鉢と地植えで水の考え方が違う
オリーブは地中海の乾いた気候の木で、地植えなら根付いた後は雨だけで育ちます。一方で鉢植えは土の量が限られるため、乾燥に強いと思って放置すると、真夏に葉を大量に落とします。置き場所と季節で水の量を切り替えます。
| 時期 | 鉢植えの目安 | 地植えの目安 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 表土が乾いたらたっぷり | 植えて一年目のみ、一週間雨がなければ与える |
| 6月〜9月 | 朝一回、真夏は夕方にも確かめる | 二週間雨がなければバケツ一杯 |
| 10月〜11月 | 表土が乾いて二日後に | 不要 |
| 12月〜2月 | 一週間から十日に一回、暖かい午前中に | 不要 |
葉が日中にわずかに垂れて夕方戻るなら足りています。朝の時点で葉が内側に丸まっていたら明らかに不足です。
鉢植えの水やりのコツ
鉢植えで一番多い失敗は、乾きすぎではなく与えすぎです。常に湿った土では根が酸欠になり、葉が黄色くなって落ちます。これを水切れと勘違いしてさらに与えると根腐れが進みます。触って乾いてから与える、を徹底します。
- 指で土を確かめる
- 表面が白く乾き、指を第一関節まで入れて湿りを感じなければ与えるころです。まだ湿っているなら翌日まで待ちます。
- 鉢底から流れるまで
- 与えるときは底穴から流れ出るまで注ぎます。受け皿にたまった水はすぐ捨て、根が水に浸かった状態にしません。
- 夏は朝のうちに
- 日中の水やりは鉢の中で湯になって根を傷めます。朝に与え、夕方に鉢を持ち上げて軽ければもう一度与えます。
- 冬は控えめに
- 気温が下がると水を使わなくなります。乾いてから二、三日たって与えるくらいで十分で、夕方の水やりは凍結の原因になります。
鉢を持ち上げた重さで乾きを覚えると、器具なしで判断できます。たっぷり与えた直後の重さを一度覚えておきます。
肥料は年三回、控えめに
オリーブは肥料をあまり必要としません。窒素が多いと枝ばかり伸びて花芽が付かず、隔年結果も強まります。冬の元肥(春の成長に備えて事前に入れる肥料)を主体にし、追肥は花後と収穫後に少量与えます。
| 時期 | 肥料の種類 | 地植えの量の目安 |
|---|---|---|
| 2月〜3月 | 有機質の緩効性肥料 | 油かす二握り、堆肥バケツ一杯 |
| 6月下旬 | 化成肥料か緩効性肥料 | 一握り、花が終わって実が付いたら |
| 10月〜11月 | 収穫後の礼肥として化成肥料 | 半握り |
鉢植えは上記の四分の一を目安にします。緩効性の粒肥料を表土に置く方法なら与えすぎを防げます。
石灰で弱アルカリ性に保つ
オリーブは酸性の土を嫌い、ペーハー6.5から7.5の弱アルカリ性でよく育ちます。日本の雨は土を酸性に傾けるので、年一回は苦土石灰か有機石灰を株元にまきます。ブルーベリーやツツジと同じ場所に植えると土作りが真逆になり、どちらかが育ちません。
- 冬に石灰をまく
- 地植えは一株あたり二握り、鉢植えは小さじ二杯を目安に、株元から少し離して表土にまき、軽く混ぜます。
- 肥料と二週間ずらす
- 石灰と化成肥料を同時に入れると肥料の窒素が逃げます。石灰を先に入れ、二週間あけてから肥料を与えます。
- 葉の色で判断する
- 新しい葉が全体に黄色っぽく、古い葉が緑のままなら酸性に傾いたサインです。石灰を追加し、鉢なら翌春に用土を入れ替えます。
土壌酸度計があるなら6.5以上を目安にします。数値がなくても年一回の石灰で大きく外れることはありません。
置き場所と寒さ対策
オリーブはマイナス5度前後まで耐えますが、若木と鉢植えは寒風で葉を傷めます。関東平野部の露地なら防寒なしで越冬できますが、北風が直接当たる場所や寒冷地では株元と幹を守ります。日照は一日六時間以上が必要で、日陰では実が付きません。
| 場面 | 冬の扱い | 目安 |
|---|---|---|
| 地植えの成木 | 何もしない | 気温がマイナス5度を下回る日が続くなら株元を覆う |
| 地植えの若木 | 幹に麻布を巻く | 植えて二年目まで |
| 鉢植え | 軒下か南向きの壁ぎわに移す | 凍る夜は室内の玄関でもよい |
| 寒冷地 | 冬は鉢ごと室内に取り込む | 日が入る窓際で水は控えめに |
室内に入れる場合も暖房の風が当たる場所は避けます。乾燥で葉が落ち、春に外へ出したときの日差しで葉焼けします。
葉が落ちる・黄色くなるときの原因
水と肥料の失敗はまず葉に出ます。落ちる、黄色くなる、丸まるといった症状から原因を切り分け、対処します。多くは水の量の問題で、肥料を足しても直りません。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 下の葉から黄色くなって落ちる | 水のやりすぎで根が傷んだ | 水を止めて乾かし、鉢なら用土を替える |
| 葉が内側に丸まりぱらぱら落ちる | 夏の水切れ | 朝にたっぷり与え、表土を覆う |
| 新しい葉が黄色く小さい | 土が酸性に傾いた | 石灰をまき、翌春に用土を替える |
| 枝ばかり伸びて花が付かない | 窒素の与えすぎか日照不足 | 肥料を半分にし、日当たりに移す |
| 冬に葉先が茶色く枯れる | 寒風と乾燥 | 風よけを立て、暖かい午前中に水を与える |
常緑樹でも古い葉は二、三年で自然に落ちます。春に内側の古い葉が少し黄色くなるのは正常で、新芽が元気なら問題ありません。
オリーブの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
オリーブの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオリーブの育て方にまとめています。
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