警戒する対象は季節ごとに入れ替わる
セリ科の強い香りは多くの虫を遠ざけますが、逆にセリ科だけを食べる虫を強く引き寄せます。パセリで問題になるのはこの偏りで、種類は少ないかわりに、一度つくと一気に食われます。
| 時期 | 主な警戒対象 | 出やすい条件 |
|---|---|---|
| 4月から6月 | アブラムシ | 窒素過多で風が通らない場所 |
| 5月から9月 | キアゲハの幼虫 | 近くにセリ科の草がある |
| 6月から9月 | ハダニ | 乾いた高温と雨の当たらない軒下 |
| 9月から11月 | うどんこ病と葉の黄変 | 昼夜の温度差と株の込み合い |
見回りは週に一度で足ります。ただし必ず葉の裏をめくってください。表だけ見ていると卵もハダニも見つかりません。
キアゲハの幼虫は数日で丸坊主にする
最も被害が大きいのはキアゲハの幼虫です。成虫は4月から10月ごろに現れ、年に2回から4回発生します。セリ科だけを食草にするため、パセリ、ニンジン、ミツバは必ず狙われます。
若い幼虫は黒っぽく、鳥の糞に似た姿で目立ちません。気づくのはたいてい大きくなってからで、黄緑と黒のしま模様に橙色の点が並ぶ終齢幼虫は、一匹で一株を数日のうちに裸にします。
- 卵のうちに見つける
- 葉の裏や葉柄に、直径1ミリほどの黄色い球が点々とついていたら卵です。この時期に指でこすり取るのが最も手間が少なく済みます。
- 小さいうちに取り除く
- 黒く小さい幼虫を見つけたら葉ごと切り取ります。大きくなるほど食べる量が急に増え、終齢の数日で葉がなくなります。
- 網をかけて産卵を防ぐ
- 株全体を目の細かい防虫網で覆えば産卵そのものを防げます。産卵の多い5月と8月だけかけるのでも効果があります。
幼虫を残して蝶になるところを見たいなら、観察用の株を別に用意します。収穫用と同じ株で両立させると必ず葉が足りなくなります。
葉が黄色くなる原因は四つに絞れる
黄変は病気とは限りません。原因は下葉の寿命、水のやりすぎによる根の傷み、肥料切れ、そして高温か低温のストレスのどれかで、どの葉が黄色いかを見れば区別がつきます。
| 黄色くなった場所 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 外側の古い葉だけ | 寿命による自然な老化 | 摘み取って風を通す |
| 株全体が薄い黄緑 | 肥料切れ | 薄い液肥を10日おきに |
| 下葉から萎れて黄色 | 過湿による根の傷み | 水を止めて土を乾かす |
| 葉先から茶色く枯れる | 乾燥または根詰まり | 水を増やし鉢を大きく |
一日で判断しないでください。管理を変えた効果が新しい葉に出るまで10日はかかり、その間も黄色い葉は増えます。
予防は風通しと株の密度で決まる
病害虫の多くは、株が込み合って風が通らない場所から始まります。株間を確保し、下葉を摘んで株元を空け、濡れた葉が早く乾く状態を保つことが、薬に頼らない最大の予防になります。
雨のあとに広がる病気は、泥はねで菌が下葉についたところから始まります。株元をわらやバークで覆っておくと跳ね返りが減り、梅雨時の斑点の出方が目に見えて変わります。
- 株間を詰めない
- 1株あたり直径15センチ以上の空間を確保します。葉が隣と重なり始めたら外葉を摘んで重なりを解きます。
- 株元を見えるようにする
- 地際に枯葉や黄色い下葉をためないでください。ここが湿ったままだと軟腐病やナメクジの住み家になります。
- 水は株元の土へ
- 上から葉全体にかけると濡れている時間が長くなり、うどんこ病や斑点性の病気が広がります。株元へ静かに注ぎます。
同じ場所でセリ科を続けて作らないでください。連作すると土に病原菌が残り、立枯れが出やすくなります。
ハダニとアブラムシは水と観察で減らせる
ハダニは乾いた高温で急に増え、葉の裏に白い点々と細かい糸が出ます。水に弱いので、夏のあいだ葉の裏へ霧吹きする習慣をつけるだけで、発生をかなり抑えられます。
- 葉の裏に水をかける
- 週に2回ほど、裏側を狙って霧吹きします。表にかけても効果は薄く、ハダニは裏側にしかいません。
- アブラムシは初期に落とす
- 新芽に緑や黒の小さい虫が並んでいたら、粘着テープや水流で落とします。増えてからでは葉の縮れが残ります。
- 肥料の量を見直す
- 窒素が多いと葉が軟らかくなり、アブラムシもハダニも増えます。葉色が濃すぎるときは追肥(育てている途中で足す肥料)を一度止めます。
そのまま食べる作物なので、収穫直前の散布は避けます。網と手取りと水で押さえるのが家庭の株では確実です。
気づくのが遅れたときの戻し方
株の中心にある生長点さえ無事なら、パセリは葉をすべて失っても3週間ほどで再生します。あきらめて抜く前に、株元をのぞいて小さな新芽が残っているかを必ず確かめてください。
| 状況 | 残っている部分 | 立て直しの手順 |
|---|---|---|
| 幼虫に食われ丸坊主 | 葉柄と株元だけ | 幼虫を除き薄い液肥で待つ |
| ハダニで葉が白い | 葉の半分以上 | 傷んだ葉を摘み葉水を続ける |
| 根が傷んで萎れた | 中心の葉だけ緑 | 水を止め日陰で土を乾かす |
再生を待つあいだは収穫しません。ここで一枚でも摘むと、回復に必要な葉が足りなくなって株ごと消えます。
パセリの収穫までのコツは作物ページに
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