目的に合わせて方法を選ぶ
ヨモギは放っておいても地下茎で勝手に増えますが、人に分けたり別の場所に移したりするなら、目的に合った方法を選ぶと確実です。いちばん簡単で失敗がないのは春か秋の株分けで、地下茎を一本ずつ切り分ければ数十株にもなります。挿し芽は初夏に、種は秋に採って翌春にまきます。
| 目的 | 向いている方法 | 適期と日数 |
|---|---|---|
| 鉢を一つ増やしたい | 株分け | 3月・10月、すぐ根付く |
| たくさんの苗を作りたい | 地下茎の切り分け | 3月・10月、芽が出るまで二〜三週間 |
| 土を持ち出せない場所へ送る | 挿し芽 | 5〜6月、発根まで二〜三週間 |
| 遠くの自生地の系統を残したい | 種 | 10月に採り、翌3月にまく。収穫は二年目 |
株分けで手早く増やす
株分けは芽が動き出す直前の三月上旬か、地上部が枯れ始める十月に行います。鉢から抜いた株は地下茎が絡み合った塊になっているので、手で二つから三つに割ります。それぞれに芽の付いた地下茎が三本以上あれば、その年から収穫できる株になります。地植えなら株の周りをスコップで四角く切って掘り上げます。
株分けした株は、その年の収穫を控えめにします。地下茎が減った分だけ根の力が落ちているので、春に分けたなら四月の若葉摘みは先端の二〜三枚にとどめ、六月の刈り込みで株を作り直してから本格的に摘みます。
- 鉢から抜いて土を落とす
- 鉢を横に倒して株を抜き、古い土を手で落とします。地下茎の絡みが見えるまで落とすと分けやすくなります。
- 芽の付いた塊を手で割る
- 白い芽が付いた地下茎が三本以上残るように、塊を手で割ります。固くて割れなければハサミで切っても構いません。
- 黒い古い地下茎は捨てる
- 黒ずんで固い古い地下茎は芽が出ません。取り除いて、白くて太い部分だけを植えます。
- 浅く植えて水を与える
- 地下茎を横に寝かせ、五センチ土をかけて水をたっぷり与えます。一週間は明るい日陰に置き、新芽が出たら日なたへ移します。
地下茎の切り分けで数を作る
苗をたくさん作りたいときは、掘り上げた地下茎を十センチずつに切り分けます。各片に芽か節が一つ以上あれば、ポットに横向きに埋めるだけで二〜三週間で芽が出ます。一株から二十本以上取れるので、配ったり区画を広げたりするときに向きます。切り口が乾く前に植えるのがコツです。
- 十センチに切り分ける
- 太くて白い地下茎を選び、節が一つ以上入るようにハサミで十センチほどに切ります。細い根は付いたままで構いません。
- ポットに横向きに埋める
- 三号ポットに野菜用培養土を入れ、地下茎を横に寝かせて三センチ土をかけます。深いと芽が出るのに時間がかかります。
- 乾かさずに待つ
- 土の表面が乾いたら水を与え、明るい日陰に置きます。二〜三週間で芽が出たら日なたへ移し、本葉四枚で定植します。
切り分けた地下茎はその日のうちに植えます。乾くと芽が出なくなるので、すぐ植えられないなら湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫へ。
挿し芽と種で増やす
土を持ち出せない相手に送るときや、気に入った株を郵便で分けるときは挿し芽が便利です。五月から六月の柔らかい茎を十センチに切り、下葉を取って挿し芽用の土に挿すと、二〜三週間で根が出ます。種は十月に花茎が枯れたころに採れますが、ごく細かく発芽もそろわないため、収穫まで二年かかることを承知のうえで試します。
挿し芽の土は野菜用の培養土でも構いませんが、肥料が入っていると切り口が腐りやすくなります。赤玉土の小粒か、市販の挿し芽用の土を使うほうが確実です。
- 花の付かない茎を選ぶ
- 五〜六月の先端から十センチを切り、下半分の葉を取ります。花茎が伸び始めた茎は根が出にくいので避けます。
- 一時間水に浸けてから挿す
- 切り口を一時間水に浸けてから、湿らせた挿し芽用の土に三センチ挿します。明るい日陰で乾かさず、二〜三週間で根が出ます。
- 種は花茎ごと紙袋に
- 十月に茶色くなった花茎を切り、紙袋に入れて振ると細かい種が落ちます。冷蔵庫で保存し、翌三月にポットの表面にまいて土はかけません。
増えすぎたときと、うまく増えないときの対処
ヨモギは増えないより増えすぎる失敗のほうが多い草です。それでも鉢から抜いた地下茎が黒く腐っていた、切り分けた片から芽が出ない、挿し芽がしおれた、という声はあります。原因は時期と乾き、そして地下茎の古さに集まります。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 地下茎が黒く腐っていた | 鉢の過湿、古い株 | 白い部分だけ残し、新しい土で植え直す |
| 切り分けた片から芽が出ない | 節がない、乾いた、深植え | 節を確かめ、三センチの深さで植え直す |
| 挿し芽がしおれて枯れた | 真夏の挿し芽、直射日光 | 五〜六月に日陰で行い、葉を半分に切る |
| 庭中に広がって困る | 仕切りなしで放置 | 秋に掘り上げ、鉢か仕切った区画に戻す |
ヨモギの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
ヨモギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はヨモギの育て方にまとめています。
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