一年の流れをつかむ
春に植えて夏から秋に収穫し、冬は地上部が枯れて休む。これが基本の一年です。多年草なので、冬越しに成功すれば翌年は苗を買わずに済み、しかも収穫が早く始まります。
気温が上がるまで動かない植物なので、春に焦らないことが大切です。六月から急に伸び始め、七月には手が回らないほど茂ります。
| 時期 | 株のようす | 主な作業 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 芽が動き出す | 土づくりと植え付け |
| 6月〜7月 | つるが伸びる | 誘引と摘心、収穫開始 |
| 8月〜10月 | 最も茂る | 収穫と追肥、むかご採り |
| 11月〜2月 | 地上部が枯れる | 冬越しの手当て |
月別のやること
関東平野部の露地を基準にした表です。ベランダや軒下ではひと月ほど早く動き出し、寒い地方では逆に遅れます。株の姿を見て前後させます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 土づくり、越冬株の掘り上げ確認 | 苦土石灰をまいて耕す |
| 4月 | むかごを埋める、支柱の準備 | 遅霜に注意する |
| 5月 | 苗の植え付け、ネットを張る | 最低気温十度以上で植える |
| 6月 | 誘引と摘心、一回目の追肥 | つるが一週間で五十センチ伸びる |
| 7月 | 収穫開始、水やりを増やす | 葉が手のひら半分になったら採る |
| 8月 | 収穫の最盛期、追肥 | 朝夕の水やりを欠かさない |
| 9月 | 切り戻し、台風に備える | つるを三分の一切る |
| 10月 | 秋の収穫、むかごを採る | むかごが茶色くなったら採る |
| 11月 | 霜の前に収穫を終える | 株元を覆って冬越しに入る |
| 12月 | 地上部を刈り取る | 枯れたつるを片づける |
| 1月 | 何もしない | 覆いが飛んでいないか見る |
| 2月 | 覆いを確かめる | 凍る日が続いたら覆いを足す |
春の立ち上がり
三月から五月は準備の時期です。越冬した株は四月下旬から芽を出しますが、五月の半ばまではほとんど伸びません。ここで肥料を足しても吸わないので、土づくりだけをしておきます。
新しく始める年は、この時期に苗かむかごを用意します。苗は五月の連休前後に園芸店に並ぶことが多く、見かけたときに買っておくと確実です。
- 越冬株を確かめる
- 四月に株元の覆いを外し、芽が動いているか見ます。五月中旬まで芽が出なければ、掘り上げて塊根が生きているか確かめます。
- 支柱を先に立てる
- つるが伸びてから立てると根を切ります。四月のうちに支柱とネットを組んでおくと、六月にあわてずに済みます。
- むかごを埋める
- 四月に深さ三センチで埋め、乾かさないようにします。芽が出るまで二週間から三週間かかります。
夏の収穫期
七月から九月が働きどきです。収穫、水やり、追肥、誘引を毎週まとめて行う習慣にすると、株の姿が崩れません。特に水は、この時期の質を決める要素です。
真夏に収穫が続く葉物は貴重なので、他の野菜が採れない時期の主力になります。摘めば摘むほど新しい葉が出るので、遠慮なく採ります。
- 週に一度まとめて手入れ
- 収穫のついでに誘引と混みの間引きをします。作業を一度にまとめると、見落としが減ります。
- 追肥を忘れない
- 月に一度、追肥(育ちの途中で足す肥料)を株元から離してまくか、液体肥料を与えます。採り続けると株が消耗します。
- 台風に備える
- 九月の予報が出たら、葉を三割ほど間引き、ネットの下端を留め直します。倒れてからでは間に合いません。
冬越しのやり方
霜に当たると地上部は枯れますが、地中の塊根は生きています。関東平野部の露地なら、株元を厚く覆うだけで越冬できることが多いです。寒い地方では掘り上げます。
掘り上げる場合は、塊根を土のついたまま新聞紙に包み、凍らない場所に置きます。乾かしすぎると芽が出なくなるので、湿り気を少し残しておくのがこつです。
| 地域 | 冬越しのしかた | 手当て |
|---|---|---|
| 関東平野部の露地 | そのまま越冬できる | 株元を落ち葉やわらで十センチ覆う |
| 寒い地方 | 掘り上げて保存 | 塊根を新聞紙に包み室内へ |
| ベランダの鉢 | 鉢のまま軒下へ | 水を控えて凍らせない |
枯れたつるは十二月のうちに刈り取って片づけます。残しておくと虫の越冬場所になり、翌年の発生が増えます。
春に芽が出ないときは
五月の半ばを過ぎても芽が出ないときは、冬の間に塊根が凍ったか腐ったかのどちらかです。掘り上げて確かめれば、その年の作り直しが間に合います。
毎年同じ場所で越冬させると、土の中の病気がたまって芽が出にくくなります。二年か三年に一度は場所を替えるか、鉢なら土を入れ替えます。
- 塊根を掘る
- 株元を掘って塊根を取り出します。押して固ければ生きています。指で崩れるほど柔らかければ腐っています。
- 残った芽を植え直す
- 生きた塊根があれば、新しい土に浅く植え直します。地温が上がっていれば二週間ほどで芽が出ます。
- むかごから作り直す
- 塊根がだめでも、秋に採ったむかごが残っていれば作り直せます。四月に埋めれば、七月には収穫が始まります。
おかわかめの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
おかわかめの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はおかわかめの育て方にまとめています。
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