種まきの手順

まき穴の深さ
深さ1センチから2センチの穴をあけ、1か所に4粒から5粒をばらけさせて置きます。深すぎると芽が地上に出る前に力尽きます。
覆土と鎮圧
覆土は1センチほど、かけたら手のひらで軽く押さえます。押さえることで種と土が密着し、吸水が安定して発芽がそろいます。
まいた後の水
まいた直後にたっぷり水をやり、以後は表面が白く乾いたら与えます。発芽までの1週間から10日は、土の表面を乾かし切らないことが条件です。
鳥と虫の防除
発芽直後の双葉は鳥に食われやすいので、不織布かネットを発芽までかけます。ダンゴムシが多い畑では、株元の落ち葉を先に片づけます。
まき直しの備え
同じ日に予備をポットにもまいておくと、欠株が出たときにすぐ補えます。オクラは苗の入手が難しい時期があり、自前の予備が効きます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
発芽までの日数は地温25℃で4日から7日、20℃前後では10日以上かかります。遅い年は「腐った」と判断する前に掘って確かめます。
種は一晩水に浸してからまく
オクラの種は硬実種子と呼ばれ、種皮が厚くて水を通しにくいため、乾いたまままくと発芽がばらつきます。まく前日の夜から水に浸し、種が吸水してひとまわり膨らんだ状態にしてからまくと、発芽日数がそろって間引きの判断がしやすくなります。
浸す時間は一晩、およそ8時間から12時間が目安です。丸一日を超えて浸けたままにすると種が酸素不足で傷むので、朝になったら水を切り、その日のうちにまきます。まだ膨らまない種が混じっていたら、その分だけ多めにまいて補います。
- 浸す水の温度
- 水道水の常温で十分ですが、30℃ほどのぬるま湯から始めると吸水が早まります。冷蔵庫のような低い温度に置くと吸水が進まないので、室内に置きます。
- 浸しすぎを避ける
- 24時間を超えると種の中が酸欠になり、まいても腐ることがあります。夜に浸けて翌朝に引き上げる、という一晩の区切りで運用します。
- 催芽までやる場合
- 湿らせたペーパーに包んで25℃前後に2日ほど置き、根が1ミリほど白く見えた種だけをまく方法もあります。根を折らないよう指でつままず、そっと置きます。
- 浸けない種の扱い
- コーティング済みと表示のある種は薬剤が溶け出すため水に浸しません。袋の表示を先に読み、指示がなければ一晩の吸水を行います。
吸水した種は乾かすと発芽力が落ちます。まく直前に水を切り、その日のうちに全部まき切る前提で浸す量を決めます。
地温が上がるまでまかない
オクラはアフリカ原産の高温作物で、発芽適温は25℃から30℃、地温が15℃を下回るとほとんど発芽しません。気温が暖かくなったからと4月に急いでまいても、地面が冷えていれば種は土の中で腐るだけです。まく判断は気温ではなく地温で行います。
早くまきたい場合は、まく2週間前から黒いマルチを張って地面を温めておきます。マルチのある畑と裸地では地温に3℃前後の差がつくため、同じ日にまいても発芽の速さが変わります。トンネルをかければさらに1週間から2週間早められます。
| 地域 | 露地の播種適期 | マルチ利用時 |
|---|---|---|
| 暖地 | 5月上旬から6月上旬 | 4月下旬から可能 |
| 中間地 | 5月中旬から6月中旬 | 5月上旬から可能 |
| 寒冷地 | 6月上旬から6月下旬 | 5月下旬から可能 |
遅れてまいた分は収穫開始も遅れます。6月下旬を過ぎてからのまき直しは、収量が半分以下になると考えておきます。
直まきとポットまきの使い分け
オクラは主根がまっすぐ深く伸びる直根性で、根が切れると回復に時間がかかります。畑に十分な地温があるなら直まきが最も確実で、移植の傷みがない分だけ生育も早く進みます。地温が足りない時期に前倒ししたいときだけポットを使います。
- 直まきが向く場面
- 地温が15℃を超え、鳥やダンゴムシの害が少ない畑では直まきにします。根が切られないので初期生育が速く、草丈が低いうちから花が付きます。
- ポットが向く場面
- 寒冷地や、前作の収穫が終わらず畑が空かないときはポットにまきます。9センチのポットに3粒から4粒まき、間引かずにひと固まりのまま植えます。
- 植え出しの限界
- ポット苗は本葉2枚から3枚、日数にして播種から20日前後で植えます。本葉が4枚を超えると根がポットの底で巻き、植えたあと止まります。
- 根鉢の扱い
- 植えるときは根鉢をほぐしません。ポットを逆さにして土ごと抜き、そのままの形で穴に置いて周りを埋めます。根を触るほど活着が遅れます。
発芽しないときに疑うこと
発芽しない原因はほぼ低温、水切れ、深まきの三つに集約されます。原因を切り分けずにまき直すと、同じ条件でまた失敗します。まず土を掘って種の状態を見て、膨らんでいるのか、腐っているのか、乾いたままなのかを確かめます。
| 種の状態 | 考えられる原因 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 乾いて硬いまま | 水切れか吸水不足 | 浸水してからまき直す |
| 膨らんで白く腐る | 低温と過湿 | 地温が上がるまで待つ |
| 芽が土中で曲がる | 覆土が厚い | 覆土を1センチに減らす |
| 双葉が消えている | 鳥かダンゴムシ | 発芽までネットをかける |
品種の系統を決めてから種を買う
オクラは系統によって収穫する長さも食感も違い、後から変えられません。断面が五角のものは店で最もよく見る形で、角がすじになるため採り遅れると硬くなります。丸いさやの系統は大きくなっても軟らかく、家庭菜園では採り遅れの失敗が減ります。
| 系統 | さやの形 | 採り時の長さ |
|---|---|---|
| 五角種 | 断面が五角形 | 7センチから8センチ |
| 丸さや種 | 断面が丸い | 10センチから15センチ |
| 島オクラ | 丸くて細長い | 12センチから18センチ |
| 赤オクラ | 五角で赤紫 | 7センチから10センチ |
毎日は見に行けない菜園なら丸さや種か島オクラを選びます。採り時の幅が広く、一日遅れても食べられる硬さで済みます。
オクラの種まきでよくある質問
オクラの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
オクラの種はどうやってまく?
直まき / ポットまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
オクラの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
オクラの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
オクラは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
オクラの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
オクラの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
オクラの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオクラの育て方にまとめています。
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