用途で採る時期を決める
オリーブの実は10月に緑色で固く、11月にかけて紫から黒へ熟していきます。実は生では強い渋みがあり、そのままでは食べられません。何に使うかで採る時期が変わるので、最初に目的を決めてから収穫します。
関東平野部では10月中旬から11月下旬が収穫期です。緑の実は塩漬けにすると歯ごたえがよく、黒く熟した実は柔らかくオイルの量も増えます。一本の木でも色の違う実を採り分けて楽しめます。
| 用途 | 採る時期と実の色 | 目安 |
|---|---|---|
| 新漬け(緑の塩漬け) | 10月中旬〜下旬、緑で固い | 実が親指の爪より大きく、表面につやが出たら |
| 黒い塩漬け | 11月、紫から黒 | 実の八割が色づき、押すと少し弾力があれば |
| オイル | 11月中旬以降、黒く完熟 | 実がしわ寄る前、半分以上が黒くなったら |
| 種を採る、観賞 | 12月まで放置 | 自然に落ちる前まで |
実の一部を採り、半分に切って種の色を見ると熟度が分かります。種が白ければ未熟、茶色く固まっていれば十分に熟しています。
採り方
収穫は晴れた日の午前中に行います。実は枝に強く付いているので、手でひとつずつもぎ取るか、枝をしごくようにして下に広げたシートに落とします。実に傷が付くと渋抜きの途中で腐るので、丁寧に扱います。
- シートを敷いてしごく
- 木の下にシートを広げ、枝の付け根から先に向かって手でしごくと実がまとまって落ちます。葉も落ちるので後で分けます。
- 傷んだ実を分ける
- 虫食い、病斑、つぶれた実を取り除きます。一つでも傷んだ実が混ざると、塩漬けの途中で全体が濁って腐ります。
- 大きさをそろえる
- 渋抜きの日数は実の大きさで変わります。大きい実と小さい実を分けておくと、仕上がりがそろいます。
- 当日中に水に漬ける
- 採った実は空気に触れると茶色く変色します。すぐ水に漬け、その日のうちに渋抜きを始めます。
初めての収穫が数個から数十個でも十分です。植えて三、四年目までは木を育てることを優先し、実の数は期待しません。
渋抜きは水か重曹で
オリーブの渋みは水に溶け出します。家庭では、毎日水を替える水さらし法か、食用の重曹を溶かした水に漬ける方法が安全です。苛性ソーダを使う方法もありますが、扱いに危険が伴うので家庭では勧めません。
- 実に切り込みを入れる
- 包丁で縦に一本、種まで届く切れ目を入れます。渋が抜けやすくなり、日数を短くできます。緑の実は特に必要です。
- 水に漬けて毎日替える
- 実がかぶるまで水を入れ、毎日一回は水を替えます。緑の実で二週間から三週間、黒い実で一週間から十日が目安です。
- 重曹を使うなら二日
- 水1リットルに重曹大さじ一杯を溶かして漬け、二日で取り出します。そのあと真水に二、三日さらして重曹の味を抜きます。
- かじって確かめる
- 渋みがほぼ消え、実の味が感じられたら終わりです。少し渋みが残るくらいで止めると、塩漬け後に風味が残ります。
水さらしの途中で表面に白い膜が張ったら、水替えの不足です。実を洗って新しい水に替え、毎日替えるようにします。
塩漬けにする
渋を抜いた実は塩水に漬けて保存します。塩分は水に対して一割ほどが基本で、これより薄いと腐り、濃いと塩辛くなります。冷蔵庫で一か月から二か月保存でき、食べるときは水に少しさらして塩を抜きます。
| 状態 | 塩水の濃さ | 日持ちの目安 |
|---|---|---|
| 渋抜き直後の緑の実 | 水1リットルに塩100グラム | 冷蔵で二か月 |
| 黒く熟した実 | 水1リットルに塩80グラム | 冷蔵で一か月 |
| 長く保存したい | 塩130グラム、食べる前に塩抜き | 冷蔵で半年 |
塩水にレモンの輪切りやローズマリー、にんにくを加えると香りが付きます。油に漬けて保存する場合は必ず冷蔵し、二週間で食べ切ります。
家庭でオイルを搾る
オイルは実の重さの一割から二割しか採れず、100グラムの実から大さじ一杯ほどです。量は期待できませんが、自分で搾った香りは格別です。黒く完熟した実を使い、種ごとつぶして数日置き、浮いた油をすくいます。
- 実をつぶす
- 洗った実を種ごとすり鉢かフードプロセッサーで細かくつぶします。種の油も香りの元になるので取り除きません。
- 湯を加えて置く
- つぶした実に同量のぬるま湯を加えて混ぜ、密閉容器で二、三日置きます。油が上に浮いて分かれてきます。
- 浮いた油をすくう
- 上に浮いた油をスプーンですくい、コーヒーフィルターでこします。搾ったオイルは冷蔵し、一か月以内に使い切ります。
搾りかすは肥料になります。ただし油分が多いので、堆肥に少量ずつ混ぜて使います。
実が付かない・落ちるときの切り分け
花は咲くのに実が付かない、付いた実が夏に落ちるときは、受粉か木の年数か水のどれかが原因です。姿を見て切り分け、翌年に向けて直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 植えて三年以内の若木か窒素過多 | 肥料を減らし、四年目まで待つ |
| 花は咲くが実が付かない | 受粉樹がない、開花がずれた | 別品種を近くに植え、開花中に枝を揺する |
| 実が付いてすぐ落ちる | 自然の生理落果 | 一か月で止まるなら正常 |
| 夏に大きな実がしぼんで落ちる | 水切れか実の付けすぎ | 水を切らさず、翌年は摘果する |
| 去年多かったのに今年はほぼゼロ | 隔年結果 | 実の多い年に枝を切り戻し、翌年に備える |
開花中に長雨が続いた年は、受粉できずに実がほとんど付かないことがあります。木の問題ではないので、翌年に期待します。
オリーブの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
オリーブの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオリーブの育て方にまとめています。
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