症状から見分ける
ムベは病気に強く、家庭菜園で困るのは虫と寒さがほとんどです。葉や枝の様子を見て、何が起きているかをまず切り分けます。多くは放っておいても株が枯れることはありませんが、実の付きに直接響くので早めに手当てします。
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 枝や葉裏に白や茶色の粒 | カイガラムシ | 爪で押すとつぶれて汁が出る |
| 新芽が縮れて黒いすすが付く | アブラムシと、すす病 | 新芽の裏に小さな虫が群れている |
| 葉が茶色く縮れて落ちる | 寒風・霜 | 風の当たる側だけ傷んでいる |
| 葉に丸い茶色の斑点 | 褐斑病などの葉の病気 | 梅雨や秋雨の後に広がる |
| 実が黒ずんで落ちる | 水切れか受粉不良 | 六〜七月なら摘果不足か乾燥 |
カイガラムシ
常緑で葉が重なるムベはカイガラムシが最も付きやすい果樹の一つです。枝に白い綿状や茶色の貝殻状の虫が張り付き、樹液を吸います。放置すると排せつ物で葉が黒くなり、光合成が落ちて実が付かなくなります。
カイガラムシが付いた枝は、遠目には枝が白っぽく粉を吹いたように見えます。二月のつる整理のときに枝を一本ずつ手でなでて、ざらついた感触があれば付いている目安です。
- 見つけたらこすり落とす
- 成虫は薬が効きにくいので、使い古しの歯ブラシで枝からこすり落とします。落とした虫は地面に残さず集めて捨てます。
- 幼虫の時期に薬を使う
- 五〜七月に生まれる幼虫は殻がなく薬が効きます。果樹用の殺虫剤、または牛乳や石けん水を薄めたものを葉裏まで噴霧します。
- 冬に枝を減らす
- つる整理で枝を間引き、風と光が中まで通るようにします。混み合った棚の内側が発生源になりやすいです。
冬に機械油乳剤を使うと越冬中の成虫にも効きます。使う場合は常緑樹に使える製品かラベルで確かめます。
アブラムシとすす病
春の新芽と花の房にアブラムシが群がります。吸われた新芽は縮れ、排せつ物にすす病のカビが生えて葉が黒くなります。開花期に多いと受粉にも響くので、四月に入ったら週に一度は新芽の裏を見て確かめます。
テントウムシやその幼虫がいれば天敵として働きます。黒に赤い点のある幼虫を見つけたら殺虫剤は控え、水で流す程度にとどめて様子を見ます。
- 少ないうちに洗い流す
- ホースの水を新芽に当てて流します。指でつぶしても構いません。花の房に付いている場合は水圧を弱め、花を落とさないようにします。
- 増えたら殺虫剤
- 新芽の半分以上に付いていたら、果樹用の殺虫剤を新芽と葉裏に散布します。開花中は虫を避けるため朝早くか夕方に行います。
- すすを拭う
- 黒くなった葉は虫がいなくなれば新しい葉に更新されます。目立つ葉は湿らせた布で拭くと光合成が戻ります。
寒風と霜の傷み
ムベはマイナス五度前後まで耐えますが、常緑の葉は冬の乾いた北風で傷みます。風の当たる側だけ葉が茶色く縮れていれば寒風、全体が一様に傷んでいれば強い霜の目安です。株が枯れることはまれで、春に新しい葉が出れば回復します。
鉢植えは根が凍りやすく、地植えより寒さに弱くなります。マイナス三度を下回る夜は鉢を軒下や壁際に寄せ、鉢の周りを段ボールや不織布で囲うと安心です。
| 地域 | 冬の対策 | 目安 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 北側に寒冷紗、根元をわらで厚く覆う | マイナス五度を下回る地域 |
| 関東平野部 | 風の強い場所だけ寒冷紗 | 傷んでも春に回復する |
| 暖地 | 特に不要 | 根元のマルチだけ |
葉の病気
梅雨や秋雨の後に、葉に丸い茶色の斑点が出て広がることがあります。常緑で古い葉が長く残るため、下のほうの古葉から広がるのが特徴です。ひどく広がることはまれですが、風通しの悪い棚の内側では毎年出ます。
- 斑点の葉を取る
- 斑点が出た葉は見つけしだい摘み取り、地面に落とさず袋に入れて捨てます。落ち葉を残すと翌年の伝染源になります。
- 風を通す
- 棚の内側で葉が重なる部分を間引き、雨の後に早く乾くようにします。冬のつる整理で密度を下げるのが根本の対策です。
- 広がるなら殺菌剤
- 新しい葉にも次々出るなら、果樹用の殺菌剤を葉の表裏に散布します。雨の前ではなく、雨が上がって葉が乾いてから行います。
実が落ちる・黒ずむときの原因
六〜七月に小さな実がぽろぽろ落ちるのは、受粉が不完全だった実の自然落果です。全部落ちるなら受粉不良、一部なら正常です。八月以降に実が黒ずんでしなびるのは水切れが多く、根元を掘って乾いていればたっぷり水をやり、腐葉土で覆います。
- 落ちた実を割ってみる
- 落果した実を割り、中の種が白く小さいままなら受粉不良です。種が育っていれば水切れや摘果不足を疑います。
- 水を回してから様子を見る
- 根元にバケツ二杯の水をゆっくり注ぎ、翌日に葉の張りが戻るかを見ます。戻れば水切れ、戻らなければ根の傷みを疑います。
ムベの収穫までのコツは作物ページに
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