植える場所を先に見きわめる
シバザクラは日当たりと水はけが命の植物です。一日中日が当たり、雨のあとに水がたまらない場所なら放任でも広がりますが、半日陰や粘土質の平地では二年目に中心から枯れ込みます。植える前に、雨の翌日にその場所を見て水たまりが残るかどうかを確かめます。
| 場所 | 向き不向き | 理由と対策 |
|---|---|---|
| 南向きの斜面・法面 | 最も向く | 水が自然に抜け、日が当たる |
| 日当たりのよい平地 | 向く | 腐葉土と砂を混ぜて畝を十センチ高くする |
| 半日陰の花壇 | やや不向き | 花が少なく間延びする。日照四時間以上を確保 |
| 雨のあと水がたまる粘土質 | 不向き | 盛り土か鉢植えに切り替える |
| プランター・鉢 | 向く | 山野草用の水はけのよい土で |
植え付けの時期
植え付けは春の三月から四月と、秋の九月下旬から十月が適期です。春に植えると当年の花は少ないものの、根付いてから夏を迎えられます。秋植えは翌春の花が期待できますが、寒くなる前に根を張らせる必要があるので十月中旬までに済ませます。関東平野部ではどちらでも育ちますが、暑さに弱い性質を考えると秋植えのほうが失敗が少ないです。
| 地域 | 春植え | 秋植え |
|---|---|---|
| 暖地 | 2月下旬〜4月上旬 | 10月〜11月上旬 |
| 関東平野部 | 3月〜4月中旬 | 9月下旬〜10月中旬 |
| 寒冷地 | 4月〜5月上旬 | 9月中旬〜10月上旬 |
花付きのポット苗は四月に多く出回ります。花を見て買った苗は、花が終わってから植えても構いませんが、五月中には植えて梅雨前に根付かせます。
土作りと株間
シバザクラは肥えた土より、痩せていても水はけのよい土を好みます。植え付け前に腐葉土と川砂か軽石を混ぜ、粘土質なら畝を高くします。株間は二十センチが目安で、一年でほぼ隙間が埋まります。早く面を作りたいなら十五センチまで詰められますが、蒸れやすくなるので風通しの悪い場所では詰めすぎないようにします。
- 水はけを作る
- 一平方メートルあたり腐葉土をバケツ一杯と川砂かパーライトを半分ほど混ぜ、深さ二十センチまで耕します。粘土質なら十センチ盛り土します。
- 肥料は控えめ
- 元肥(植え付け前に混ぜる肥料)は緩効性肥料をひとつまみ程度に抑えます。肥料が多いと葉ばかり茂って花が減り、蒸れやすくなります。
- 株間二十センチで並べる
- 苗を並べて全体の配置を決めてから植えます。一平方メートルに二十五株ほどが標準の密度です。
- 浅植えにする
- 根鉢の表面が地面と同じか、やや高くなるように植えます。深く植えると茎の付け根が蒸れて枯れます。
斜面に植えるときの工夫
法面や土手に植える場合は、雨で苗が流れないように工夫が要ります。根付くまでの一か月が勝負で、その間に大雨が来ると苗ごと流されます。斜面では植え穴を水平に掘り、株元を少しくぼませて水がとどまるようにします。
- 水平な植え穴を掘る
- 斜面に対して垂直ではなく、地面と水平になるように穴を掘り、苗が斜めに倒れないようにします。
- 株元を軽くくぼませる
- 植えたあと株の周りを浅い皿状にすると、水やりの水が流れずに株元へしみ込みます。雨のときは逆に水がたまりすぎないよう、浅い皿にとどめます。
- 根付くまで防草シートは避ける
- シートで覆うと隙間から広がれません。広がらせたい面には敷かず、通路だけに使います。
- 急な斜面はピンで留める
- 苗が動くようなら、針金を曲げたピンで根鉢を押さえます。一か月で根が張れば外して構いません。
植え付け後の水やり
植え付け直後は根が土になじむまで、土が乾いたらたっぷり水を与えます。一か月ほどで根が張れば、露地なら水やりは要りません。乾きに強い植物なので、根付いてからの水のやりすぎはむしろ蒸れの原因になります。
- 植えた日にたっぷり
- 植え終わったらすぐ株元へ水を注ぎ、土と根をなじませます。斜面は流れやすいので、少量を二回に分けます。
- 二週間は乾いたら与える
- 土の表面が乾いたら朝に与えます。晴天が続くなら二日から三日おきが目安です。葉が灰色がかってきたら乾きの合図です。
- 根付いたら止める
- 新しい葉が伸び始めたら根が張った合図です。以後は雨に任せ、真夏に一週間以上雨がないときだけ与えます。
鉢植えは例外で、根付いた後も土の表面が乾いたら鉢底から流れるまで与えます。ただし受け皿の水はためません。
根付かないときの原因と立て直し
植えて一か月たっても葉の色が悪く、新しい芽が伸びないときは、水はけか植え付けの深さに原因があることがほとんどです。株を軽く引いて動くなら根が張っていません。
| 状態 | 考えられる原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 葉が茶色く枯れ込む | 水はけが悪く根が腐った | 掘り上げて砂を混ぜた土に植え直す |
| 株元が黒く柔らかい | 深植えで蒸れた | 浅く植え直し、株元の土をどける |
| 葉が細く間延びする | 日照不足 | 日当たりへ移植。秋まで待ってもよい |
| 苗が流れて根が出ている | 斜面の大雨 | 植え直してピンで押さえ、株元をくぼませる |
梅雨に入ってから植え直すと再び蒸れます。六月以降に不調が分かった株は、九月下旬まで待って涼しくなってから植え直します。
シバザクラの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
シバザクラの長く咲かせるコツは作物ページに
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