休眠に入る合図を見逃さない
ネリネは4月から5月に葉が黄ばんで枯れ始め、6月には地上部がなくなって休眠に入ります。この変化は暦ではなく葉の色で判断します。葉先から黄色くなったら水を減らし、全体が茶色くなって手で軽く引いて取れるようになったら完全に断水します。
| 葉の状態 | 時期の目安 | 水やり |
|---|---|---|
| 緑で張りがある | 3月まで | 表面が乾いたら通常どおり |
| 先端から黄色くなる | 4月〜5月上旬 | 回数を半分に減らす |
| 全体が茶色く乾く | 5月下旬〜6月 | 完全に止める |
| 葉がなく球根だけ | 6月〜8月中旬 | 与えない、雨も当てない |
夏に葉があるボーデニー系は乾燥休眠させません。夏も葉があるなら、この記事の断水は当てはまりません。
鉢のまま休眠させるのが基本
ネリネは根を傷めることを嫌うので、掘り上げずに鉢のまま休眠させるのが基本です。鉢ごと雨の当たらない風通しのよい場所に置き、8月下旬まで水を与えません。掘り上げるのは分球や植え替えが必要なときだけで、三年から五年に一度で十分です。
鉢のまま休眠させる利点は、根が乾いて縮んでも切れないことと、秋の芽出しが早いことです。掘り上げた球根は根が失われるので、植え直した年は花が小さくなりがちです。
- 軒下か風通しのよい日陰へ
- 梅雨の雨が当たらず、蒸れない場所に鉢を移します。直射日光の下でも構いませんが、鉢の中が極端に高温になる場所は避けます。
- 枯れ葉は自然に取る
- 枯れた葉は引っ張らず、自然に取れるまで待ちます。無理に引くと球根の首が裂けて腐りの入口になります。
- 月に一回硬さを確かめる
- 休眠中も月に一回は球根の肩を押して硬さを確かめます。柔らかいものがあれば早めに抜いて処置します。
分球と植え替えは7月に
球根が鉢からあふれる、鉢が持ち上がる、三年以上植え替えていない、というときは休眠中の7月に掘り上げて分球します。親球の周りに付いた子球を手で外し、大きさごとに分けて植えます。根が乾いて縮んでいても休眠中なら問題ありません。
- 鉢から抜いて土を落とす
- 鉢を横にして株全体を取り出し、乾いた土を手で払います。根はできるだけ切らずに残します。
- 子球を外して分ける
- 親球に付いた子球をひねるように外します。直径2センチ以上の子球は二年ほどで咲きます。小さいものはまとめて別の鉢に植えます。
- 詰めて浅く植え直す
- 新しい乾いた土に、肩を出して球根同士が触れるくらい詰めて植えます。植えた後は8月下旬まで水を与えません。
球根の大きさで扱いを変える
掘り上げた球根は大きさで扱いが変わります。直径3センチ以上の球根はその秋に咲く見込みがあり、2センチ前後は翌々年、それ以下は三年から四年かかります。大きさごとに鉢を分けておくと、咲く鉢と育てる鉢の管理を変えられます。
| 大きさ | 咲くまで | 植え方 |
|---|---|---|
| 直径3センチ以上 | その秋 | 直径15センチ鉢に3〜5球 |
| 直径2〜3センチ | 1〜2年後 | 詰めて植え、葉を大切に育てる |
| 直径2センチ未満 | 3〜4年後 | 小鉢にまとめ、冬の日照を確保 |
休眠明けの水やりで目覚めさせる
8月下旬から9月上旬に一度たっぷり水を与えて休眠を破ります。その後は土が乾いても花茎か葉が見えるまで待ち、5センチほど伸びてから通常の水やりに移ります。最初の水の後に何度も水を与えると、まだ根のない球根が腐ります。
休眠明けの芽出しは球根の状態で二週間から一か月ばらつきます。同じ鉢の中で早い遅いがあっても異常ではないので、遅い球根を掘って確かめたりしません。
- 8月下旬に一度だけたっぷり
- 鉢底から流れるまで一度与え、日なたに置きます。二週間から三週間で花茎の先が見えてきます。
- 芽が見えるまで待つ
- 土が乾いても、芽が見えるまでは表面を軽く湿らせる程度にとどめます。乾かしすぎより与えすぎの方が失敗します。
- 伸びたら通常の管理へ
- 花茎か葉が5センチほど伸びたら、表面が乾いたときに鉢底から流れるまで与える通常の管理に移ります。
休眠に失敗したときの立て直し
夏に葉が枯れずに残った、雨に当てて球根が柔らかくなった、休眠明けに芽が出ない、といった失敗は毎年のように起こります。球根が硬ければ立て直せるので、まず球根を触って確かめ、そのうえで次の一年の管理を組み立て直します。
- 夏に葉が残ったら
- サルニエンシス系なのに夏に葉が残るのは、春に水を減らせなかったからです。その年は断水せずに育て、翌春こそ葉の黄ばみで水を切ります。
- 雨で柔らかくなったら
- すぐに抜いて腐った部分を削り、日陰で数日乾かします。硬い部分が半分以上残っていれば、乾いた土に植え直して回復を待ちます。
- 休眠明けに芽が出ないなら
- 水を与えて一か月たっても動かないときは、球根を押して硬さを確かめます。硬ければ遅れているだけなので待ち、柔らかければ処分します。
ネリネの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
ネリネの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はネリネの育て方にまとめています。
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