする
水菜は霜に何度か当たると、凍らないよう糖を蓄えて甘くなります。十一月から十二月にかけての水菜が最もおいしいのはこのためで、寒さは味方だと考えて構いません。
ただし強い霜が続くと葉先が傷みます。トンネルに不織布をかけておけば、傷まずに寒さの効果だけを受けられます。日中は温度が上がりすぎないよう、すそを少し開けておきます。
霜に当てるといっても、株が凍ったまま昼まで放置されるほどの寒さは葉を傷めます。朝に葉がぱりぱりに凍っていたら、その日はさわらずに自然に戻るのを待ちます。
- 十一月に不織布をかける
- 支柱でトンネルを作り、不織布をかけます。ぴったりかけるのではなく、株に触れないよう浮かせます。
- 日中はすそを開ける
- 晴れた日は中の温度が上がりすぎます。すそを少し開けて風を通し、夕方の冷え込む前に閉じ直します。
とう立ちを遅らせる
水菜は寒さに当たったあと日が長くなると花芽を作ります。春まきで気温が上がるころ、あるいは秋まきを畑に置きすぎたときに、中心から太い茎が立ち上がってきます。こうなると葉が固くなります。
とう立ちを完全に止めることはできないので、時期を守って穫り切るのが最も確実な対策です。春まきなら四十日で収穫、秋まきなら二月までに穫り終える計画にしておきます。
- 春まきは早く穫る
- 三月下旬から四月にまいた小株は、四十日で穫り切ります。置くほどとう立ちの危険が増えます。
- 中心の茎を見る
- 株の真ん中から丸く太い茎が伸び始めたら、とう立ちの始まりです。数日のうちに収穫します。
- とう立ちしたら花茎を食べる
- 伸びた花茎は柔らかいうちなら菜の花として食べられます。つぼみの状態で摘めば無駄になりません。
水と肥料でつまずいたときの切り分け
葉が固い、色が悪い、育ちが止まったという症状は、水と肥料のどちらが原因かで手当てが逆になります。葉の色と厚みを見て切り分けてください。
- 葉が固くすじっぽい
- 水切れです。以後は乾く前に与えます。すでに固くなった葉は加熱して食べれば気になりません。
- 葉の色が薄く小さい
- 肥料切れです。薄めた液体肥料を一週間に一度与えると、十日ほどで色が戻ってきます。
- 葉が濃い緑で虫が多い
- 肥料のやりすぎです。以後の追加をやめ、あわせてネットのすそを点検して虫の侵入を止めておきます。
- 下葉から黄色くなる
- 水のやりすぎか根の傷みです。畝の間に溝を切って水を抜き、しばらく水やりを止めます。
水菜の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
水菜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は水菜の育て方にまとめています。
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