時期で警戒する相手が変わる
パンジーの被害には年に三つの山がある。植え付け直後の秋、雨と低温が重なる真冬、そして気温が上がる春。相手はそれぞれ違うので、季節ごとに見る場所を変えると早く気づける。
| 時期 | 警戒する相手 | 見る場所 |
|---|---|---|
| 10月から11月 | アブラムシ、ナメクジ | 新芽と蕾、株元 |
| 12月から2月 | 灰色かび病 | 傷んだ花と下葉 |
| 3月から4月 | アブラムシ、うどんこ病 | 新芽の裏と若い葉 |
| 4月から5月 | すみれ類を食べる幼虫 | 葉の食害跡と株元 |
うどんこ病は春の乾いた時期に出る
葉に白い粉をまいたような斑点が出たらうどんこ病。梅雨より前の、昼夜の温度差が大きく乾いた時期に広がる。雨で流されないぶん、軒下の鉢のほうが出やすいのが特徴。
- 起きる条件
- 窒素の多い肥料で葉が茂りすぎ、株の内側に風が通らない状態で出る。詰めて植えた寄せ植えと、切り戻しをしていない株が最初に発症しやすい。
- 見つけた直後
- 白くなった葉を摘み取り、袋に入れて捨てる。落とした葉を株元に残すと再発する。あわせて混み合った茎を減らし、株の内側に風を通す。
- 広がってから
- 株の半分以上に回ったら、切り戻して作り直したほうが早い。5月なら無理に治さず、花を見切って片づける判断も現実的。
予防は風通しと肥料の見直しに尽きる。春に追肥(育てている途中で足す肥料)を増やすときは、窒素だけが多い肥料に偏らないようにする。
灰色かび病は花がらから始まる
- 出るきっかけ
- 散った花が株元や葉の上に残り、そこが湿ったまま低温になると灰色のかびが生える。冬の雨のあとと、雪解けの直後に多い。
- 見分け方
- 花弁に水がしみたような茶色い斑点が出て、湿ると灰色の粉をふく。傷んだ花に触れると粉が舞うのが典型的な症状。
- 止め方
- 傷んだ花と葉をすべて取り除き、株元に落ちた花がらを拾う。上から水をかけるのをやめ、株元だけに与えるやり方へ切り替える。
アブラムシは新芽と蕾につく
アブラムシは秋の植え付け直後と、春に気温が上がる時期の二回つく。蕾のすぐ下や新芽の裏に群れ、吸われた蕾は開かないまま変形する。
- 早く気づく方法
- 花がら摘みのついでに蕾の付け根を見る癖をつける。数匹のうちに気づけば指でつまむか水で流すだけで済み、薬に頼らずに収まる。
- 増えたときの合図
- 葉がべたつき、黒いすすのような汚れが出たら数が多い証拠。株全体に回っているので、部分的に取るのではなく一度に処理する。
- 寄せ植えでの注意
- 一株についたら隣の株にも移る。鉢ごと見て回り、株と株の間に手を入れて内側の葉裏まで確かめる。
ナメクジと幼虫の食害
- ナメクジの被害
- 夜のうちに花弁と蕾が不規則に食われ、朝に光る筋が残っていればナメクジ。鉢の底や受け皿の裏、れんがの下に潜んでいるので昼にそこを探す。
- 潜み場所を減らす
- 鉢を直接地面に置かず台へ載せ、落ち葉や刈り草を株元にためない。隠れ場所を減らすほうが、見つけて取るより効く。
- すみれ類を食べる幼虫
- 春に黒い体へ赤い筋ととげのある幼虫がつくことがある。すみれの仲間だけを食べるためパンジーに集中し、放置すると数日で葉がなくなる。
- 食われた後の戻し方
- 葉を食われても株の中心が残っていれば回復する。幼虫を取り除いて追肥し、切り戻して新芽を出させると三週間ほどで葉が戻る。
被害を減らす植え方の設計
- 詰めて植えない
- 株間を確保するだけで、うどんこ病も灰色かび病も大きく減る。冬に寂しく見える間隔が、春にはちょうどよくなる。
- 株元を見せておく
- 覆う材料を厚くしすぎず、株元の土が見える状態を保つ。ナメクジの通り道とかびの発生に早く気づける。
- 上から水をかけない
- 花と葉を濡らさない習慣が、花のかびと葉の病気の両方を減らす。じょうろの先を土に近づけて注ぐ。
- 毎年の記録を残す
- いつ何が出たかを控えておくと、翌年は同じ時期の一週間前から見に行ける。パンジーは被害の出る時期が毎年ほぼ同じ。
症状が出てから対処を探すより、警戒する時期に週一度株を見に行くほうが、結果として被害はずっと小さくなる。
病気と紛らわしい症状の見分け
パンジーは低温や肥料切れで見た目が変わりやすく、病気と紛らわしい。薬を使う前に、まず病気ではないほうの原因を消していくと、余計な処置をせずに済む。
- 見分ける順番
- まず株全体か一部かを見る。全体に同じ症状が出ていれば環境か肥料、一部から広がっていれば病害虫の可能性が高い。
- 広がり方で判断する
- 数日おいて同じ場所を見比べ、範囲が広がっていれば病気、変わらなければ生理的なもの。慌てて葉を全部取らないほうがよい。
| 見えている症状 | 病害虫か | 考えられること | どうするか |
|---|---|---|---|
| 葉が紫や赤みを帯びる | 違う | 低温によるもので春に戻る | 何もせず春を待つ |
| 朝だけ全体がしおれる | 違う | 葉の凍結で日中に戻る | 水を足さず日が当たるのを待つ |
| 下葉が黄色く落ちる | 違う | 肥料切れか古い葉の更新 | 薄めた液体肥料を与える |
| 葉に白い粉が乗る | 病気 | うどんこ病を疑う | 広がる前に葉を摘み取る |
パンジーの長く咲かせるコツは作物ページに
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