パセリは二年草。一年目は葉、二年目は花
パセリは種をまいた年に葉を茂らせ、冬の低温に当たったあと、翌春に花茎を立てて枯れる二年草です。二年目のとう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)は異常ではなく寿命であり、肥料や水やりで止めることはできません。
花茎が立つと葉は急に硬くなり、香りも荒くなります。株の養分が花と種に回るためで、この段階で花を摘んでも、もとの軟らかい葉には戻りません。
| 時期 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 一年目の春から秋 | 葉が次々に出る | 外葉から収穫を続ける |
| 一年目の冬 | 生長がほぼ止まる | 防寒して株を保つ |
| 二年目の春 | 中心から花茎が立つ | 早めに使い切り世代交代 |
| 二年目の夏 | 種をつけて枯れる | 採種するか片づける |
一年目でも真夏の強い乾燥や根詰まりが続くと、花茎が早く立つことがあります。株元が窮屈でないか確かめてください。
とう立ちを遅らせるためにできること
止めることはできませんが、遅らせることはできます。花芽は一定期間の低温で決まるため、冬に株を凍らせない、大きくしすぎない、春先に肥料を切らさない、この三つで数週間は稼げます。
- 花茎は見つけ次第切る
- 中心から太く硬い茎が立ち上がったら根元で切ります。放置すると株の力が種に向かい、脇から出る葉まで硬くなります。
- 2月下旬から追肥
- 薄い液肥を10日おきに与えると葉の展開が続き、花茎の立ち上がりが鈍ります。越冬で痩せた株ほど効きます。
- 秋まきの時期をずらす
- 9月に入ってからまいた株は冬までに大きくならず、低温に感応しにくくなります。結果として翌春のとう立ちが遅れます。
とう立ちした株を無理に残すより、春と秋に少しずつまいて世代を重ねるほうが、結局は長く収穫できます。
夏の直射と高温をどう避けるか
パセリが最も弱るのは真夏です。生育に適した気温はおおよそ15〜20℃で、25℃を超えると葉の伸びが鈍り、30℃を超える日が続くと下葉から黄色くなって株が痩せます。夏は収穫より生存を優先します。
夏に消える株の多くは、暑さそのものではなく蒸れで倒れています。株元が枯葉でふさがっていると、雨のあと乾かずに軟腐が入ります。7月に入る前に下葉を外し、地際が見える状態にしておいてください。
- 午後の日ざしを切る
- 西日が当たる場所では寒冷紗を張るか、鉢なら建物の東側へ動かします。日照が半分になっても株は十分保ちます。
- 夏は摘む量を減らす
- 暑い時期に強く摘むと株が立ち直れません。1株から週に2〜3枚までにとどめ、葉の枚数を減らさないようにします。
- 株元を覆って地温を下げる
- わらやバークで株元を覆うと地温の上がり方が緩みます。ただし株元に密着させると蒸れるので、少し離して敷きます。
夏に葉が硬くなるのは水切れの合図でもあります。朝の水やりを増やすと、次に出る葉から軟らかさが戻ります。
冬は枯れない。ただし葉は止まる
パセリは氷点下でも根が生きており、中間地の平地なら防寒なしで越冬します。ただし0℃前後では新しい葉がほとんど出ないため、冬のあいだは摘む量を大きく減らす必要があります。
- 冬に肥料を止める
- 気温が10℃を下回ると根が肥料をほとんど吸いません。この時期の追肥(育てている途中で足す肥料)は土に残って根を傷めるだけなので、2月下旬まで止めます。
| 地域 | 冬の扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 不織布をかけるか室内へ | 地上部が枯れても根は残る |
| 中間地 | そのまま屋外で越冬 | 霜の降りた朝は摘まない |
| 暖地 | そのまま屋外で越冬 | 乾いた北風で水切れしやすい |
凍った葉に朝から触れると細胞が壊れて黒く傷みます。収穫は霜が解けた昼前まで待ってください。
とう立ちしたあとの使い道
花茎が立った株はもう葉の収穫には向きませんが、すぐ抜く必要もありません。花には天敵の虫が集まり、種を採れば次の世代のまき直しに使えます。
- 硬い葉の使い方
- 生では筋が気になりますが、煮込みやだしの香りづけには十分使えます。茎ごと束ねて鍋に沈め、仕上げに引き上げます。
- 採種するとき
- 花が終わって花序が茶色く乾いたら切り取り、紙袋の中で追熟させます。振ると種が落ちるので、乾燥剤と一緒に保存します。
- 片づける時期
- 種を採らないなら花が咲いた時点で抜きます。放置すると種がこぼれ、翌年あちこちから芽が出て畑が乱れます。
採種した種は翌春にまけます。ただし発芽力は年々落ちるので、2年以上前の自家採種の種は多めにまきます。
株を切らさないためのまき直し計画
一株を長く保たせるより、半年ずらして二世代を回すほうが安定します。春まき株が夏に弱っても秋まき株が控えていれば、収穫の空白を作らずに済みます。
まき直しの手間を惜しむと、二年目の硬い葉で我慢する期間が生まれます。パセリは種から収穫まで3〜4か月かかるため、前の株がとう立ちしてから動き出しても間に合いません。
| まいた時期 | 収穫の中心 | 終わる時期 |
|---|---|---|
| 3月から4月 | 6月から11月 | 翌春のとう立ちまで |
| 8月下旬から9月 | 11月から翌年6月 | 翌年の初夏 |
二世代を回すには容器が二つ要ります。ベランダなら小さめの鉢を二つ用意し、時期をずらして種をまきます。
葉が硬いときの原因を切り分ける
葉が硬くなる理由はとう立ちだけではありません。高温、根詰まり、肥料のやりすぎでも同じように見えるので、株の中心から出ている葉の大きさを見て切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が硬く筋張る | とう立ちが始まっている | 中心の花茎を切り、外葉から使い切る |
| 葉が黄色く小さい | 夏の高温と直射で弱った | 半日陰に移し、傷んだ葉を落として待つ |
| 新しい葉が出てこない | 根が回って根詰まりしている | 深い容器に植え替え、根鉢の底をほぐす |
| 香りが薄く軟らかい | 肥料が多く軟らかく育った | 肥料を止め、日に当てて締めて育てる |
とう立ちだけは戻せません。中心から花茎が立ち上がっていたら、立て直しではなく次の世代をまく判断に切り替えます。
パセリの育てている間に使うもの
ハーブは肥料を与えすぎると、葉は茂っても香りが薄くなります。他の植物より控えめが基本です。
- ハーブ用の培養土探す言葉「ハーブ 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。「ハーブ・野菜用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L。
地中海原産のものが多く、乾き気味を好みます。水もちのよい土だと根が傷みます。
- 液体肥料(薄めて使う)探す言葉「液体肥料 ハーブ」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液を、さらに薄めて使います。
与えすぎると香りが薄くなります。月 1 回、規定の半分の濃さから試すのが安全です。
- 摘芯用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 摘芯 細かい」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
先端を摘むと、その下の節から枝が 2 本出ます。これを繰り返すと収穫量が増えます。
- 肥料は控えめでよいので、種類を買いそろえる必要はありません。
- 花が咲く前に摘めば、香りの落ちる時期を遅らせられます。道具は要りません。
パセリの収穫までのコツは作物ページに
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