目的で品種の組み合わせを決める
オリーブは自分の花粉では実が付きにくい性質があり、家庭で収穫を狙うなら開花期の重なる別品種を近くに二本植えるのが基本です。観賞だけなら一本でも構いませんが、実を採るつもりなら最初から二品種を組み合わせて買います。
関東平野部の露地では、耐寒性があり樹形の乱れにくいものが育てやすい品種です。実の用途が塩漬けか油かでも向く品種が変わるので、何に使いたいかを先に決めてから選びます。
| 品種 | 特徴 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| ミッション | 直立して育ち寒さに強い。受粉樹として万能 | 初めての一本目、塩漬け |
| ネバディロブランコ | 花粉が多く受粉樹の定番。実はやや小さめ | 二本目の受粉用、油 |
| ルッカ | 一本でも少し実が付く。横に広がる | 鉢植えで場所が限られるとき |
| マンザニロ | 実が大きく塩漬け向き。やや寒さに弱い | 暖かい庭での塩漬け用 |
苗の札に品種名がない「オリーブ」だけの苗は、受粉の相性を確かめられません。二本そろえるなら品種名の付いた苗を買います。
植え付けは春の彼岸から
植え付けの適期は、霜の心配がなくなる3月中旬から4月です。常緑樹なので落葉期を待つ必要はありませんが、真冬に植えると根が動かないまま寒風で葉を傷めます。暖地では10月の秋植えもできます。
| 地域 | 植え付け適期 | 避ける時期 |
|---|---|---|
| 暖地 | 3月〜4月、10月 | 真夏の猛暑期 |
| 中間地 | 3月中旬〜4月 | 12月〜2月と真夏 |
| 寒冷地 | 4月中旬〜5月 | 10月以降の秋植え |
ポット苗は一年中出回ります。夏に買った苗は日当たりのよい場所で鉢のまま管理し、翌春に植え付けます。
鉢植えの手順
オリーブは根が浅く横に広がり、過湿を嫌います。鉢植えでは水はけのよい用土と、根鉢より一回り大きいだけの鉢を選ぶのが要点です。最初から大鉢に植えると土が乾かず根腐れします。
- 鉢は一回り大きく
- ポット苗なら7号から8号から始め、二年ごとに一回りずつ大きくします。初めから大鉢にすると土がいつまでも湿り、根が傷みます。
- 用土は水はけ重視
- 赤玉土小粒五に軽石二、腐葉土三が目安です。オリーブは弱アルカリ性を好むので、苦土石灰をひとつかみ混ぜてから使います。
- 根鉢を軽くほぐす
- ポットから抜いて根が回っていたら、底の部分だけ指でほぐします。根を切りすぎると春の伸びが止まるので、外側を軽く崩す程度にします。
- 支柱を添えて固定
- 浅根で風に弱いため、植え付け直後は支柱を一本立てて八の字に結びます。根が張る一年後まで外しません。
鉢底石は薄く一層で十分です。厚く入れると土の量が減り、真夏に乾きすぎて葉が落ちます。
地植えの手順
地植えは日当たりと水はけが整えば手がかかりません。株間は3メートル前後を目安にし、受粉用の二本目は10メートル以内に植えます。粘土質で水がたまる場所では高植えにして根を守ります。
- 穴は直径50センチ
- 深さも50センチ掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ二杯と苦土石灰を二握り混ぜて埋め戻します。植え穴に化成肥料は入れません。
- 水はけを確かめる
- 穴にバケツ一杯の水を入れ、半日で引かなければ滞水する場所です。その場合は地面より20センチ高く土を盛り、その上に植えます。
- 深植えしない
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるように置きます。深く埋めると幹の根元が蒸れ、株元から枯れ込む原因になります。
- 支柱と水やり
- 支柱を斜めに立てて幹を固定し、株元に土手を作ってバケツ一杯の水をゆっくり注ぎます。土が沈んだら足して平らにします。
北風の通り道や建物の影になる場所では実がほとんど付きません。一日六時間以上日が当たる場所を選びます。
受粉樹の置き方
実を狙うなら、二本の距離と開花期のずれが結果を左右します。オリーブの花は5月下旬から6月上旬に一週間ほど咲き、風で花粉が運ばれます。二本が離れすぎていたり、片方の開花が早すぎたりすると受粉しません。
| 場面 | 配置の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 庭に二本植える | 5メートル以内、風上と風下に | 同じ日当たりにして開花期をそろえる |
| 鉢植えで二本 | 隣り合わせに置く | 開花中は雨の当たらない場所に移す |
| 一本しか置けない | ルッカなど自家結実しやすい品種 | 収穫は少なめと割り切る |
開花中に長雨が続くと花粉が流れて受粉しません。鉢植えなら軒下へ、地植えなら晴れた日に枝を軽く揺すって花粉を飛ばします。
根付かないときの切り分け
植えて二か月たっても新芽が伸びない、葉が黄色くなって落ちるときは、水のやりすぎか植え方に原因があることがほとんどです。葉の様子を見て、肥料を足す前に土の湿りを確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が黄色くなって落ちる | 過湿で根が傷んでいる | 水を止め、鉢なら乾いた用土で植え直す |
| 葉が内側に丸まって乾く | 根が張る前の水切れ | 朝にたっぷり与え、表土を覆って乾きを遅らせる |
| 新芽が出ず葉が動かない | 植え付け時期が早く根が動いていない | 四月末まで待ち、それでも動かなければ樹皮を削って確かめる |
| 幹がぐらつく | 支柱不足で細根が切れた | 支柱を立て直して固定し、水を切らさない |
樹皮を爪で少し削って下が緑なら生きています。茶色なら枯れているので、緑が出る位置まで切り戻して株元からの萌芽を待ちます。
オリーブの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
オリーブの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオリーブの育て方にまとめています。
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