見た目から原因を切り分ける
シバザクラの不調のほとんどは病気や虫ではなく、蒸れと水はけの問題です。ただし乾燥期のハダニと、湿った時期のナメクジは実際に被害を出します。まず葉の色と株のどの部分が傷んでいるかを見て切り分けます。
| 見た目 | 考えられる原因 | まず確かめること |
|---|---|---|
| 株の中心から茶色く枯れる | 蒸れ・株の老化 | 梅雨時か、植えて四年以上か |
| 株全体が黄色く柔らかい | 根腐れ | 雨のあと水がたまる場所か |
| 葉が白っぽくかすれる | ハダニ | 乾燥期、葉裏に小さな点が動くか |
| 新芽や花が食われている | ナメクジ・ヨトウムシ | 夜に株元を見る、光る跡があるか |
| 葉に灰色のかび | 灰色かび病 | 花がらを残したまま梅雨に入ったか |
蒸れによる枯れ込み
六月から八月に株の内側が茶色く枯れ込むのがシバザクラで最も多いトラブルです。病気ではなく、密になった株の中に湿気がこもって葉が腐る現象で、花後の刈り込みをしなかった株や、植えて三年以上たって厚くなった株で必ず起きます。
枯れ込みは病気ではないので薬は要りません。切り取ったあとに株の周りの風通しを確かめ、隣の株と密着しているなら数株抜いて間隔を空けると、翌年から出にくくなります。
- 枯れた部分を切り取る
- 茶色くなった部分を、周りの緑の健全な部分まで含めて切り取ります。切ったものは株の上に残さず持ち出します。
- 株の間のごみを取る
- 枯れ葉や落ち葉が株の間にたまっていたらかき出し、株元に風が通るようにします。熊手を軽く当てる程度で、株を引き抜かないようにします。
- 水を止める
- 蒸れている株に水を与えると悪化します。梅雨明けまで水やりは止め、雨だけにします。
- 穴は秋に埋める
- 切り取って穴になった場所には、九月下旬にさし芽苗を補植します。夏に植えても枯れます。
毎年同じ場所が枯れるなら、そこだけ水はけが悪いか日陰になっています。補植の前に砂を混ぜて土を直します。
ハダニ
梅雨明けから真夏の乾燥した時期、葉の色が白っぽくかすれて艶がなくなります。葉の裏に点のような小さな虫が動いていればハダニです。雨の当たらない軒下や壁際の株で特に増えます。水に弱いので、葉裏に水をかけるだけでかなり減らせます。
| 状態 | 手当て | 目安 |
|---|---|---|
| 一部の葉がかすれている | 葉裏に勢いよく水をかける | 朝に三日おき、一週間 |
| 株全体が白っぽい | ひどい部分を切り、葉裏に水 | 毎朝、一週間 |
| 細い糸が張っている | 草花用の殺ダニ剤 | 一週間おきに二回、種類を替える |
水をかけるのは朝だけにします。夕方に濡らすと夜に蒸れて、今度は枯れ込みの原因になります。
ナメクジとヨトウムシ
春の開花期に花びらがかじられ、新芽が食われているなら夜に活動する虫です。株元に銀色に光る跡があればナメクジ、緑や茶色の芋虫がいればヨトウムシです。シバザクラは地面を覆うので隠れ場所が多く、日中は見つかりません。
- 夜に懐中電灯で見回る
- 日が落ちて二時間ほどたってから株を照らすと、葉の上に出てきた虫が見つかります。割りばしで取ります。
- 株の間の隠れ場所を減らす
- 株の縁に置いた鉢や板、落ち葉の下が昼間の隠れ場所です。周りを片付けます。地面に接するものをなくすだけで数が減ります。
- 誘引剤を置く
- ナメクジ用の誘引剤を株の縁に数か所置きます。雨で効かなくなるので、雨のあとは置き直します。
- ヨトウムシは早めに
- 小さいうちは葉の裏に群れています。葉が透けたように食われている部分を見つけたら、その葉ごと取ります。
根腐れと灰色かび病
株全体が黄色く柔らかくなり、引くと簡単に抜けるなら根腐れです。水はけの悪い場所か水のやりすぎが原因で、薬では戻りません。灰色かび病は梅雨に花がらや枯れ葉に灰色のかびが生えるもので、花後の刈り込みと刈りかすの除去でほぼ防げます。
- 根腐れの株は掘り上げる
- 黄色く柔らかい株を掘り上げ、黒く腐った根を切ります。白い根が残っていれば砂を多く混ぜた土に植え直します。
- 水はけを直す
- 同じ場所に植え直すなら、十センチ盛り土して砂と腐葉土を混ぜます。直さずに植えても繰り返します。
- かびは切って持ち出す
- 灰色のかびが出た部分を切り取り、周りの花がらや枯れ葉も取り除きます。晴れた日に作業します。
- 広がるなら殺菌剤
- 面全体に広がった年は、草花用の殺菌剤を使います。翌年は五月中の刈り込みを徹底します。
病気ではないトラブルの見分け
花が少ない、葉が赤い、株が浮いているといった症状は病気ではなく、季節や環境の問題です。薬をまく前に、時期と場所の条件を見直します。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 冬に葉が赤紫になる | 低温による正常な変化 | 何もしない。春に緑に戻る |
| 花が縁だけで中心に咲かない | 刈り込み不足で中心が老化 | 花後に刈り、秋に補植 |
| 株が浮いて根が見える | 霜柱 | 午後に踏んで戻す |
| 葉が長く伸びて倒れる | 日照不足か肥料過多 | 肥料を止め、日当たりを確保 |
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