一年の流れを先につかむ
パンジーの一年は四つに分かれる。秋に株を作り、冬に耐え、春に咲かせ、初夏に終える。毎月同じ管理をするのではなく、株の状態が変わる節目で水と肥料の与え方を切り替える。
| 期間 | 株の段階 | 管理の軸 |
|---|---|---|
| 9月から11月 | 根を張る | 浅く植え乾かし気味に |
| 12月から2月 | 耐える | 水を減らし肥料は切らさない |
| 3月から4月 | 最も咲く | 追肥を増やし切り戻す |
| 5月から6月 | 終わる | 追肥を止めて片づける |
秋(9月から11月)
9月に暖地で植えると高温で根が傷む。買った苗をすぐ植えられないときは、ポットのまま風通しのよい半日陰に置き、朝だけ水を与えて涼しくなるのを待つ。
- 植え付け前の土づくり
- 花壇は植える二週間前に苦土石灰、一週間前に堆肥と元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を入れる。パンジーは酸性土を嫌うので、この二週間を省くと春の伸びが鈍る。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 9月 | 苗が店頭に並び始める | 寒冷地のみ植え付け、暖地は待つ |
| 10月 | 気温が下がり根が動く | 中間地と暖地の植え付け適期 |
| 11月 | 株が横に広がり始める | 一番花を摘み、元肥の効きを見る |
初冬(11月から12月)
- 追肥の切り替え
- 元肥は一か月から二か月で切れる。12月に花が小さくなり始めたら液体肥料を足し、真冬に向けて置き肥を一度入れておく。
- 花がら摘みの頻度
- 気温が下がるにつれて花の終わりも遅くなる。二日に一度から、四日に一度ほどへ落としてよい。
- 霜への備え
- 初霜の前に株元へ腐葉土を敷く。地植えは霜柱、鉢は底冷えが問題になるので、鉢は台に載せて壁際へ寄せる。
- 日当たりの確認
- 落葉樹の葉が落ちて日当たりが変わる時期。夏は日陰だった場所が冬は日向になることもあるので、初冬に一度置き場所を見直す。
厳寒期(1月から2月)
- 花が止まっても慌てない
- 1月に花数が減るのは正常。この時期に肥料や水を増やして無理に咲かせると、かえって春の株が小さくなる。
- 灰色かび病を防ぐ
- 雨や雪のあとは傷んだ花と葉を必ず取り除く。低温多湿で花がらから広がるので、この時期だけは掃除を最優先にする。
- 切り戻しは我慢する
- 伸びが気になっても2月中は切らない。切っても新芽が出ず、株が裸のまま寒さにさらされる期間が長くなる。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 1月 | 生育が止まり花が減る | 水は午前中、週に一度ほど |
| 2月 | 下葉が傷み中心が締まる | 傷んだ葉を取り、薄い追肥 |
春(3月から5月)
3月に切り戻すかどうかで5月の姿が変わる。株の中心が空いて花が外側だけになっていれば切り、こんもりしたままなら切らずに追肥(育てている途中で足す肥料)だけでよい。
- 4月からの水やり
- 気温が上がると鉢は一日で乾く。3月まで週に一度だった鉢が、4月には二日に一度、5月には毎日必要になることもある。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 3月 | 急に伸びて花が増える | 追肥を増やし、徒長した株を切る |
| 4月 | 最盛期で花に覆われる | 液体肥料を週に一度、花がらをこまめに |
| 5月 | 花が乱れ茎が伸びる | 追肥を止め、種を採るか片づける |
終わりと翌年(5月から6月)
- 終わりの見きわめ
- 花径が半分ほどに縮み、茎が倒れ、うどんこ病が出始めたら終わり。無理に延ばすより、片づけて夏の草花へ切り替えたほうがよい。
- 種を採る場合
- 花がらを摘まずに残すと莢ができる。上を向いて茶色くなった莢を、はじける前に採って紙袋へ入れる。ただし交配種は親と同じ花にならない。
- 夏越しは狙わない
- 暖地では夏を越せない。寒冷地の半日陰なら残ることもあるが、古株は花が小さくなるので、毎年苗から始めるほうが確実。
- 翌年へ残す記録
- 植えた日、切り戻した日、花が止まっていた期間を控えておく。この三つだけで、翌年の適期判断と品種選びがかなり正確になる。
片づけた土をそのまま次に使うと、残った根から病気が出やすい。鉢土は入れ替えるか、日に干してから使う。
見回りで気づく不調とその原因
月別の作業は覚えるより、見に行く目的を決めておくほうが続く。パンジーは半年間ほぼ同じ場所にあるので、時期ごとに何を確かめるかだけ決めておけばよい。
- 秋に見ること
- 植えた株が根付いたかを確かめる。指で軽く引いて動かなければ根が出ている。動く株は土が浮いているので、押さえて水を与える。
- 冬に見ること
- 受け皿の水、傷んだ花、株の浮き上がりの三点だけでよい。この時期に手を入れすぎると、かえって株を弱らせてしまう。
- 春に見ること
- 株の中心が空いていないかと、新芽の裏にアブラムシがいないか。この二つを週に一度見ておけば、春の失敗はほとんど防げる。
- 不調に気づいたら
- しおれ、変色、伸びすぎのどれかが見えたら、まず水と置き場所を確かめます。病気を疑うのはそのあとで十分間に合います。
| 月 | 見に行く目的 | 見る間隔 |
|---|---|---|
| 10月 | 根付いたか、しおれがないか | 二日に一度 |
| 12月 | 肥料切れと霜柱 | 三日に一度 |
| 1月 | 受け皿の水と傷んだ花 | 週に一度 |
| 3月 | 徒長と切り戻しの判断 | 二日に一度 |
見に行く回数より、毎回同じ場所を見る習慣のほうが効く。株元と新芽の裏の二か所を決めておくと見落とさない。
パンジーの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
パンジーの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパンジーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。