症状から原因を絞る
葉の異変は虫と生理障害が混ざって見分けにくいものですが、どこにどう出るかで絞れます。新芽なら虫、下葉なら根や水、株全体なら根の中の虫や病気を疑います。まず葉の裏と株元を見て判断してから手を打ちます。
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 新芽が縮れて丸まる | アブラムシ | 新芽の裏に緑や黒の小さな虫が群れている |
| 葉が白くかすれ裏に細かい点 | ハダニ | 白い紙に葉を叩き、動く点があるか見る |
| 水を与えても株全体がしおれる | コガネムシの幼虫が根を食べた | 鉢を抜くと根がなく白い幼虫がいる |
| 葉にモザイク状の濃淡 | ウイルス病 | 新しい葉ほど症状が強く、葉が小さく変形する |
| 実の表面に灰色のかび | 灰色かび病 | 梅雨時に落ちた花がらに発生する |
アブラムシは新芽に群れる
五月から六月の伸び盛りの新芽に、緑色や黒色のアブラムシがつきます。汁を吸って新芽を縮れさせるだけでなく、ウイルス病を運ぶのが厄介です。見つけたらその日のうちに落とします。数が少ないうちは水で流すだけで済みます。
- 水で洗い流す
- ホースの水を新芽の裏に当てて流します。三日続けると卵からかえった分も落とせます。
- 指でつぶす
- 群れが小さければ手袋をして指でつぶします。新芽を傷めないよう軽くなでる程度で十分です。
- 薬剤を使うとき
- 増えて手に負えないときは、果樹に使える殺虫剤を新芽の裏まで丁寧にかけます。収穫前の日数の表示を守ります。
- アリを見たら疑う
- つるをアリが行き来していれば、アブラムシがいます。アリはアブラムシの出す甘い液を集めるので、先にアリの通り道を見ます。
ハダニは乾燥で増える
梅雨明け後の乾いた時期と、冬の暖房の効いた室内で増えます。葉の裏で汁を吸い、葉が白っぽくかすれて光合成が落ち、実が太らなくなります。水に弱いので、葉裏への水かけを習慣にすれば大発生は防げます。
- 葉裏に水をかける
- 夕方の水やりのときに葉の裏にも水をかけます。ハダニは流されて減り、乾燥も防げます。
- 広がった葉は取る
- 白くかすれて糸が張った葉は付け根から取って袋に入れて捨てます。その葉にいる分を一度に減らせます。株全体の三分の一までなら取っても新しい葉が出ます。
- 殺ダニ剤は交互に
- 洗っても減らないときは、園芸用の殺ダニ剤を二種類用意して交互に使います。同じ薬を続けると効かなくなります。
室内に取り込む前に葉裏を洗っておくと、冬のハダニがほとんど出ません。取り込み前日の風呂場でのシャワーが一番の予防です。
コガネムシの幼虫は鉢の中で根を食べる
夏に鉢の土にコガネムシが卵を産むと、秋に幼虫が根を食べ尽くします。水を与えてもしおれる、株を引くとぐらつく、といった姿が出たら鉢の中を疑います。鉢から抜くと根がほとんどなく、白いCの字に丸まった幼虫が出てきます。
- 鉢を抜いて確かめる
- 株がぐらついたら鉢から抜き、土の中の幼虫を全部取り除きます。一鉢に十匹以上いることもあります。
- 根を洗って植え直す
- 残った根を軽く洗い、新しい土で小さめの鉢に植え直します。つるも半分ほど切り詰めて根との釣り合いを取ります。
- 産卵を防ぐ
- 六月から八月は鉢土の表面を不織布やマルチで覆い、成虫が土に潜れないようにします。株元だけ開けておきます。
九月から十月に水やりのあと土がなかなか引かない、または土の表面に小さな穴が開くようなら幼虫がいる合図です。鉢を抜いて確かめるのが一番早い判断です。
ウイルス病は治らないので見分けて抜く
葉にモザイク状の濃淡が出て、新葉が小さく縮れるのはウイルス病です。治す方法はなく、アブラムシを通じて他の株に広がるので、確かめたら株ごと処分します。挿し木で増やした株も同じウイルスを持つので、親株が病気なら子株も使えません。
| 見た目 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 新葉ほど濃淡がはっきりし、葉が変形 | ウイルス病 | 株ごと処分し、土も再利用しない |
| 古い葉だけ黄色く、新葉は正常 | 肥料切れか自然な落葉 | 追肥をして様子を見る |
| 葉脈の間だけ黄色い | 鉄やマグネシウムの不足 | 微量要素入りの液肥を与える |
| 一部の葉だけ斑点で広がらない | 薬害か日焼け | そのまま。新しい葉が正常なら問題ない |
ウイルス病の株を触った手やはさみで健全な株に触れると感染します。処分するときは最後に触り、はさみは洗います。
手当てしても戻らないときの切り分け
手を打っても回復しないときは、株が生きているかを判断します。つるが緑で節を押すと固ければ生きています。株元が黒く柔らかければ諦めて、九月に取った挿し木苗に切り替えるほうが翌年につながります。
| 状態 | 見分け方 | 判断 |
|---|---|---|
| 葉が全部落ちたがつるは緑 | つるを爪で少し削ると緑 | 生きている。水を控えて春を待つ |
| つるが茶色く乾く | 削っても茶色 | その部分は枯れ。緑の部分まで切り戻す |
| 株元が黒く柔らかい | 押すと水が出る | 回復は難しい。挿し木苗に切り替える |
| 根がなく幼虫がいた | 白い根が一本もない | つるを短く切って植え直せば戻ることがある |
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