和種と洋種で味も時期も違う
菜の花として売られている種には、大きく二つの系統があります。在来の和種はアブラナやカラシナの仲間で、香りが強くほろ苦さがはっきりしています。おひたしや辛子あえ、漬物に向く味です。
洋種はセイヨウアブラナなどをもとにしたもので、アスパラ菜やオータムポエムが代表です。苦みが少なく、茎が太くて甘みがあり、ゆでるだけでも食べられます。初めて作るなら洋種が失敗しにくいです。
| 系統 | 代表的な呼び名 | 味と特徴 |
|---|---|---|
| 和種 | なばな、菜花、寒咲花菜 | 香りが強くほろ苦い。つぼみが密 |
| 洋種 | アスパラ菜、オータムポエム | 苦みが少なく甘い。茎が太い |
| 在来種 | のらぼう菜 | 寒さに強く大株になる。3月が最盛期 |
和種のなばなは早く穫れる
和種は生育が早く、九月中旬にまけば十二月から摘み始められます。つぼみが密に付き、香りとほろ苦さが強いのが持ち味です。さっとゆでておひたしや辛子あえにすると、この苦みが生きます。
その代わり花が開くのも早く、暖かい日が続くと二、三日で咲きます。三日に一度は見て回れる人向きです。摘み遅れが心配なら、次に挙げる洋種のほうが気楽に作れます。
- 九月中旬にまく
- 和種は年内どりが狙えます。九月中旬から下旬にまき、十二月に主枝のつぼみを摘み始めます。
- 三日おきに見る
- つぼみが密で花も早いので、収穫期は三日に一度は畑に出ます。黄色が差していたら、その日のうちに摘みます。
- 苦みを生かす
- さっとゆでて辛子あえや漬物にします。ゆですぎると香りも苦みも抜けて、この系統を選んだ意味がなくなります。
洋種は摘み遅れに強い
アスパラ菜やオータムポエムに代表される洋種は、茎が太く甘みがあり、苦みはほとんどありません。花が開くまでの余裕が和種より長いので、週末しか畑に出られない人でも摘み遅れが起きにくいです。
脇芽(葉の付け根から出る枝)の出方もよく、一株から二か月ほど摘み続けられます。ゆでてそのまま、炒め物、汁の実と使い道が広いのも利点です。子どもがいる家庭では洋種が食べやすいでしょう。
- 十月上旬にまく
- 洋種は寒さの中でゆっくり育ち、二月から三月が最盛期です。十月上旬までにまいて年内に株を作ります。
- 株間を広く取る
- 枝をよく出すので株間は三十センチにします。狭いと枝が重なり、風が通らず病気が出やすくなります。
- 太い茎を楽しむ
- 茎が太く甘いので、ゆでてそのまま食べられます。手で折れるところから上を使うと筋が残りません。
のらぼう菜は大株で長く穫る
のらぼう菜は関東の在来種で、寒さに特に強く、株が大きく育ちます。九月から十月にまいて冬を越し、三月に一気に脇芽を上げます。年内はほとんど穫れませんが、春の収量が群を抜きます。
大きく育つ分、株間は四十センチほど必要です。詰めて植えると枝が伸びず、持ち味が出ません。畑に余裕がある人向けで、プランターにはあまり向かない系統です。
- 株間四十センチ
- 大株になるので、ほかの菜の花より広く取ります。狭いと枝が重なり、収量がかえって落ちてしまいます。
- 年内は摘まない
- 冬の間は葉を増やすことに専念させます。年内に摘むと株が小さいまま春を迎えます。三月からが本番です。
- 三月に一気に摘む
- 日が伸びると太い脇芽が次々に上がります。三日おきに摘み、四月に茎が固くなったら終わりにします。
食べ方から選ぶ
どれを作るか迷ったら、食べ方から決めるのが分かりやすい方法です。ほろ苦さを楽しみたいなら和種、家族に子どもがいて食べやすさを取るなら洋種、春にたくさん穫りたいならのらぼう菜という選び方になります。
畝に余裕があれば、和種と洋種を一畝ずつ作ると収穫期がずれて長く楽しめます。和種が十二月から、洋種が二月から穫れるので、冬の間ずっと食卓に上げられます。
| 用途 | 向く系統 | 理由 |
|---|---|---|
| おひたし、辛子あえ | 和種 | 香りとほろ苦さが生きる |
| ゆでてそのまま | 洋種 | 甘みがあり苦みが少ない |
| 炒め物、汁の実 | 洋種、のらぼう菜 | 茎が太く歯ごたえが残る |
| 漬物 | 和種 | つぼみが密で味がなじむ |
品種選びで迷ったときの決め方
種袋の名前は品種名と系統名が混ざっていて分かりにくいものです。栽培の条件と手のかけられる頻度から絞ると、失敗が減ります。袋の裏の収穫時期の欄を必ず見ます。
初めての一袋なら、洋種のアスパラ菜がいちばん無難です。苦みが少なく、摘み遅れにも強く、まき時の幅も広いので、菜の花がどういう野菜かをつかむのに向いています。慣れてから和種に進みます。
- 畑に出る頻度で選ぶ
- 三日に一度出られるなら和種、週末だけなら洋種にします。摘み遅れの起きにくさが、そのまま収量になります。
- 畝の広さで選ぶ
- 株間四十センチを取れるならのらぼう菜、二十センチしか取れないなら和種の小株どりにします。
- 収穫時期をずらす
- 和種と洋種を一畝ずつ作ると、十二月から三月まで途切れずに穫れます。まき時は系統ごとに変えます。
- 袋の裏を確かめる
- 種袋の収穫時期と株間の欄を見ます。なばなの一言だけでは系統が分からないので、時期の表示で見分けます。
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