追肥は収穫が続く間ずっと
菜の花は主枝のつぼみを摘んだあと、脇芽(葉の付け根から出る枝)が次々に伸びて二か月ほど穫り続けます。その間ずっと新しい枝を作り続けるので、肥料が切れると枝が細くなり、つぼみも小さくなります。
追肥(育てながら足す肥料)は、十月の間引き後に一回、収穫が始まってからは二週間から三週間に一回のペースで施します。株元に直接まかず、条間に置いて土と混ぜ、そのまま株元へ寄せます。
- 間引き後に一回目
- 最終の株間にした直後、条間に化成肥料をひと握りの半分ほど施し、土と混ぜます。年内の株作りを助ける大事な一回です。
- 収穫開始で二回目
- 主枝のつぼみを摘んだころから、二週間から三週間おきに同じ量を施します。摘むたびに養分が出ていくと考えます。
- 枝が細ければ早める
- 伸びてくる脇芽が鉛筆より細いなら肥料切れです。間隔を二週間に縮め、薄めた液体肥料も併用して立て直します。
| 時期 | 追肥の量 | ねらい |
|---|---|---|
| 10月下旬 | 1平方メートルにひと握りの半分 | 冬までに葉数を増やす |
| 12月〜1月 | 同じ量を3週間おき | つぼみの数を確保する |
| 2月〜3月 | 同じ量を2週間おき | 脇芽の伸びを止めない |
水やりは季節で変える
菜の花は根が深く張るので、露地では雨だけでほぼ足ります。水やりが要るのは、まいた直後と、二月以降に晴天が続いて土が白く乾いたときです。土を触ってみて、指の第一関節まで乾いていたら与えます。
冬は与えすぎに注意します。気温が低い時期に土が湿ったままだと根が傷み、春の伸びが鈍ります。与えるなら気温の上がる午前中にし、夜に土が冷える夕方の水やりは避けます。
| 時期 | 水やり | 注意 |
|---|---|---|
| 10月〜11月 | 表面が乾いたら朝に与える | 夕方に与えると夜に冷える |
| 12月〜1月 | 雨が降れば与えない | 過湿は根を傷める |
| 2月〜3月 | 乾いたら条間に与える | 乾かすとつぼみが固くなる |
寒さに当てるほど甘くなる
菜の花は霜に当たるほど茎に糖がたまり、甘みが増します。寒さは敵ではなく味方なので、無理に暖かく囲う必要はありません。ほろ苦さと甘さが同時にあるのが、この野菜のいちばんの持ち味です。
ただし強い北風に当たり続けると葉が傷み、つぼみの伸びが遅れます。不織布をふわりとべた掛けしておくと、寒さは通しながら風と霜の直撃だけを防げます。年内から摘みたいときにも効きます。
- 不織布をべた掛け
- 十二月に入ったら株の上に直接かけ、裾を土で押さえます。日光も雨も通すので、そのまま春までかけておけます。
- 北風だけを止める
- 畝の北側に支柱と防風ネットを立てると、葉の傷みが減ります。全体を囲うと蒸れるので、風上の一面だけにします。
- 暖かくしすぎない
- ビニールで密閉すると株が軟らかく徒長(間延びして伸びること)し、甘みも乗りません。寒さには当てたまま守ります。
プランターは土が少なく肥料も切れる
プランターでも育ちますが、脇芽を長く摘むには深さ三十センチ以上、幅六十センチの容器に二株までにします。詰めて植えると枝を張れず、主枝を一本摘んで終わりになってしまいます。
土が少ない分、肥料は早く切れます。露地の半分の量を二週間おきに施すか、水やりのたびに薄めた液体肥料を与えます。乾きも早いので、二月以降は朝に土を触って確かめる習慣を付けます。
- 深い容器に二株
- 深さ三十センチ以上のプランターに、株間三十センチで二株までにします。根が張れると脇芽の数がはっきり増えます。
- 液体肥料で補う
- 水やりのたびに肥料が流れ出るので、週に一回、表示どおりに薄めた液体肥料を与えます。濃いと根を傷めます。
- 受け皿の水を捨てる
- 冬に受け皿へ水がたまったままだと、夜間に冷えて根が傷みます。流れ出た水はそのつど捨てます。
下葉を整理して風を通す
収穫が進むと、株元に黄色くなった下葉がたまります。そのままにすると風が通らず、灰色かびやアブラムシの住みかになります。月に一度は株元を見て、枯れ葉や黄色い葉を取り除きます。
取り除くのは枯れた葉と黄色い葉だけです。緑の葉は養分を作る場所なので、多く取ると脇芽の伸びが落ちます。株元がすっきり見える程度で止めておくのがちょうどよい加減です。
- 枯れ葉を抜き取る
- 株元にたまった枯れ葉と黄色い葉を、手で下に引いて外します。ちぎった跡が残るときははさみで切ります。
- 畑の外へ持ち出す
- 取った葉を畝に置くと病気の元が残ります。袋に入れて持ち帰り、堆肥にするなら十分に熟してから使います。
- 緑の葉は残す
- 緑の葉は脇芽を伸ばす養分を作ります。見た目を整えるために取りすぎると、つぼみが小さくなります。
育ちが悪いときの切り分け
葉ばかり茂る、枝が細い、葉が黄色い、つぼみが上がらない。菜の花の不調は肥料の多い少ないと株間で大半が説明できます。一度に両方を変えず、順に確かめていきます。
- 葉が大きく色が濃い
- 肥料が多すぎます。追肥を一回飛ばし、水も控えめにします。窒素が多いと葉ばかり茂ってつぼみが遅れます。
- 下葉から黄色くなる
- 肥料切れの合図です。すぐに薄めた液体肥料を与え、次の追肥を早めます。収穫の最盛期はとくに切れやすい時期です。
- 脇芽が細く数も少ない
- 株間が狭いか肥料切れです。株間は途中で変えられないので、追肥を二週間おきに増やして枝を太らせます。
- 株が横に広がらない
- 日照不足です。半日陰では葉が立ち上がるだけで枝が出ません。次の作では日当たりのよい場所を選びます。
菜の花の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
菜の花の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は菜の花の育て方にまとめています。
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