さし芽か株分けかを決める
シバザクラは種からはほとんど育てず、さし芽か株分けで増やします。さし芽は花後に刈った茎をそのまま使えて数を多く作れます。株分けは三年以上たった株の更新に向き、一度に大きな苗が取れます。目的で使い分けます。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 面の穴を埋める苗を数十本欲しい | さし芽 | 5月〜6月上旬、9月下旬〜10月 |
| 古い株の中心が枯れてきた | 株分け | 3月、10月 |
| 隣の花壇にすぐ広げたい | はみ出した茎の掘り取り | 5月、10月 |
| 新しい色を加えたい | 苗を買う | 4月の花付き苗 |
さし芽の穂の取り方
さし芽は五月の花後の刈り込みで出た茎を使うのが最も効率的です。花の付いていない、その年に伸びた若い茎を五センチほどの長さで切り、下半分の葉を取ります。花が付いていた茎は避け、緑で柔らかすぎず固すぎない部分を選びます。
- 花のない若い茎を選ぶ
- 刈り込んだ茎の中から、緑色で葉がしっかり付いた五センチほどの部分を選びます。茶色い古い茎は根が出ません。
- 下の葉を取る
- 土に埋まる下半分の葉を指でしごいて落とします。上の葉は残します。葉が土に埋まると腐って穂全体が傷みます。
- 一時間ほど水に浸ける
- 切った穂はすぐ水に浸けて吸水させます。しおれた穂は付きが悪くなります。切ってから時間を置かず、その日のうちにさします。
- 清潔な土にさす
- 肥料の入らない赤玉土の小粒か、さし芽用の土を育苗箱に入れ、二センチ間隔で穂の半分を埋めます。
面積が広いなら、育苗箱に百本単位でさしても手間は変わりません。半分付けば十分と考えて多めにさします。
さし芽後の管理
さした直後は直射日光を避けた明るい日陰に置き、土を乾かさないように管理します。三週間から四週間で根が出て新しい葉が動き始めるので、それを見て日に慣らします。六月にさした場合は梅雨の蒸れに注意し、雨の当たらない軒下に置きます。
六月にさすと梅雨の蒸れで失敗しやすくなります。五月中にさせなかったなら、九月下旬まで待って秋にさすほうが確実で、翌春三月には補植に使えます。
- 明るい日陰に置く
- 軒下や木陰など、直射日光が当たらず明るい場所に置きます。真夏の直射は穂を枯らします。
- 土の表面が乾いたら霧吹き
- 毎朝表面を見て、乾いていたら霧吹きか細い水で湿らせます。水浸しにはしません。受け皿に水をためたままにすると穂が腐ります。
- 新しい葉が動いたら根の合図
- 先端の葉が伸び始めたら根が出ています。軽く引いて抵抗があれば確実です。葉が黄色くなるなら根が出る前に弱っている合図です。
- ポットに上げて育てる
- 根が出たら三号ポットに一本ずつか、三本まとめて植え、日当たりで秋まで育てます。秋の補植までに根鉢が回るのが目安です。
株分けの手順
植えて三年から四年たち、中心が枯れて縁だけ元気な株は、株分けで若返らせます。三月の芽が動く直前か、十月の涼しい時期に掘り上げ、元気な縁の部分だけを分けて植え直します。枯れた中心部分は捨てます。
- 株全体を掘り上げる
- 株の周りにスコップを入れて根ごと持ち上げます。根は浅いので深く掘る必要はありません。
- 枯れた中心を捨てる
- 茶色くなった中心部分を手でちぎって捨て、緑の葉と白い根が付いた縁の部分だけを残します。
- こぶし大に分ける
- 残した部分を手で裂き、根と葉が付いたこぶし大の塊に分けます。細かくしすぎると回復に時間がかかります。
- 土を直して植え直す
- 掘り上げた場所に砂と腐葉土を混ぜ、分けた株を株間二十センチで浅く植えて水を与えます。
補植への使い方
五月にさした苗は九月下旬から十月に、面の中の穴や花の少なかった場所へ植えます。春の満開時に記録した場所を目安に配置します。苗は株間十五センチほどで詰めて植えると、翌春には周りとつながります。十月中旬までに植え終えれば冬までに根付きます。
| 場面 | 植える苗 | 株間の目安 |
|---|---|---|
| 夏に枯れてできた穴 | さし芽苗を三本まとめ | 十五センチ |
| 花が少なかった帯状の場所 | さし芽苗を一列 | 十五センチ |
| 新しい面を作る | 株分け苗か大きめのポット苗 | 二十センチ |
穴に植える前に、枯れた原因が水はけならそこだけ砂を多めに混ぜて直します。同じ土に植えても同じように枯れます。
根が出ないときの原因と直し方
さし芽が枯れる、根が出ないときは、穂の選び方か置き場所と水の管理に原因があります。時期を変えるだけでうまくいくことも多いので、二回失敗したら季節を改めます。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 穂が茶色く腐る | 土が湿りすぎ、梅雨の蒸れ | 軒下へ移し水を減らす |
| 穂がかさついて枯れる | 直射日光か乾き | 日陰へ移し、朝に霧吹き |
| 一か月たっても根が出ない | 古い茶色の茎を使った | 緑の若い茎でやり直す |
| 植えたあとに枯れる | 真夏や十一月に植えた | 九月下旬から十月中旬に植え直す |
シバザクラの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
シバザクラの長く咲かせるコツは作物ページに
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