育て方を先に決める
パパイヤは熱帯の植物で、関東の露地では冬を越せません。家庭で選べる道は二つで、春に植えて秋に青パパイヤを野菜として採る一年作型か、鉢植えで冬は室内に取り込んで完熟果を狙う多年作型です。どちらを狙うかで苗の選び方が変わります。
青パパイヤ狙いなら、実が付くまでの日数が短い矮性の野菜用品種が向きます。完熟果狙いは冬の室内管理が要り、高さも二メートルを超えるので、日当たりのよい大きな窓がある家でないと難しいです。
| 目的 | 向く品種のタイプ | 関東での見込み |
|---|---|---|
| 青パパイヤを野菜として | 矮性で早生の野菜用品種 | 5月植えで9〜11月に収穫できる |
| 完熟果を食べる | 果物用の両性株品種 | 一年目は難しく、鉢で冬越しして二年目以降 |
| 観賞用に大きな葉を楽しむ | どの品種でも可 | 夏によく育ち、冬に枯れる前提 |
種から育てると実が付くまでに時間がかかり、雌株か雄株かも分かりません。一年作型なら苗を買うほうが確実です。
苗の選び方
苗は4月下旬から6月に園芸店やホームセンターの野菜苗売り場に並びます。パパイヤには雌株、雄株、両性株があり、雄株には実が付きません。野菜用品種の多くは両性株か雌株として売られていますが、札に「両性」「結実する」と書かれているものを選ぶと安心です。
苗の高さは20〜30センチが扱いやすい大きさです。50センチを超える大苗は一見得に見えますが、ポットの中で根が回っていることが多く、植えてからの伸びが鈍ります。
- 札で株の性別を確かめる
- 「両性株」「一本で実が付く」と書かれた苗を選びます。表示がない場合は店の人に確かめ、分からなければ二〜三本植えて保険にします。
- 茎の太さを見る
- 同じ高さなら茎が太くて節の詰まった苗を選びます。ひょろりと高い苗は日照不足で育った徒長(茎だけが長く伸びること)苗で、植えても倒れやすく回復に時間がかかります。
- 葉の裏を確かめる
- 葉の裏にハダニやアブラムシが付いていないか見ます。葉に黄色い斑や縮れがあるものはウイルス病の恐れがあるので避けます。
種から育てる場合
食べたパパイヤの種でも発芽しますが、発芽適温は25から30度で、関東では加温しないと3月にはまきにくい植物です。4月に室内の暖かい場所でまき、6月に定植するなら、一年目の収穫はやや遅れます。実験として楽しむ分には手軽です。
- 種の周りのゼリーを落とす
- 種を包む透明な膜には発芽を抑える成分があります。水の中でもみ洗いして膜を落とし、一日乾かしてからまきます。
- 一ポットに三粒まく
- 3号ポットに種まき用土を入れ、深さ1センチに三粒まきます。発芽までは25度以上を保ち、二〜三週間で芽が出ます。
- 本葉が四枚で一本にする
- 本葉が四〜五枚になったら、いちばん太い一本を残してはさみで切り取ります。抜くと残す苗の根を傷めます。
スーパーの完熟果の種は品種が分からず、雄株が混じることもあります。実を確実に採るなら市販の苗か種袋の品種を使います。
定植までの育て方
買った苗も、5月の連休前後はまだ夜が寒く、そのまま露地に出すと生育が止まります。最低気温が15度を安定して超えるまで、鉢で育てながら少しずつ外気に慣らします。関東では5月中旬から下旬が定植の目安です。
| 時期 | 置き場所 | 管理 |
|---|---|---|
| 4月下旬〜5月上旬 | 日中は屋外の日なた、夜は室内か軒下 | 土が乾いたら午前中に水 |
| 5月中旬 | 一日中屋外、夜だけ不織布をかける | 5号鉢に鉢増しし液体肥料を薄めに |
| 5月下旬以降 | 定植 | 最低気温15度以上が続くのを確かめる |
鉢増しで根を止めない
パパイヤは根が回るとすぐに生育が止まり、小さいまま花が咲いて実も小さくなります。買ったポットのままで置くのは一週間までにして、定植が遅れるなら5号鉢へ移します。根鉢を崩さず、そっと移すのがこつです。
- 根の回り具合を見る
- ポットの底穴から白い根が出ていたら鉢増しの合図です。抜いて根が渦を巻いていたら、すでに遅れています。
- 崩さずに移す
- 根鉢を崩すと根が傷んで一週間は動きません。そのまま一回り大きな鉢の中央に置き、周りに土を足します。
- 移した直後は半日陰
- 移した日から三日ほどは直射日光を避け、葉がしおれないのを確かめてから日なたへ戻します。
育苗でよくある失敗と直し方
苗の時期の失敗は、寒さと過湿でほぼ説明できます。葉が黄色く下から落ちるなら水のやりすぎか低温、葉が小さいまま茎が伸びるなら日照不足です。原因を取り除けば新しい葉から立て直せます。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 下の葉が黄色くなって落ちる | 低温か水のやりすぎ | 夜は室内へ、水は土が乾いてから |
| 茎が細く伸びて倒れる | 日照不足 | 日なたに出し、支柱で支える |
| 葉が縮れて黄色い斑が出る | ウイルス病 | 回復しないので処分し別の苗にする |
| 苗を植えても大きくならない | 根が回っていた | 植え直しはせず、液体肥料で新根を待つ |
パパイヤの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパパイヤの育て方にまとめています。
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