まず地域と置き場所を決める
パンジーは植える時期を外すと、後からどれだけ手をかけても取り返せない。寒くなる前に根を張らせるのが目的なので、最低気温が15℃前後まで下がってから植えると考えると、地域を問わず大きくは外さない。
置き場所も先に決める。冬に日が当たるかどうかで開花量が変わり、一日四時間以上の直射が当たらない場所では、茎だけ伸びて花数が半分以下になる。
| 地域 | 植え付けの適期 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 暖地(関東以西の平地) | 10月中旬から11月中旬 | 最低気温が15℃を下回る |
| 中間地 | 10月上旬から11月上旬 | 朝の空気が冷たくなる |
| 寒冷地 | 9月下旬から10月中旬 | 初霜の一か月前まで |
良い苗は節と根鉢で見分ける
- 節が詰まっているか
- 葉と葉の間隔が指一本ぶんより広い苗は徒長(間のびして弱く伸びること)苗。日照不足や高温で伸びた苗で、植えても株元が寝てしまい、冬に霜で持ち上がりやすい。
- 株の中心が見えるか
- 良い苗は上から見て中心の生長点が見え、葉が放射状に広がっている。葉が立ち上がって中心が隠れる苗は、詰め込まれて光を奪い合っていた苗で、植えた後の伸びが鈍い。
- 根鉢の色と巻き方
- ポットから抜いて、白い根が土全体に薄く回っていれば適期。根が茶色く固まり底で渦を巻いていたら根詰まり。逆に土が崩れるほど根が少ない苗も、寒さまでに根が張り切らない。
- 蕾の数を見る
- 満開の苗より、蕾が数個上がりかけの苗を選ぶ。満開の苗はポットの中で咲かせ切っており、植えた後に花が止まる期間が長くなる。
葉が黄ばんだ苗は店頭で肥料切れを起こしている。植えれば回復するが、そのぶん一番花が遅れるので急ぐなら避ける。
早く植えると失敗する理由
9月に並ぶ苗を買ってすぐ植えると失敗しやすい。パンジーは高温多湿に弱く、地温が高いうちに植えると根が傷んで立枯病が出る。株元が黒く締まって一日でしおれるのがその症状で、抜くと根が茶色い。
暑いうちに植えた株は、生き延びても徒長する。気温が高いと花芽より茎と葉が優先され、真冬に間延びした姿のまま止まってしまう。
- 早植えしてしまったら
- まだ暑い時期に植えたなら、日中だけ日ざしを弱め、水やりを朝の一回に絞る。土が乾く時間を一日のうちに作ると、根の傷みがそこで止まる。
- しおれ始めた株の扱い
- 立枯病が疑われる株は早めに抜いて処分する。同じ場所へ植え直さず、隣の株に広がる前に間隔を空ける。夏に他の草花を植えていた土は特に注意する。
- 適期を逃した寒冷地
- 寒冷地では11月に入ると根が伸びない。適期を逃したら小さめの鉢に植えて軒下で根を張らせ、春になってから花壇へ移したほうが確実。
植え付けの手順と株間
- 土を先に整える
- パンジーは酸性土を嫌う。ペーハーは6前後が目安で、酸性に傾いた花壇では植え付けの二週間前に苦土石灰を軽く混ぜ、一週間前に堆肥と元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を入れておく。
- 根鉢は基本崩さない
- 根が回っていない苗はそのまま植える。底で渦を巻いた根鉢だけ、下の三分の一を指でほぐしてから植えると、新しい根が外へ伸び出す。
- 深植えにしない
- 株の中心が土に埋まると腐る。根鉢の上面を地面と同じ高さか、ほんのわずかに高くする。冬に土が締まって沈むぶんを見込んで浅めにするのがこつ。
- 植えた後の水やり
- 直後だけたっぷり与え、その後は表土が乾くまで待つ。秋は蒸発が少なく、毎日与えると根が浅く広がって霜に弱い株になる。
| 植え方 | 株間 | 見て決める目安 |
|---|---|---|
| 花壇に列で植える | 20から25センチ | 春に葉が触れ合う程度 |
| ビオラを混ぜる | 15から20センチ | 小輪は詰め気味でよい |
| 一株を大きく育てる | 30センチ | 株が直径30センチに育つ |
鉢とプランターは土の量で決まる
鉢が小さいと冬に根が冷え、春に肥料が切れる。パンジーは半年間ひとつの容器で咲き続けるので、一株あたり二リットル以上の土が入る容器を選ぶと、水やりも追肥(育てている途中で足す肥料)もぐっと楽になる。
| 容器 | 土の量の目安 | 植える株数 |
|---|---|---|
| 5号鉢(直径15センチ) | 約1.2リットル | 1株 |
| 6号鉢(直径18センチ) | 約2リットル | 1株 |
| 直径30センチの丸鉢 | 約8リットル | 3株 |
| 65センチのプランター | 約12リットル | 3株から4株 |
浅型のプランターは冬に土が冷え切って根が止まる。深さが18センチ以上ある容器を選ぶと、真冬の生育の止まり方が明らかに軽い。
寄せ植えは詰めすぎない
寄せ植えは植えた日を完成形にしない。パンジーは春までに株の直径が二倍から三倍になるため、植えた直後に隙間なく詰めると、二月以降に内側が蒸れて葉から枯れ込む。
- 間隔の取り方
- 直径30センチの鉢なら三株までにとどめ、株と株の間に指二本ぶんの土を見せておく。冬の間は寂しく見えるが、三月には隙間が消える。
- 相性のよい相手
- 同じく日向と乾き気味を好むものを合わせる。葉を楽しむものをひとつ入れておくと、真冬に花が止まった時期でも鉢の見た目が保てる。
- 高さの置き方
- パンジーは高さが出ないので鉢の縁側に置き、中央に背の高いものを据える。逆にすると、春に伸びたパンジーが中心の株に隠れて花が見えなくなる。
植えた直後にやっておくこと
- 元肥の効き方を知る
- 植え付け時の緩効性肥料はおよそ一か月から二か月で切れる。鉢では根鉢の下ではなく土の表面近くに置くと、冬の低い地温でも溶け出してくれる。
- 一番花はあえて摘む
- 植えてすぐ咲いている花は根元から摘む。株が花へ養分を回すのを止めて根を張らせるためで、二週間ほど我慢すると年内の花数がむしろ増える。
- 植えた日を記録する
- 植えた日と品種名を残しておくと、翌年に適期のずれを判断できる。年ごとに暖かさが違うので、暦の数字より自分の場所の記録が役に立つ。
植えた直後に株元を腐葉土などで覆うと、秋の乾燥と冬の霜柱の両方に効く。株元に密着させず、少し離して敷く。
パンジーの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
パンジーの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパンジーの育て方にまとめています。
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