一年の流れ
関東平野部の露地では、5月下旬に定植し、7月から花が咲き、9月から11月に青パパイヤを収穫して、霜で枯れる前に片付けるのが標準の流れです。鉢植えで冬越しする場合は11月に室内へ取り込みます。暖地では4月から植えられ、寒冷地では6月定植で収穫は10月の一か月に絞られます。
| 月 | 株の姿 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 3月 | 室内で越冬中の株が動き始める | 越冬株は水を少し増やす |
| 4月 | 苗が店に並び始める | 苗を買い、室内で育てる。種まきは加温して |
| 5月 | 最低気温が15度を超える | 下旬に定植、仮支柱、黒マルチ |
| 6月 | 根付いて葉が増える | 追肥開始、本支柱 |
| 7月 | 開花が始まる | 二週間おきの追肥、朝の水やり |
| 8月 | 実が付き急に大きくなる | 朝夕の水やり、台風対策、実の摘果 |
| 9月 | 青パパイヤが採れ始める | 収穫、追肥を続ける |
| 10月 | 実の肥大が続く | 収穫の最盛期、下葉の整理 |
| 11月 | 気温が下がり生育停止 | 霜の前に全収穫。鉢は室内へ |
| 12〜2月 | 露地は枯れる。鉢は室内で休む | 露地は片付け。室内は水を控える |
春(四月〜五月)
苗の入手と、寒さに当てない育て方が春の仕事です。関東の5月上旬はまだ夜が10度近くまで下がる日があり、パパイヤはその温度で生育が止まります。日中は外、夜は室内という手間をかけた株ほど、定植後の伸びが早くなります。
- 苗は買ったらすぐ鉢増し
- ポット苗は一週間以内に5号鉢へ移し、根を回らせないようにします。夜は室内か不織布の下で管理します。
- 畑は二週間前に準備
- 堆肥と苦土石灰を入れて高畝を立て、黒マルチを張って地温を上げておきます。定植のときに畝の土が手で握って温かければ準備は十分です。
- 定植は最低気温で決める
- 天気予報の最低気温が一週間続けて15度を超えたら定植します。暦ではなく気温で判断します。
初夏(六月〜七月)
根付くと葉が毎週増え、6月末には高さ50センチを超えます。7月に入ると葉の付け根に花が付き始めます。ここからは肥料を切らさないことと、支柱で株を守ることが仕事です。梅雨の長雨で株元が湿り続けるときは、マルチの下に水がたまっていないかも確かめます。
- 定植三週間後に一回目の追肥
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は株元から離した円にひとつかみ。以後は三週間おき、開花後は二週間おきにします。
- 本支柱を立てる
- 高さ50センチを超えたら、1.5メートル以上の支柱を株から15センチ離して立て、八の字にゆるく結びます。夏の間に茎が太るので、ひもは月に一度緩めます。
- 最初の花を確かめる
- 7月に葉の付け根に付く花を見て、花の根元が膨らんでいれば雌花か両性花です。細い柄で房になる花だけなら雄株の疑いがあります。
盛夏(八月)
実が次々と付き、株はいちばん水を使います。鉢植えは朝夕二回の水やりが要ることもあります。実が付きすぎると小さいものばかりになるので、一節に二つ以上付いたら一つに摘果します。台風の時期でもあるので、支柱の結び直しと鉢の避難も準備しておきます。
| 場面 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 一節に実が二つ以上 | 小さいほうを摘む | 実が親指ほどのうちに |
| 朝からしおれている | 水不足 | 株元にたっぷり、夕方も確かめる |
| 台風の予報 | 下葉を数枚切り鉢は寝かせる | 前日までに |
| 下葉が黄色くなる | 自然な落葉 | 黄色くなった葉は付け根で切る |
秋(九月〜十一月)
青パパイヤの収穫期です。長さ15〜20センチになった実から順に採ります。10月に入ると気温の低下で肥大が遅くなるので、大きくならない小さな実は早めに採ってしまいます。11月に霜の予報が出たら、残った実をすべて採り、露地の株は片付けます。
- 大きくなった実から採る
- 長さ15センチを超え、表面につやが出た実をはさみで切り取ります。切り口から白い液が出るので手袋をします。
- 10月中旬以降は追肥を止める
- 気温が下がると根が養分を吸えなくなるので、最後の追肥は10月上旬までにします。それ以降に与えても実は大きくならず、肥料が土に残るだけです。
- 霜の前に全収穫
- 最低気温が5度を下回る予報が出たら、小さい実も含めて全部採ります。一度霜に当たると実も葉も傷みます。
冬(十二月〜二月)の鉢植え管理
冬越しするなら、11月中に鉢を室内の日当たりのよい窓辺へ移します。最低でも10度、できれば15度を保ちます。室内では葉を落として休むように過ごすので、水は土の中まで乾いてから少量にします。背が高い株は、取り込む前に高さ1メートルほどで切り戻すと扱いやすくなります。
| 状態 | 管理 | 注意 |
|---|---|---|
| 10度を下回る夜がある | 室内の窓辺へ、夜はカーテンの内側 | 窓際は冷えるので少し離す |
| 葉が黄色く落ちる | 自然な反応、水を控える | 枯れたと決めつけない |
| 茎の下が黒く柔らかい | 過湿で腐り始め | 水を止め、進むなら上の緑の部分で切る |
| 3月に新芽が出る | 水を少しずつ増やす | 外に出すのは5月中旬から |
年間のつまずきと立て直し
関東でうまくいかない年は、定植の遅れと台風被害がほとんどです。定植が6月半ばを過ぎると収穫は10月の一か月だけになり、台風で倒れれば実はそこで止まります。前年の記録を見て、翌年は苗の入手を早め、支柱を強くすることで直せます。
| 症状 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 実が付く前に秋になった | 定植が遅い・苗が小さい | 4月に苗を買い、5月下旬に大きな苗で植える |
| 花は咲くが実が付かない | 雄株か高温での花の落ち | 両性株の表示を確かめ、二本以上植える |
| 台風で折れた | 支柱が弱い | 2センチ以上の支柱を深く打ち、前日に葉を減らす |
| 冬越し中に枯れた | 低温か過湿 | 室内で15度を保ち、水を控える |
パパイヤの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
パパイヤの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパパイヤの育て方にまとめています。
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