使い道で摘む時期を決める
ヨモギは摘む時期によって使い道が分かれます。草餅や天ぷらには三月から五月上旬の先端の若葉、お茶や入浴剤には五月から六月の葉と茎、お灸のもぐさ用には六月の葉裏の綿毛が向きます。先に何に使うかを決めてから、表の時期に合わせて摘んでください。
摘む前日に雨が降ったなら、一日おいて葉が乾いてから摘みます。濡れた葉は持ち帰る途中で黒ずみ、乾かす用途には向きません。朝露が残る時間帯も同じで、十時ごろまで待つと扱いやすくなります。葉の表面を指で触って湿り気がなければ摘みどきです。
| 用途 | 摘む時期 | 摘む部分 |
|---|---|---|
| 草餅・だんご | 3月中旬〜5月上旬 | 先端の若葉五〜六枚 |
| 天ぷら・おひたし | 3月下旬〜5月 | 先端から十センチの柔らかい部分 |
| ハーブティー | 5〜6月、8〜9月の刈り込み後 | 葉と柔らかい茎 |
| 入浴剤 | 6〜7月 | 茎ごと刈った全草 |
若葉の摘み方
草餅用の若葉は、草丈十センチから二十センチのころの先端を指でつまんで摘みます。ハサミを使うより指で折るほうが、柔らかい部分だけを取れます。朝露が乾いた午前中に摘むと香りが強く、雨上がりは水っぽくなります。一株から取りすぎず、先端の三分の一までを目安にします。
草丈が二十センチを超えると、先端を摘んでも下の葉は固くなっています。摘み遅れた株は一度地際から十センチで刈り直すと、二週間後にまた柔らかい新芽が出て、五月中旬まで草餅用の葉を摘めます。
- 先端を指で折り取る
- 茎の先端から五〜六枚目の葉の下を指で折ります。ぽきっと折れる場所が柔らかさの境目で、曲がって折れない部分は固いので使いません。
- 葉裏を見て虫を落とす
- 摘んだ葉は裏返し、アブラムシや小さな虫が付いていないか確かめます。付いていれば家に入れる前に振り落とします。
- ざるに広げて持ち帰る
- 袋に詰めると蒸れて黒ずみます。ざるかかごに一段に広げ、日陰を通って持ち帰り、その日のうちに処理します。
摘んだ葉は時間がたつと切り口が黒くなります。使うまでに時間があくなら、水を張ったボウルに浮かべておくと数時間は持ちます。
ゆでて冷凍する
草餅用の若葉は、重曹を少し入れた湯でさっとゆでてアクを抜き、水にさらしてから絞って冷凍します。ゆで時間は一分から二分で、長くゆでると香りが抜けて色もくすみます。冷凍すれば一年もつので、春にまとめて仕込んでおくと秋の収穫祭やお正月にも使えます。
一度にたくさん摘めたときは、ゆでる前に太い茎を取り除いておくと、餅に混ぜたとき繊維が残りません。葉だけを集めてからゆでるのが手間の少ない順番です。
- 重曹を入れた湯でゆでる
- 湯一リットルに重曹を小さじ半分入れ、若葉を入れて一分から二分。葉が鮮やかな緑になったら引き上げます。
- 冷水にさらす
- ざるに上げてすぐ冷水に取り、三十分ほどさらしてアクを抜きます。苦みが気になるなら水を一度替えてもう三十分さらします。
- 絞って小分けに冷凍
- 水気を固く絞り、一回分ずつラップで包んで冷凍します。使うときは凍ったまま刻むか、すり鉢でついて餅に混ぜます。
乾かしてお茶にする
五月以降の葉はお茶や入浴剤に向きます。刈り取った茎ごと束ねて風通しのよい日陰につるし、一週間から十日で乾きます。日なたに干すと色が茶色くなり香りも飛ぶので、必ず日陰で乾かします。乾いた葉は手でもんで細かくし、密閉容器で保存します。
乾かした葉を細かくして布袋に入れ、湯船に浮かべると入浴剤になります。お茶にするなら乾いた葉をひとつまみ、熱湯を注いで三分ほど。香りが強すぎると感じたら緑茶とまぜると飲みやすくなります。
- 茎ごと束ねてつるす
- 刈った茎を五本ほど束ね、根元を輪ゴムで留めて逆さにつるします。葉が重ならないよう束は小さめにします。
- パリッと折れたら完成
- 葉を指でつまんで崩れるように割れたら乾いています。しんなり曲がるならもう二〜三日置きます。
- もんで密閉容器へ
- 乾いた葉を茎から外して手でもみ、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れます。冷暗所で半年、香りが落ちたら入浴剤に回します。
色が悪い、苦いときの原因と直し方
ゆでたヨモギが黒ずむ、餅が苦い、乾かした葉が茶色い。この三つがヨモギの保存でよくある失敗です。原因はほとんどが摘む時期の遅れ、ゆで時間、乾かす場所の三つで、仕上がりの色と味で見分けられます。
| 見た目 | 原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| ゆでたら黒ずんだ | ゆで時間が長い、重曹なし | 一〜二分で引き上げ、重曹を入れる |
| 餅が苦い、繊維が残る | 摘む時期が遅く葉が固い | 五月上旬までの先端だけを使う |
| 乾かした葉が茶色い | 日なたで干した | 風通しのよい日陰につるす |
| 冷凍したものが水っぽい | 絞りが足りない | 布巾で包んで固く絞ってから冷凍 |
ヨモギの収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ヨモギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヨモギの育て方にまとめています。
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