区別は花径だが境目は曖昧
一般にパンジーは花径5センチ以上、ビオラは4センチ以下で呼び分けられている。ただしこれは園芸上の慣習で、植物としては同じ交雑種であり、中間の大きさの品種も数多く出回っている。
迷ったら、一輪の見応えと株全体の花数のどちらを取るかで決めればよい。近くで一輪を眺めるならパンジー、遠目の花数と真冬の咲き続けやすさならビオラが向く。
| 区分 | 花径の目安 | 見え方 |
|---|---|---|
| 大輪のパンジー | 8から10センチ | 一輪で存在感が出る |
| パンジー | 5から8センチ | 花壇の主役になる |
| 中輪の系統 | 4から5センチ | 呼び名が混在している |
| ビオラ | 2から4センチ | 株全体が花で覆われる |
真冬の咲き方が違う
差が出るのは寒さの底。ビオラは真冬でも花を上げ続ける品種が多いのに対し、大輪のパンジーは1月から2月に花が止まりやすく、咲いても花弁が寒さで傷みやすい。
これは花が大きいほど開くのに時間と養分を要するためで、品種の優劣ではない。真冬も花を絶やしたくない場所にはビオラを、春の見応えを取るならパンジーを置く。
| 時期 | パンジー | ビオラ |
|---|---|---|
| 11月から12月 | よく咲く | よく咲く |
| 1月から2月 | 花が止まりやすい | 咲き続けやすい |
| 3月から4月 | 一気に咲きそろう | 咲くが花は小さめ |
| 5月以降 | 早めに姿が乱れる | 遅くまで残りやすい |
株の広がりと手入れの手間
- 春先の株の大きさ
- 春の株の直径はパンジーが25センチから35センチ、ビオラは20センチから30センチほど。ビオラは枝数が多く、こんもりと丸くまとまりやすい。
- 花がら摘みの手間
- ビオラは花が小さいぶん数が多く、一輪ずつ摘むのは現実的でない。伸びた花茎ごとまとめて刈る扱いにし、パンジーは一輪ずつ根元から摘む。
- 雨での傷み方
- 大輪のパンジーは花弁が大きいぶん雨で潰れ、傷んだ花からかびが出やすい。雨が直接当たる花壇では、ビオラのほうが手間が減る。
- 肥料の効き方の違い
- ビオラは花が小さいぶん一輪あたりの消費は少ないが、花数が多いので結局はよく肥料を食う。どちらも肥料切れは花径の縮みで現れるため、見る指標は同じ。
置く場所で選び分ける
| 置く場所 | 向くほう | 理由 |
|---|---|---|
| 玄関先の鉢 | パンジー | 近くで一輪を見るため |
| 道路沿いの花壇 | ビオラ | 遠目でも花数がまとまる |
| 軒のないベランダ | ビオラ | 雨で花が傷みにくい |
| 寄せ植えの主役 | パンジー | 一株で面が埋まる |
同じ鉢に混ぜると、春にパンジー側が先に伸びて覆ってしまう。混植するならパンジーを低い位置か風下側に置く。
品種の系統を選ぶときの注意
- フリル咲きの弱点
- 花弁が波打つ品種は雨と霜に弱く、傷むと目立つ。軒下や玄関先など雨が直接当たらない場所向きで、吹きさらしの花壇では平咲きのほうが長持ちする。
- 黒や茶の花色
- 濃い色の品種は花がらの傷みが目立たず、放置してかびの元になりやすい。近くで見る場所に置き、明るい色と組ませると株の状態に気づきやすい。
- 香りのある系統
- 香りを持つ系統は株が小ぶりで、花数も控えめなことが多い。花壇を埋める役ではなく、通り道の鉢に一株入れる使い方が向く。
迷ったときの決め方
初めての一鉢ならビオラを選ぶと失敗が少ない。花がらを多少ためても株が崩れにくく、真冬に花が途切れないため、水や肥料に対する株の反応が見えやすいからだ。
- 半分ずつ植えてみる
- 同じ条件で並べて置くと、自分の場所でどちらが咲き続けるかが一年で分かる。日照や風の当たり方は庭ごとに違うので、他人の評価より自分の記録が確実。
- 翌年に活かす
- 春に姿が乱れた時期と、花が止まっていた期間を控えておく。翌年はよく咲いたほうの系統を増やし、苦手だったほうは置き場所を変えて試す。
- 予算で決める場合
- 一株あたりの価格はビオラのほうが安いことが多く、同じ予算なら株数を増やせる。面で埋めたい花壇はビオラ、鉢一つで見せたいならパンジーに寄せる。
買う時期と株数の決め方
どちらも10月から11月に苗が最も多く並ぶ。ビオラは品種数が多く、珍しい花色は10月のうちに売り切れることが多い。パンジーは大輪ほど遅くまで並ぶが、遅く買った苗は根が回っていることが多い。
- 必要な株数の目安
- 花壇なら一平方メートルあたりパンジーで16株から20株、ビオラで25株から30株。春に葉が触れ合う程度に収まる数で、これ以上詰めると内側が蒸れる。
- 花色はしぼる
- 初めての花壇は花色を絞ったほうが失敗しない。色を混ぜると生育の速い株だけが目立ち、切り戻しの時期も株ごとにずれて手入れが煩雑になる。
- 遅く買った苗の扱い
- 12月以降に買った苗は根が回り切っていることが多い。根鉢の底を軽くほぐして鉢に植え、軒下で根が動いてから花壇へ出す。
同じ棚に並んでいてもパンジーとビオラでは適した株間が違う。買う前にどちらを何株植えるか決めておくと余らせずに済む。
パンジーの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパンジーの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。