植え場所は日陰と湿り気で選ぶ
ミョウガは林の下に生える植物で、強い日ざしを嫌います。日なたに植えると葉が焼けて縁から枯れ込み、花穂も小さくなります。建物の北側や木の下など、半日陰から日陰になる場所がいちばん向いています。
湿り気も大事です。乾く場所では葉が細く、花穂がほとんど出ません。雨のあとしばらく湿っているくらいの土が理想で、庭で使い道に困っている日陰こそミョウガの適地になります。
| 場面 | 向き不向き | 起きること |
|---|---|---|
| 建物の北側 | いちばん向く | 葉が広がり花穂がよく出る |
| 落葉樹の下 | 向く | 夏は日陰、冬は日が入る |
| 一日中日が当たる花壇 | 向かない | 葉が焼け、花穂が小さい |
| 水はけの悪い低い場所 | 向かない | 地下茎が腐る |
| 軒下で雨のかからない場所 | 向かない | 乾いて花穂が出ない |
植える時期は春の芽出し前
植え付けの適期は、芽が動き出す前の二月下旬から四月上旬です。地上部が枯れている十月から十一月にも植えられます。生育している夏に植えると根が傷んで、その年はほとんど育ちません。
植えた年は葉が出るだけで、花穂はほとんど採れません。本格的な収穫は翌年からと考えてください。一度植えれば数年続けて採れるので、最初の一年は株を作る期間だと割り切ります。
- 2週間前に土を作る
- 植える場所を深さ25センチほど耕し、1平方メートルに完熟堆肥3キロを混ぜます。石灰は特に必要ありません。
- 水はけを確かめる
- 掘った穴に水を張り、1時間でおおむね引くかを見ます。半日たっても残るなら10センチ土を盛って高くします。
- 浅い溝を作る
- 深さ10センチ、幅20センチほどの溝を掘ります。条間は30センチから40センチとって並べます。
地下茎は太くて芽のあるものを選ぶ
植える材料は種ではなく地下茎(土の中を横に伸びる茎)です。春先に園芸店で「ミョウガの根株」として並びます。指くらいの太さがあり、白いとがった芽が二つか三つ付いているものを選んでください。
掘りたてのものが手に入るなら、その日のうちに植えます。乾かすと芽が死にます。すぐ植えられないときは湿らせた新聞紙に包んで冷暗所に置き、二日から三日のうちに植え終えます。
- 太さと芽を見る
- 指ほどの太さがあり、白い芽が2つ以上付いた部分を選びます。細く芽のない部分は今年の収穫になりません。
- 15センチに切る
- 芽が2つから3つ入るように、清潔なはさみで15センチから20センチに切り分けます。短すぎると勢いが出ません。
- 切り口を乾かす
- 切ったあと日陰に30分ほど置き、切り口の水気が引いてから植えます。ぬれたまま埋めると腐りやすくなります。
浅く寝かせて植える
地下茎は横に伸びるものなので、立てずに寝かせて植えます。深さは五センチから十センチが目安です。深く埋めると芽が地上に出るまでに力を使い切ってしまい、最初の年に何も出ないことがあります。
株間は十五センチから二十センチと、思ったより詰めて構いません。数年かけて地下茎が広がり、やがて一面に埋まります。植えたあとはたっぷり水を与え、落ち葉やわらで覆って乾きを止めます。
- 芽を上にして並べる
- 溝の底に地下茎を横向きに置き、白い芽が上を向くようにそろえます。株間は15センチから20センチとります。
- 5センチかぶせる
- 掘り上げた土を5センチから10センチかぶせ、手のひらで軽く押さえて土と密着させます。踏み固めはしません。
- たっぷり水を与える
- 植え穴の周りが十分湿るまで、ゆっくり時間をかけて与えます。表面を濡らすだけでは地下茎に届きません。
- 落ち葉で覆う
- わらや落ち葉を3センチほど敷いて乾きを防ぎます。芽が出るまで1か月かかることもあるので、掘り返さず待ちます。
ミョウガは地下茎で横に広がります。庭のほかの植物を押しのけて困る場合は、深さ30センチほどの板や仕切りを埋めて範囲を区切っておくと後が楽です。
プランターでも育てられる
地下茎が横に伸びるので、深さより幅のある容器が向きます。深さ三十センチ以上、幅六十センチ以上の箱型なら、二年目、三年目も同じ容器で採り続けられます。浅い鉢は夏に乾いて枯れます。
置き場所は、ベランダの日が直接当たらない場所を選びます。夏に日が回り込む場所しかないときは、すだれやよしずで光を弱めてください。日陰でよく育つ数少ない野菜という利点を生かします。
| 容器 | 土の量の目安 | 植える地下茎 |
|---|---|---|
| 深さ30センチ・幅60センチの箱型 | 約25リットル | 3本から4本 |
| 直径40センチの丸鉢 | 約20リットル | 2本から3本 |
| 深さ20センチ未満の浅鉢 | 向かない | 夏に乾いて花穂が出ない |
植え付けでつまずいたときの切り分け
芽が出ないという相談の多くは、深く埋めすぎたか、植えたあとに乾かしたかのどちらかです。まず埋めた深さを思い出してください。十センチより深いなら、それが原因である可能性が高いといえます。
一か月たっても何も出ないときは、一本だけそっと掘って地下茎を見ます。白く固ければまだ生きているので埋め戻して待ちます。褐色でぶよぶよなら腐っているので、新しい株を入れ直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 1か月たっても芽が出ない | 深く埋めすぎた | そっと掘り、深さ5センチに植え直す |
| 芽は出たが葉が小さい | 日ざしが強すぎる | よしずで光を弱め、株元を覆う |
| 地下茎がぶよぶよで臭う | 水がたまる場所に植えた | 10センチ土を盛って高くする |
| 1年目に花穂が出ない | 正常な姿 | 翌年から採れるので待つ |
ミョウガの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
ミョウガの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミョウガの育て方にまとめています。
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