症状から原因を見分ける
オリーブの害は、幹に出るもの、葉に出るもの、実に出るものの三つに分けると原因を絞りやすくなります。まず症状の出ている場所を見て、表で当たりを付けてから対策に進みます。日本では特に幹を食う虫の被害が深刻です。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にやること |
|---|---|---|
| 株元に木くずがたまる、樹皮がめくれる | オリーブアナアキゾウムシの幼虫 | 樹皮をはがして幼虫を探す |
| 葉が糸で巻かれ中に虫がいる | ハマキムシ | 巻いた葉ごと取って潰す |
| 葉が短期間で大量に食われる | スズメガの幼虫 | 枝をたどって捕殺 |
| 実に茶色のくぼみができて落ちる | 炭疽病 | 落ちた実を拾い、雨よけ |
| 葉に黒っぽい斑点、早く落葉 | 孔雀病 | 病葉を集めて捨て、風通しを改善 |
| 枝に白い綿や茶色の殻が付く | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
夏に木の一部が急にしおれて葉が茶色になったら、まず株元を見ます。幹の内側を食われると枝ごと枯れます。
アナアキゾウムシは株元を毎月見る
日本でオリーブを育てるうえで最大の敵がオリーブアナアキゾウムシです。成虫は春から秋に株元の樹皮に穴をあけて産卵し、幼虫が樹皮の内側を食い進みます。数匹入るだけで若木は枯れるため、月に一度は株元をよく見て早く見つけます。
- 木くずと樹液を探す
- 地際から30センチまでの幹に、湿った木くずや黒っぽい樹液のにじみがあれば幼虫がいます。株元の土や雑草をどけて見やすくしておきます。
- 樹皮をめくって捕殺
- 木くずの出ている場所の樹皮を小刀で薄くはがすと、白い幼虫がいます。取り出して潰し、傷口に癒合剤を塗ります。
- 成虫は夜に見回る
- 成虫は体長1.5センチほどで樹皮そっくりの色をしています。夜に懐中電灯で株元を照らすと見つかりやすく、捕まえて処分します。
- 株元を清潔に保つ
- 株元に草や落ち葉があると成虫が隠れます。半径30センチは常に土が見える状態にし、幹に傷を付けないようにします。
被害がひどい場合は、オリーブに登録のある幹に注入するタイプの殺虫剤を使います。表示の使用時期と回数を必ず守ります。
葉を食う虫
夏から秋にかけては葉を巻くハマキムシと、葉を丸ごと食べるスズメガの幼虫が出ます。どちらも数が少ないうちに捕まえれば薬剤は要りません。葉の食われ方を見て、どの虫か判断してから探します。
| 見た目 | 原因の虫 | 対策 |
|---|---|---|
| 新芽の葉が糸で束ねられて中が食われる | ハマキムシ | 巻かれた葉ごと取り、指で潰す |
| 枝一本分の葉が数日でなくなる | スズメガの幼虫 | 枝の下のふんをたどって捕まえる |
| 葉の表面がかすれて白っぽい | ハダニ | 葉裏に水をかけて洗い流す |
| 葉がべたつき黒いすすが付く | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とし、冬に薬剤 |
新芽の先が糸でくっついていたら中にハマキムシがいます。数が多いときは野菜用の殺虫剤を新芽に散布します。
実と葉の病気
秋の長雨の時期に、実に茶色のくぼんだ斑点ができて落ちる炭疽病と、葉に黒い輪のような斑点が出て早く落葉する孔雀病が出ます。どちらも雨で広がるので、風通しをよくして葉と実の表面を乾かすことが一番の予防です。
- 病気の実と葉を取り除く
- 斑点の出た実と葉は木に残さず、落ちたものも拾って袋に入れて捨てます。地面に残すと翌年の発生源になります。
- 混み枝を抜いて風を通す
- 内側に向かう枝を付け根から切り、木の内部に風と日を入れます。剪定で葉が乾く時間を短くするだけで発生が減ります。
- 雨の当たらない場所へ
- 鉢植えなら秋雨の時期に軒下へ移します。地植えは株元をわらで覆い、雨のはね返りを防ぎます。
- 続くなら殺菌剤
- 毎年出るようなら、梅雨前と秋雨前に果樹用の殺菌剤を散布します。収穫前の使用日数を守ります。
孔雀病は前年の病葉から春に広がります。冬に落ち葉を集めて捨てるだけで翌年の発生を大きく減らせます。
虫ではない障害
病害虫と間違えやすいのが、水や寒さ、日照による障害です。薬をまいても直らないので、葉の出方と時期を見て切り分けます。特に鉢植えの根腐れは、下の葉から黄色くなる姿が肥料切れと似ています。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 下の葉から黄色くなって落ちる | 水のやりすぎによる根腐れ | 水を止め、鉢なら乾いた用土に植え直す |
| 葉先が茶色く枯れ込む | 寒風と乾燥 | 風よけを立て、暖かい日に水を与える |
| 幹の南側の樹皮が割れる | 夏の日焼け | 幹に麻布を巻き、下枝を残して日陰を作る |
| 実が付いたのに夏に落ちる | 水切れか実の付けすぎ | 水を切らさず、翌年は摘果する |
実が付いてから一か月ほどで小さな実が自然に落ちるのは正常です。木が養える数に自分で減らしています。
枯れ込んだときの立て直し
虫や病気で枝が枯れても、株元が生きていれば回復します。オリーブは萌芽力が強く、幹を切り戻しても新しい枝が伸びます。どこまで生きているかを確かめてから切る位置を決めます。
- 樹皮を削って緑を探す
- 枯れたと思う枝の樹皮を爪で少し削り、下が緑なら生きています。茶色なら枯れているので、緑が出る位置まで下げて切ります。
- 生きた芽の上で切り戻す
- 緑の部分にある葉の付け根の上で切り、癒合剤を塗ります。春から夏の切り戻しなら一か月で新芽が出ます。
- 幹を食われたら更新
- 幹の半分以上が食われていたら、株元から出るひこばえの太い一本を次の幹に育てます。旧幹は翌春に地際で切ります。
幹を押してへこむ、木くずが何か所からも出ているなら、被害が内部で進んでいます。更新を優先して判断します。
オリーブの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオリーブの育て方にまとめています。
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