地域別の適期を先に押さえる
オクラは地温15℃以上でまき、気温が15℃を下回ると実が止まる作物です。栽培できる期間は暖地でおよそ半年、寒冷地では4か月あまりしかありません。月別の作業を読む前に、自分の地域の始まりと終わりの日付を決めておきます。
| 地域 | 種まき | 収穫の期間 |
|---|---|---|
| 暖地 | 4月下旬から6月上旬 | 6月下旬から10月下旬 |
| 中間地 | 5月中旬から6月中旬 | 7月上旬から10月中旬 |
| 寒冷地 | 6月上旬から6月下旬 | 7月下旬から9月下旬 |
同じ県でも標高が200メートル違えば適期は一週間ずれます。近所の畑でいつまいているかが最も確かな目安になります。
4月と5月:土づくりと種まき
この2か月でやることは、酸度の調整と地温の確保に尽きます。オクラはペーハー6.0から6.5を好み、酸性が残ると根の伸びが鈍ります。深く根を張る作物なので、耕す深さも30センチを目標にしておきます。
| 時期 | 作業 | 目安と判断 |
|---|---|---|
| 4月上旬 | 苦土石灰と堆肥 | ペーハー6.0から6.5に整える |
| 4月中旬 | 元肥と畝立て | 畝幅60センチ、高さ15センチ |
| 4月下旬 | マルチ張り | 地温を上げる、暖地は播種 |
| 5月中旬 | 種まき | 前夜から吸水、1か所4粒から5粒 |
| 5月下旬 | 発芽の確認 | 欠株はポット苗で補う |
石灰と元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)は同時に入れず、石灰をまいてから2週間ほど空けます。酸度を直す前に肥料を入れると効きにくくなります。
6月:間引きと初収穫
6月は株の形が決まる月です。本葉2枚から3枚で1か所2本から3本に整理し、以後は間引きません。中旬には5節目から6節目に最初の花が上がり、暖地では下旬に一番果を採ります。
この時期はまだ気温が低く、開花から収穫までに7日ほどかかります。実の伸びが遅いからと安心して間隔を空けると、7月に入った途端に採り遅れが出るので、月末には収穫の間隔を詰め始めます。
| 時期 | 作業 | 目安と判断 |
|---|---|---|
| 6月上旬 | 間引き | 2本から3本を残し地際で切る |
| 6月中旬 | 支柱立て | 草丈50センチで1株1本 |
| 6月下旬 | 一番果の収穫 | 開花から7日前後、早めに採る |
| 6月下旬 | 1回目の追肥 | 1平方メートルに30グラム |
一番果は小さいうちに採ります。株が若い時期に実を太らせると根と茎の生育が止まり、その後の伸びが鈍ります。
7月:収穫の立ち上がりと下葉かき
7月に入ると開花から収穫までが4日ほどに縮み、採り遅れが出始めます。収穫のたびに下葉を1枚から2枚かき、株元に風を通します。梅雨明け直後は急に乾くので、敷きわらを入れておく月でもあります。
| 時期 | 作業 | 目安と判断 |
|---|---|---|
| 7月上旬 | 下葉かき開始 | 収穫節の下は葉2枚を残す |
| 7月中旬 | 敷きわら | 梅雨明け前に株元を覆う |
| 7月中旬 | 2回目の追肥 | 実が細ってきたら早める |
| 7月下旬 | 収穫は隔日 | 五角種は7センチから8センチ |
梅雨明けの数日は根が急に乾きます。敷きわらが間に合わないときは、朝に一度たっぷり水をやって切り抜けます。
8月:毎日収穫と草丈の管理
8月は最も伸びる月で、高温期には葉が3日に1枚のペースで展開します。開花から3日で収穫サイズになるため、隔日では確実に採り遅れます。草丈も1.5メートルを超え、台風前の補強が要る時期に入ります。
| 時期 | 作業 | 目安と判断 |
|---|---|---|
| 8月上旬 | 毎日の収穫 | 開花から3日から4日で採る |
| 8月上旬 | 追肥を2週間おき | 実の細りが出る前に施す |
| 8月中旬 | 支柱の留め足し | 30センチごとに8の字で留める |
| 8月中旬 | 切り戻しの判断 | 手が届かない高さなら実施 |
| 8月下旬 | 害虫の見回り | 葉裏の食害と幼虫を確認 |
旅行などで数日空けるときは、出発前に大きめの実も全部採ります。硬い実を残すと株が種作りに回り、次の花が止まります。
9月と10月:収穫を伸ばす
9月に入ると葉の展開が4日から5日に1枚へ落ち、実の肥大もゆるみます。収穫は隔日に戻して構いませんが、この時期の実は軟らかく質がよいので、暖地では10月下旬まで採り続けられます。
| 時期 | 作業 | 目安と判断 |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 収穫は隔日へ | 開花から5日から7日で採る |
| 9月中旬 | 最後の追肥 | 以後は施さず実を充実させる |
| 10月上旬 | 下葉かきの継続 | 枯れ葉を残さず風を通す |
| 10月下旬 | 収穫の終了 | 最低気温15℃割れで止まる |
秋の実は肥大がゆるく、質が最もよい時期です。数は減りますが、硬くならないので採り時を外しにくくなります。
11月:片づけと今年の失敗の振り返り
収穫が止まった株を畑に立てたままにしておくと、越冬する害虫の卵や病原菌をそのまま翌年へ持ち越します。11月のうちに抜き、来年どこに植えるかまで決めておくと、連作による生育不良を避けられます。
- 株の抜き取り
- 収穫が止まったら早めに抜きます。太い直根が残るので、地際で切って根は土中で分解させる方法でも構いません。
- 種を採る場合
- 健全な株の中ほどの実を1つか2つ残し、さやが茶色く乾いてから採ります。固定種なら翌年も同じ形が出ます。
- 連作の間隔
- ネコブセンチュウが増えるので、同じ場所は2年から3年空けます。狭い菜園では容器の土を入れ替えて場所を移します。
- 翌年への記録
- まいた日と初収穫の日を書き残します。翌年その差を見れば、自分の畑での播種適期が一日単位で決まります。
- 細い実しか穫れない年
- 茎が細く葉も小さかったなら肥料が足りていません。翌年は植えつけ前の肥料を増やし、収穫が始まってからも切らさないようにします。
- 背が高すぎた年
- 手が届かず採り遅れたなら、摘心(先端を摘んで伸びを止めること)を早めるか、低く収まる品種に替えます。
オクラの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
オクラの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオクラの育て方にまとめています。
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