一年の流れをつかむ
ミョウガの一年は、四月の芽出しから始まり、六月に葉が茂り、七月から十月に花穂を採り、十一月に地上部が枯れる、という順に進みます。毎年同じ流れなので、覚えてしまえば管理は難しくありません。
作業が集中するのは春の植え付けと株分け、そして夏から秋の収穫です。それ以外の時期にやることは、水を切らさないことと敷きわらを直すことだけで、手のかからない作物といえます。
| 時期 | 株の様子 | すること |
|---|---|---|
| 2月から4月 | 地下で芽が動く | 植え付けと株分け |
| 5月から6月 | 葉が伸びて茂る | 敷きわら、6月の肥料 |
| 7月から10月 | 地際に花穂が出る | 収穫、水やり |
| 10月から11月 | 葉が黄ばんで倒れる | 収穫後の肥料、刈り取り |
| 12月から1月 | 地上部がない | 堆肥を置いて休ませる |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を前提にした目安です。寒い地域は全体を二週間ほど遅らせ、暖かい地域は二週間ほど早めます。花穂の出る時期は品種と株の年数でずれるので、株元を見て判断してください。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 2月下旬から3月 | 植え付け、株分け | 芽が動く前に終える |
| 4月 | 敷きわらを敷き直す | 芽が地面から出るころ |
| 5月 | 水やり、雑草取り | 葉が広がり始める |
| 6月 | 1回目の肥料 | 葉が茂ってきたころ |
| 7月 | 夏ミョウガの収穫が始まる | 早生の品種 |
| 8月から9月 | 収穫の本番 | 地際を毎日見る |
| 10月 | 秋ミョウガの収穫、収穫後の肥料 | 晩生の品種 |
| 11月 | 枯れた茎の刈り取り | 地上部が倒れたら |
| 12月から1月 | 堆肥を株元に置く | 休ませる |
春は植え付けと株分けの月
二月下旬から三月は、芽が動く前に地下茎を触れる唯一の時期です。新しく植える、混んだ株を分ける、容器の土を入れ替えるという作業は、すべてこの一か月に集めてしまうのが合理的です。
四月に芽が出始めたら、もう地下茎は触りません。この時期は敷きわらを新しくし、周りの雑草を取り除くだけにとどめます。ミョウガの芽は細くとがっているので、草と間違えて抜かないよう注意します。
- 3月に地下茎を触る
- 芽が動く前に植え付けと株分けを終えます。4月以降に掘ると、その年の花穂がほとんど出なくなります。
- 4月に敷き直す
- 古いわらをどけ、新しいわらや落ち葉を5センチ敷きます。芽が出る場所はふさがないよう気をつけます。
- 草と芽を見分ける
- ミョウガの芽は先がとがった細い筒の形です。丸い葉の雑草とは形が違うので、確かめてから抜きます。
夏から秋は毎日株元を見る
花穂は葉の陰の地際から、土を持ち上げるようにして出てきます。目立たないので、見ていないと数日で花が開いてしまいます。収穫の時期に入ったら、毎日か一日おきに株元をのぞく習慣をつけてください。
品種によって出る時期が違います。夏ミョウガは七月から八月、秋ミョウガは八月から十月に出ます。両方を植えておけば、夏から秋まで長く採り続けられます。
| 時期 | 出るもの | 見るところ |
|---|---|---|
| 7月から8月 | 夏ミョウガの花穂 | 葉の陰の地際 |
| 8月から10月 | 秋ミョウガの花穂 | 同じく地際。大きめに育つ |
| 9月から10月 | 採り遅れた花穂の花 | 白い花が見えたらすぐ採る |
| 11月 | 収穫終わり | 枯れた茎を刈り取る |
秋から冬は来年の準備
収穫が終わったら肥料をひと握り与えます。この肥料が地下茎に蓄えられ、翌年の花穂の数になります。ここを忘れると翌年に細い花穂しか出ないので、収穫の終わりと肥料はひと続きの作業と考えます。
葉が黄ばんで倒れたら地際で刈り取り、株元に堆肥を二センチほど置きます。刈った茎は畑に残さず持ち出してください。あとは春まで何もしません。
- 収穫後に肥料を与える
- 10月に1株ひと握りの化成肥料を株元から10センチ離してまき、軽く土と混ぜて水を与えます。
- 11月に刈り取る
- 茎が黄色く倒れたら地際ではさみで刈ります。青いうちに刈ると養分が地下茎に戻り切りません。
- 堆肥をかける
- 刈ったあと株元に完熟堆肥を2センチほど置きます。寒さと乾きを防ぎ、翌年の肥料にもなります。
予定がずれたときの立て直し
春の植え付けを逃した場合は、無理に夏に植えず、秋の十月まで待つほうが確実です。夏に地下茎を切ると株が弱り、翌年の回復に時間がかかります。焦らないことが結果的に早道になります。
収穫を数日忘れて花が咲いてしまっても、食べられなくなるわけではありません。香りと歯ごたえは落ちますが、刻んで薬味に使えます。次からは一日おきに見る習慣にしてください。
| 場面 | 起きること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 植え付けを春に逃した | その年は何も採れない | 秋の10月に植える |
| 株分けを逃した | 花穂が小さいまま | 翌年の3月に必ず行う |
| 収穫を忘れて花が咲いた | 香りと歯ごたえが落ちる | 刻んで薬味に使う |
| 夏に水やりを忘れた | 花穂が出なくなる | 敷きわらを足して秋の分を待つ |
| 収穫後の肥料を忘れた | 翌年の花穂が細る | 春の3月にひと握り与えて補う |
ミョウガの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ミョウガの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミョウガの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。