黒紫になった実だけが食べごろ
桑の実は緑から赤、赤から黒紫へと色を変え、黒紫になって少し光沢が出たときが完熟です。赤い実は酸っぱくて渋みがあり、採っても追熟しません。黒くなりかけの実はあと1〜2日待ってから採ります。
同じ枝でも熟す日が1粒ずつ違い、5月下旬から6月にかけて次々に熟します。一度に採り切ろうとせず、毎日か2日おきに見回って黒紫の実だけを拾っていくのが、桑の収穫の基本です。
| 見た目 | 状態 | 扱い |
|---|---|---|
| 緑〜白っぽい | 未熟 | 触らず残す |
| 赤 | 酸味が強く渋い | 残して黒くなるのを待つ |
| 黒紫で光沢がある | 完熟で甘い | 軽く触れて落ちるものを採る |
| 黒紫でしぼんでいる | 熟しすぎ | その日のうちに食べるか加工に回す |
指で軽く触れて落ちる実だけが完熟です。引っ張らないと取れない実は、あと1〜2日待ちます。
採り方と回る回数
桑の実はやわらかく、指でつまむと汁が出て手が紫に染まります。房ごとではなく1粒ずつ、実の付け根の軸ごと受けるように採ると傷みません。朝の涼しい時間に採ると日持ちが変わります。
- 毎日か2日おきに回る
- 熟した実は1〜2日で落ちます。収穫期の2〜4週間は毎日か2日おきに同じ枝を見て回り、その日に黒くなった実だけを採ります。
- 朝に採る
- 気温が上がると実がやわらかくなり、つまんだだけでつぶれます。朝の涼しいうちに採ると形が保て、冷蔵での日持ちも伸びます。
- 軸ごと受けて容器へ
- 実の軸を指先で持ち、下に容器を添えて受けます。重ねると下の実がつぶれるので、浅い容器に一段で並べます。
- 手袋か軍手をする
- 汁で手が紫に染まり、数日落ちません。使い捨て手袋をして採ると手も服も汚れず、乳液のかぶれも避けられます。
高い枝の実は無理に採らず、下にシートを敷いて落ちたものを拾います。翌年は冬に高さを詰めて手が届く範囲に実を付けさせます。
落ちる実はシートで受ける
桑は熟した実が自分で落ちる木です。取りこぼした実は地面に落ちて紫の汁で汚し、そのまま腐って病気の元になります。色づく前に株元へシートを敷き、落ちた実を毎日拾って食べるか処分します。
- 5月上旬に敷く
- 赤くなり始める前に、株元から枝先の真下までブルーシートか不織布を敷きます。幹の周りは切り込みを入れて隙間なく覆います。
- 落ちた実は毎日拾う
- シートの上に落ちた実は虫が付く前に拾います。きれいなものは洗って食べられますが、つぶれたものは処分して腐らせません。
- 収穫が終わったら片付ける
- 最後の実を採ったらシートを外し、残った実を集めて処分します。敷いたままだと下が蒸れて根を傷めます。
通路やテラスの近くに植えた株は、落ちた実で足元が紫に汚れます。地植えの場所選びから考えておく問題です。
鳥は色づく前に止める
ヒヨドリやムクドリは赤くなった実から狙い始め、一度覚えると毎朝来ます。被害が出てから網を張っても遅く、色づく2週間前の5月上旬に張り終えるのが目安です。鉢植えなら鉢ごと網で包む方法が簡単です。
| 株の大きさ | 防ぎ方 | 注意 |
|---|---|---|
| 鉢植え | 鉢ごと防鳥ネットで包んで裾を結ぶ | 枝に密着させず外からつつかせない |
| 地植え1.5メートル以下 | 支柱で骨組みを作りネットをかける | 裾を地面に留めて下から入れない |
| 地植え2メートル以上 | 全体は覆わず手の届く範囲だけ守る | 上の実は鳥に譲ると割り切る |
光るテープや目玉風船は数日で慣れられます。実が多い年は上の枝を鳥に譲り、手の届く範囲だけ守るのも一つの考え方です。
保存と使い方
桑の実は採ったその日から傷み始め、冷蔵しても2〜3日しか持ちません。一度に採れる量が多い木なので、食べきれない分はその日のうちに冷凍するか、ジャムやシロップに加工します。洗うのは食べる直前にします。
| 方法 | 日持ち | やり方 |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 2〜3日 | 洗わずに浅い容器に一段で並べて野菜室へ |
| 冷凍 | 半年前後 | 洗って軸を取り、水気を切って重ならないよう凍らせる |
| ジャム・シロップ | 数か月 | 軸を取って砂糖と煮る。レモン汁を足すと色が保てる |
| 果実酒 | 1年以上 | 洗って乾かし、氷砂糖と一緒に漬ける |
実の軸は細くて固く、口に残ります。ジャムにするときはキッチンばさみで軸を切り落としてから煮ます。
実が付かない・落ちるときの原因と直し方
花は咲いたのに実が少ない、赤いまま落ちるという年は、剪定と水のどちらかに原因があります。春の枝の伸び方と実が落ちた時期を見て原因を切り分け、次の冬と初夏の管理を変えます。
| 株に出ている様子 | 疑う原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| 枝は茂るが実がほとんどない | 冬に前年枝を根元から切った | 前年枝は先端3分の1だけ切って残す |
| 赤い実が小さいまま落ちる | 実が太る時期の水切れ | 5〜6月は乾かさず、株元を覆う |
| 実は多いが小さく味が薄い | 枝を残しすぎて実が多すぎる | 冬に主枝を3〜4本に絞る |
| 白くふくらんだ実が残る | 菌核病 | 白い実と落果を全部拾って処分する |
植えて1〜2年目は実が少なくて当たり前です。3年目から本格的に採れるので、若い株は枝を作ることを優先します。
桑の収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
桑の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は桑の育て方にまとめています。
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