水やりは場所と時期で変える
地植えの桑は根が深く広く張るので、根付いたあとは基本的に水やりが要りません。ただし実が太る5月から6月に雨が2週間降らなければ、たっぷり与えます。鉢植えは表土が乾いたら鉢底から流れるまで与えるのが基本です。
実が太る時期に乾かすと、実が小さいまま赤いうちに落ちてしまいます。逆に受け皿に水をためたままにすると根が傷み、葉が黄色くなって落ちます。乾いたら与える、を守るだけで大きな失敗はありません。
| 時期 | 地植えの目安 | 鉢植えの目安 |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 不要 | 表土が乾いたら |
| 5〜6月 | 雨が2週間なければたっぷり | 毎日、実が太る時期は朝夕 |
| 7〜9月 | 猛暑で葉が垂れたら | 毎日、猛暑日は朝夕 |
| 10〜2月 | 不要 | 土が白く乾いたら暖かい日中に |
鉢植えは持ち上げた重さで判断します。たっぷり与えた直後の重さを手で覚えておくと、器具なしで乾き具合が分かります。
肥料は年2回で足りる
桑は肥料を欲しがらない木で、与えすぎると葉と枝ばかり茂って実が付きません。年2回、芽が出る前の2月と収穫後の7月に化成肥料を与えれば十分です。地植えの成木で1回に100グラム前後、鉢植えは一握りが目安です。
- 2月の寒肥(春の芽出しのための肥料)
- 芽が動く前の2月に、緩効性の化成肥料か油かすを株元から50センチ離した位置にまき、軽く土と混ぜます。芽出しと実の肥大に使われます。
- 7月のお礼肥
- 収穫が終わった7月に、2月の半分ほどの量を与えます。実で消耗した株を回復させ、翌年の実になる枝を充実させる分です。
- 8月以降は与えない
- 秋に窒素が効くと枝が伸び続けて冬までに固まらず、寒さで枝先が枯れます。9月以降に肥料が残らないよう、8月からは何も足しません。
葉の色が濃い緑で枝が1年で1メートル以上伸びているなら、肥料は足りています。翌年は量を減らして構いません。
株元を覆って乾きと雑草を抑える
桑は根が浅い層にも多く張ります。株元をバークチップやわらで5センチほど覆うと、夏の乾きと地温の上昇を抑えられ、雑草も減ります。落ちた実が土に直接触れなくなるので、実から出る病気の予防にもなります。
- 幹から10センチ離す
- 覆いを幹に密着させると株元が蒸れて皮が傷みます。幹の周りは10センチほどあけ、輪の形に敷きます。
- 収穫前に敷き直す
- 落ちた実は覆いの上に乗るので拾いやすくなります。5月の色づき前に厚さを5センチに戻しておくと、実の片付けも楽になります。
鉢植えの表土は水苔やバークチップで薄く覆います。夏の水切れが目に見えて減ります。
日当たりと置き場所
桑は日当たりを好み、日陰では枝が細く伸びて実がほとんど付きません。地植えなら一日中日が当たる場所、鉢植えなら南か東向きの日なたに置きます。寒さには強く、関東平野部では防寒は要りません。
| 置き場所 | 育ち方 | 対処 |
|---|---|---|
| 一日中日なた | 枝が太く実が多い | 夏の水切れにだけ注意 |
| 午前だけ日が当たる | 実は付くがやや少ない | 冬に混んだ枝を抜いて光を通す |
| 日陰 | 枝がひょろ長く伸びて実が付かない | 鉢を移すか、周りの木を透かす |
鉢植えは真夏に鉢が熱くなります。鉢の側面に日が当たらないよう、二重鉢にするか鉢の前に別の鉢を置きます。
葉を採るときの考え方
桑の葉はカイコの餌として知られ、乾燥させて桑茶にもされます。実を採る株の葉を少しもらう程度なら生育に影響しませんが、葉を大量に採ると翌年の実が減ります。実と葉のどちらを主にするかを決めておきます。
- 採るのは収穫後の夏
- 葉を採るなら実の収穫が終わった7月以降にします。5〜6月に葉を減らすと実に回る養分が減り、実が小さくなります。
- 枝ごと切って採る
- 葉だけをむしると枝が傷みます。夏の切り戻しで落とす枝から葉を採れば、剪定と兼ねられて株への負担がありません。
- 採る量は3分の1まで
- 株全体の葉の3分の1以上を採ると、枝の充実が遅れて冬に枝先が枯れます。一度に採らず、数回に分けます。
農薬を使った株の葉は食用にも餌にも使えません。葉を採る株には殺虫剤をかけない方針にしておきます。
葉の色が悪いときの原因と手当て
桑は丈夫で、葉の異常のほとんどは水か根の環境が原因です。葉を見て、色の抜け方と出ている位置から原因を判断し、肥料を足す前に水と根を確かめます。
| 症状 | 疑う原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 下葉から黄色くなって落ちる | 過湿で根が傷んだ | 水やりを減らし、鉢なら用土の水はけを見直す |
| 葉が小さく枝が伸びない | 根詰まりか日照不足 | 一回り大きい鉢へ替えるか日なたへ移す |
| 葉先が茶色く枯れる | 水切れか肥料の濃さ | たっぷり与えて肥料を止める |
| 葉ばかり茂って実がない | 窒素が多すぎる | 翌年の肥料を半分にし、7月に切り戻す |
一度黄色くなった葉は戻りません。新しく出る葉の色が正常なら手当ては効いているので、古い葉は気にせず様子を見ます。
桑の育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
桑の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は桑の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。