まず自分の株がどの世代かを確かめる
同じ月でも、春にまいた株か秋にまいた株かでやることが変わります。今月の作業を調べる前に、その株がいつ芽を出したものかを確かめてください。ここを取り違えると、とう立ち(花茎が伸びて葉や根が硬くなること)の時期を読み違えます。
作業の判断は暦より株の姿を優先します。同じ4月でも、本葉が15枚ある株は収穫期、5枚しかない株は生長を待つ時期で、やることは正反対になります。表は自分の株の状態と突き合わせて読んでください。
| まいた時期 | 一年目の山場 | 二年目に起きること |
|---|---|---|
| 3月から4月 | 夏の高温をしのぐこと | 翌春に花茎が立つ |
| 8月下旬から9月 | 冬に生長が止まること | 翌年の初夏に花茎が立つ |
株の年齢が分からないときは中心を見ます。太い茎の気配があれば二年目、葉だけが渦を巻いていれば一年目です。
春(3月から5月)
春はパセリが最もよく伸びる季節です。二年目の株は同時にとう立ちも始まるため、花茎を切りながら使い切り、並行して新しい世代の種をまいて交代を準備します。
- 3月の追肥
- 越冬で株が痩せています。薄い液肥を10日おきに与えると葉の展開が戻り、とう立ちも少し遅れます。
- 5月の見回り
- キアゲハの産卵が始まります。週に一度、葉の裏をめくって黄色い卵がないか確かめます。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 3月 | 越冬株が動き出す | 追肥と枯葉の除去、春まきの開始 |
| 4月 | 新しい葉が次々に出る | 収穫を再開、アブラムシの見回り |
| 5月 | 生育の最盛期 | 週1回の収穫、キアゲハの卵探し |
3月にまいた種が出そろうのは4月です。発芽まで2週間かかるので、4月に芽が見えなくても失敗と判断せず、表面を乾かさずに待ってください。
夏(6月から8月)
夏は収穫より生存を優先する季節です。25℃を超えると葉の伸びが鈍り、30℃の日が続くと下葉から枯れ上がるため、摘む量を半分に減らして葉の面積を保ちます。
- 7月の遮光
- 西日を切るだけで株の傷み方が変わります。寒冷紗を張るか、鉢なら建物の東側へ動かします。
- 8月下旬のまき直し
- 夏で株が痩せたら更新の合図です。下旬にまけば、11月から翌春まで採れる株ができます。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 6月 | 葉が大きく茂る | 下葉を摘み風を通す、泥はねを防ぐ |
| 7月 | 伸びが鈍り葉が硬い | 半日陰へ移し収穫量を減らす |
| 8月 | 一年で最も弱る | 水切れに厳重注意、下旬に秋まき |
秋(9月から11月)
秋は一年で最も品質が上がる時期です。昼夜の温度差で葉が厚くなり香りが乗ります。ただし夜温が下がるほど再生が遅くなるので、11月に入ったら摘む間隔を広げていきます。
- 10月の株間整理
- 秋は葉が急に大きくなり、隣の株と重なります。重なった外葉を摘んで地際に光を入れると、下葉の黄変が止まります。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 9月 | 暑さがやみ再び伸びる | 秋まきの適期、追肥を再開 |
| 10月 | 葉が厚く色が濃くなる | 収穫の最盛期、株間の整理 |
| 11月 | 伸びが緩やかになる | 摘む間隔を空け、防寒の準備 |
秋まきは9月中に済ませます。10月にまいた株は本葉が数枚のまま冬に入り、寒さで消えることが多くなります。
冬(12月から2月)
冬に枯れることは少なく、生長が止まっているだけです。この時期に摘みすぎると春の立ち上がりが遅れるため、必要なぶんだけを昼前に摘みます。凍った葉に触るのは避けてください。
- 霜よけの作り方
- 不織布を株の上にふわりとかけ、端を土か石で押さえます。葉に密着させると蒸れて傷みます。
- 冬の水やり
- 土の表面が乾いてから、晴れた日の午前に与えます。夕方の水やりは夜に凍って根を痛めます。
- 1月の収穫の考え方
- 新しい葉はほとんど出ません。摘むのは月に1〜2枚までにとどめ、足りないぶんは冷凍しておいたものでしのぎます。
| 月 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 12月 | 生長がほぼ止まる | 霜よけをかけ、収穫は月に数枚 |
| 1月 | 葉が寝て色が濃くなる | 水やりは晴れた日の午前だけ |
| 2月 | 下旬から動き始める | 枯葉を除き、追肥を始める |
二年目の春にやること
越冬した株は3月から急に伸び、4月から5月に花茎が立ちます。ここからは収穫の暦ではなく、片づけと世代交代の暦に切り替えます。花が咲いてから慌てないよう、3月のうちに次をまいておきます。
- 花茎を切る
- 中心から太く硬い茎が立ったら根元で切ります。その後も数週間は葉を採れますが、硬さはもう戻りません。
- 次の世代をまく
- 3月下旬から4月に春まきします。発芽まで2週間かかるので、古い株を抜く前にまき始めます。
- 片づけの判断
- 種を採らないなら花が咲いた時点で抜きます。こぼれ種が翌年あちこちで発芽し、畑が乱れます。
- 二年目の株を見切る
- 春に中心から太い茎が立ったら、そこから先は葉が硬くなる一方です。花を咲かせて種を採るか、抜いて新しい株にまき替えるかを、その時点で決めます。
同じ場所に続けて植えないでください。セリ科の連作は病気が出やすく、鉢なら土を新しいものに入れ替えます。
季節の作業を外したときの立て直し
月の作業を外しても、パセリは二年生きるので取り返しがききます。ただし世代交代の時期だけは遅れを取り戻せないので、まき直しの判断は先送りにしないでください。
| 外したこと | 株に出ること | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 夏に日よけをしなかった | 葉が黄ばみ株が小さくなる | 傷んだ外葉を落とし、半日陰で待つ |
| 収穫を続けて葉を減らした | 中心から出る葉が細くなる | 一か月摘まず、十枚以上残して戻す |
| 二年目に花茎が伸びた | 葉が硬くなり収穫が終わる | 花茎を切り、次のまき直しに移る |
| 秋まきを逃した | 冬から春の収穫がなくなる | 三月にまき直し、初夏から採り始める |
春の追肥(生育の途中で足す肥料)を忘れたときは、量を増やさず回数で補います。一度に濃く与えると根が傷みます。
パセリの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
パセリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパセリの育て方にまとめています。
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