まき時を外すとつぼみが上がらない
菜の花は葉を食べる野菜ではなく、冬から早春に伸びるつぼみと若い茎を摘む野菜です。年内にしっかりした株を作れるかどうかで収量が決まるので、まき時は九月中旬から十月中旬に置きます。
十一月を過ぎてまくと、寒さで生育が止まり、株が小さいまま冬を越します。小さな株からはつぼみがほとんど上がらず、春になっていきなり細い花茎が一本伸びて終わってしまいます。まき遅れは追肥でも取り返せません。

| 時期 | まける作型 | つぼみの穫れ方 |
|---|---|---|
| 9月中旬〜10月上旬 | 露地の直まき | 年内に大株になり、12月から穫れる |
| 10月中旬〜下旬 | 直まきか苗の植え付け | 株はやや小さく、2月からの収穫 |
| 11月以降 | 苗を買って春どりのみ | 株が育たず、収量は大きく落ちる |
土は早めに作りアブラナ科を空ける
菜の花はアブラナ科なので、カブ、大根、小松菜、キャベツなどを作った場所を続けて使うと根こぶ病が出ます。畝を半年以上使い続ける野菜なので、同じ場所は二年以上空けて計画します。
土は酸性を嫌います。まく二週間前に苦土石灰をまいて耕し、一週間前に完熟堆肥と元肥(前もって入れる肥料)を入れます。収穫が二か月以上続くので、元肥は葉物より少し多めに入れておきます。
- 二週間前に石灰
- 一平方メートルに苦土石灰を百グラムほどまき、二十センチの深さまで耕します。酸性の土は根こぶ病を招きます。
- 一週間前に堆肥と元肥
- 完熟堆肥を一平方メートルに二キロ、化成肥料をひと握り混ぜ、幅六十センチ、高さ十センチの畝を立てます。
- 前作を確かめる
- 去年アブラナ科を作った畝かどうかを記録で確かめます。分からないときは、豆類やナス科のあとの畝を選びます。
苗から始めるときの選び方
まき遅れたときや、少しだけ作りたいときは苗を買っても構いません。十月中旬から十一月上旬に、園芸店やホームセンターに「なばな」「アスパラ菜」「のらぼう菜」といった名前で並びます。
植え付けの株間は直まきと同じ二十センチから三十センチです。根鉢を崩さずに植え、植えたあとにたっぷり水を与えて根を土に密着させます。深植えにすると生育が遅れるので、根鉢の上面を土と同じ高さにします。
| 見た目 | 選ぶかどうか | 理由 |
|---|---|---|
| 葉が濃い緑で厚い | 選ぶ | 根が張っていて植え傷みが少ない |
| 茎が細く間延びしている | 選ばない | 日照不足で育ち、脇芽が出にくい |
| 根鉢に白い根が回っている | 選ぶ | 植えたあとの立ち上がりが早い |
| 下葉が黄色い | 選ばない | 老化苗で、つぼみが早く上がって終わる |
年内に作りたい株の姿
菜の花の収量は、冬に入るまでにどれだけ葉数を増やせたかでほぼ決まります。十一月末に本葉が十枚以上あり、株の広がりが二十センチほどになっていれば、年内から主枝のつぼみが摘めます。
葉数が足りない株は、無理に摘まずに二月まで待ちます。寒い間はほとんど動きませんが、日が伸びるとともに一気に立ち上がり、三月には十分な数のつぼみを付けてくれます。
| 時期 | 株の姿 | 足りないときの手当て |
|---|---|---|
| 10月下旬 | 本葉6枚から8枚 | 間引きを終え、追肥を一回入れる |
| 11月下旬 | 本葉10枚以上で株張り20センチ | 不織布をかけて生育を伸ばす |
| 12月 | 中心が締まりつぼみが見え始める | 小さければ2月まで待って穫る |
すじまきで薄くまいて二回間引く
種はカブや小松菜と同じアブラナ科の小さな種です。深さ一センチの溝に一センチ間隔で流すすじまきにし、覆土(かぶせる土)は五ミリほどにします。厚くかぶせると発芽が揃いません。
発芽は二十度前後で三日から四日です。本葉が二枚になったころに一回目、本葉が五枚から六枚になったら二回目を間引き、最終の株間は二十センチから三十センチにします。菜の花は脇芽をたくさん出すので、葉物より広く取ります。
- まき溝を作る
- 支柱の側面を土に押しつけて深さ一センチの溝を作ります。条間(溝と溝の間)は三十センチほど空け、あとで株が横に広がる場所を残しておきます。
- 一センチ間隔でまく
- 種を指ですり合わせながら溝に落とします。固まったところは指でならし、五ミリほど覆土して手のひらで軽く押さえます。
- 本葉二枚で一回目
- 込み合ったところを抜いて五センチ間隔にします。双葉が左右そろい、茎が太い株を残すと、のちの枝数が増えます。
- 本葉五枚で最終株間
- 二十センチから三十センチに広げます。狭いと株が立ち上がるだけで脇芽が出ず、摘めるつぼみの数が減ります。
菜の花の種は光を嫌いませんが、無覆土では乾いて発芽しません。五ミリの覆土と、発芽までの水切れ防止が要点です。
種まきでつまずいたときの切り分け
発芽しない、芽が消える、株が大きくならない。菜の花の出だしの失敗は、まき時と虫と株間のどれかで説明できます。原因を一つずつ確かめてから手を打ちます。
- 一週間たっても出ない
- 土が乾いたか、覆土が厚すぎです。指で掘って種を確かめ、腐っていなければ水を静かに与えて待ち、腐っていればまき直します。
- 双葉に細かい穴
- キスジノミハムシの食害です。まいた日から防虫ネットをかけて防ぎます。本葉が増えれば被害は目立たなくなります。
- 株が立ち上がるだけ
- 株間が狭すぎます。二十センチ以上に間引き直し、脇芽が出る場所を作ります。詰まったままだと主枝の一本しか穫れません。
- まき遅れに気づいたら
- 十一月に入っていれば直まきはやめ、苗を買って植えます。株は小さくなりますが、三月の春どりには十分間に合います。
種まきの手順
菜の花は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
菜の花の種まきでよくある質問
菜の花の種はいつまく?
菜の花は葉を食べる野菜ではなく、冬から早春に伸びるつぼみと若い茎を摘む野菜で…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
菜の花の種はどうやってまく?
すじまき / 直まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
菜の花の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
菜の花の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
菜の花は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
菜の花の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
菜の花の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
菜の花の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は菜の花の育て方にまとめています。
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