摘みごろは固いつぼみのうち
菜の花で摘むのは、茎の先に付いた固いつぼみと、その下十五センチほどの若い茎と葉です。つぼみが黄色く色づき始めたら収穫の遅れで、花が開いてしまうと茎が固くなり、味も落ちます。
見極めは色と手触りです。つぼみが緑色でぎゅっと締まり、指で押して固いうちが最良です。一つでも花が開いた枝は、その日のうちに摘み取ります。畑で咲かせると株が種を作る方に切り替わります。
| 状態 | つぼみの様子 | すること |
|---|---|---|
| ちょうどよい | 緑で固く締まっている | 茎ごと摘み取る |
| 急ぐ | 先端がうっすら黄色い | 翌日までに摘む |
| 遅れた | 花が一つ二つ開いた | その日に摘み、下の脇芽に切り替える |
| 終わり | 茎が固く筋が通る | 株を抜いて畝を空ける |
主枝を先に摘んで脇芽を呼ぶ
菜の花は主枝の先に最初のつぼみを付けます。この一本を早めに摘むと、下の葉の付け根から脇芽(葉の付け根から出る枝)が一斉に伸び、その先にまたつぼみが付きます。摘むほど枝分かれするのが持ち味です。
主枝を残したまま放っておくと、そこに養分が集まって早く花が咲き、株全体の収穫が短く終わってしまいます。株が十分に育っていれば、つぼみがまだ小さくても主枝は先に摘みます。
- 主枝を最初に摘む
- 先端のつぼみから下へ十五センチほどのところを、清潔なはさみで切ります。この一本を摘むのが二か月穫るための出発点です。
- 葉を四枚残す
- 切る位置より下に葉が四枚以上残るようにします。残した葉の付け根から次の脇芽が伸びてきます。
- 脇芽も同じように摘む
- 伸びた脇芽につぼみが付いたら、また下の葉を数枚残して摘みます。これを繰り返すと枝数が増えていきます。
- 細い脇芽は残す
- 鉛筆より細い脇芽は摘まずに伸ばします。無理に摘むと株が弱り、次の枝が出なくなります。太るまで待ちます。
摘む長さと道具
摘む長さは十五センチほどが目安です。長く取ると柔らかい部分だけになりますが株の負担が大きく、短く取ると固い茎まで入って食味が落ちます。手で折れるところが柔らかさの境目になります。
はさみを使うと切り口がそろい、株が傷みません。朝の涼しいうちに摘むと茎に水が満ちていて、みずみずしい状態で持ち帰れます。日中に摘むならすぐ水に浸けてしおれを止めます。
- 手で折って確かめる
- 茎を指で曲げてぽきりと折れるところが柔らかさの境目です。折れずに曲がるところは固いので、その上で切り直します。
- 朝のうちに摘む
- 気温の低い朝は茎に水が満ちています。日中に摘んだ場合は、その場ですぐ水に浸けて持ち帰ります。
- 刃を株ごとに拭く
- 病気の株から健全な株へ菌を運ばないよう、株を移るたびに刃を乾いた布で拭きます。はさみは使う前にも拭いておきます。
花が咲いてしまったときの立て直し
気づくと黄色い花が咲いていた、というのは菜の花で最も多い失敗です。原因は収穫の遅れで、暖かい日が二、三日続くと一気に開きます。咲いた枝を放置すると株が種作りに向かい、脇芽が出なくなります。
- 咲いた枝を全部切る
- 花の付いた枝を根元近くまで切り戻します。見た目は寂しくなりますが、これで株が枝を出す方へ戻ります。
- 追肥と水を入れる
- 切り戻したあとに追肥(育てながら足す肥料)をひと握りの半分ほど施し、乾いていれば水を与えます。次の脇芽の立ち上がりが早くなります。
- 次からは三日おきに見る
- 収穫期は三日に一度は畑に出て、つぼみの色を見て回ります。週末だけの管理なら、少し早めに摘むほうが確実です。
- 咲いた花も食べられる
- 開いた花もおひたしにできます。ただし茎は固いので、下の柔らかい部分だけを使い、固い部分は畑の外に出します。
咲いてしまうこと自体は株の異常ではありません。摘む間隔が空いただけなので、切り戻せば十日ほどで次のつぼみが上がってきます。
収穫の終わりを見分ける
春が進んで気温が上がると、茎が急に固くなり、筋が通って手で折れなくなります。ここが収穫の終わりです。関東の露地では三月下旬から四月上旬が目安で、それ以降は摘んでも食味は戻りません。
終わりが近づくと、つぼみが小さいうちに花が開くようになります。摘んでも次の脇芽が細く、数も減ります。無理に引っ張らず、株を抜いて次の作付けの準備に移るほうが畑を有効に使えます。
| 時期 | 株の様子 | 判断 |
|---|---|---|
| 2月〜3月中旬 | 脇芽が太く次々に伸びる | 最盛期。3日おきに摘む |
| 3月下旬 | 茎が固くなり花が早く開く | 柔らかい先端だけ摘む |
| 4月 | 筋が通り手で折れない | 収穫終了。株を抜く |
摘んだあとの保存と食べ方
菜の花はしおれるのが早い野菜です。摘んだらすぐ水に浸け、そのまま袋に入れて冷蔵庫へ入れます。立てて保存すると茎が曲がらず、見た目も歯ごたえも保てます。
ほろ苦さがこの野菜の持ち味なので、あくを抜きすぎないようにします。塩を入れた湯で四十秒ほどさっとゆで、冷水に取って軽く絞る程度で十分です。ゆですぎると色も香りも失われます。
| 用途 | 下ごしらえ | 持つ期間 |
|---|---|---|
| すぐ食べる | 塩を入れた湯で40秒ゆで冷水に取る | 当日 |
| 数日置く | 湿らせた新聞紙に包み立てて野菜室へ | 3日から4日 |
| 長く置く | 固ゆでにして小分けし冷凍する | 1か月ほど |
菜の花の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
菜の花の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は菜の花の育て方にまとめています。
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