品種は実の色と受粉のしやすさで選ぶ
パッションフルーツには紫色の実がなる紫系と、黄色い実がなる黄色系、その交配種があります。関東で育てるなら、寒さにやや強く自分の花粉で実がつく紫系が扱いやすい品種です。黄色系は暑さに強い反面、自分の花粉では実がつきにくく、二品種以上を並べて育てる必要があります。
苗は四月から六月にかけて園芸店に並びます。ラベルに品種名と「自家結実性」の有無が書かれていれば、それを一番の判断材料にしてください。
| 系統 | 実の色と味 | 関東での育てやすさ |
|---|---|---|
| 紫系(一般的な品種) | 紫の皮、酸味と香りが強い | 自家結実。氷点近くまで耐え、鉢で冬越し可 |
| 黄色系 | 黄色の皮、実が大きく酸味が強い | 自家不結実が多い。寒さに弱く関東では難しい |
| 交配種(紫と黄の掛け合わせ) | 赤紫の皮、甘みが強い | 品種により自家結実。育てやすいものが多い |
| クダモノトケイソウ以外の観賞用トケイソウ | 実は食用にしない | 花を楽しむ。実の収穫は期待しない |
「トケイソウ」と書かれた苗は観賞用のこともあります。食用にするなら「パッションフルーツ」または「クダモノトケイソウ」の表記を確かめてください。
よい苗の見分け方
苗は三号から四号のポットで、つるが三十センチから五十センチ伸びた状態で売られています。つるの節間が詰まって太く、葉が濃い緑で厚いものが良い苗です。節間が長く葉が薄い苗は日照不足で徒長(弱い光で間延びすること)しており、植えても花芽がつきにくくなります。
- つるの太さを見る
- つるの根元が鉛筆より太く、節と節の間が五センチ以内に詰まっている苗を選びます。細く長く伸びた苗は避けます。
- 葉の裏を確かめる
- 葉の裏に細かい白い点や糸があればハダニがついています。店頭で虫のいる苗を買うと、家の他の植物にも広がります。
- 根鉢の色を見る
- ポットの底から白い根が出ていれば根が元気です。茶色く黒ずんだ根しか見えない苗は根腐れの疑いがあります。
- 挿し木苗と実生苗を確かめる
- 挿し木苗は親と同じ品種で植えた年に実がつきます。種から育てた実生苗は性質がばらつき、結実まで二年以上かかります。
植え付けは五月、鉢は十号以上
植え付けの適期は最低気温が十度を超える五月上旬から六月です。四月に植えると寒さで動かず、遅れて七月に植えると開花まで間に合いません。関東では鉢植えが基本で、地植えは冬に枯れる前提の一年草扱いになります。
根は細く浅く広がるので、鉢は深さより口の広さを優先します。十号鉢で一株、余裕があれば十二号から十五号にすると夏の水切れが減り、実も大きくなります。
- 土を用意する
- 赤玉土六、腐葉土三、堆肥一に緩効性肥料を混ぜます。市販の果樹用培養土でも構いません。水はけが悪いと根が腐るので、鉢底石を必ず敷きます。
- 根鉢を崩さず植える
- ポットから抜いた根鉢は崩さず、元の土の面が鉢の縁から三センチ下に来るように植えます。深植えすると株元が腐ります。
- 支柱を先に立てる
- 植えたらすぐに一メートル以上の支柱かあんどん仕立ての輪支柱を立て、つるを軽く結びます。あとから立てると根を傷めます。
- たっぷり水を与える
- 鉢底から流れるまで水を与え、一週間は明るい日陰に置きます。新しい葉が動き始めたら日なたに移します。
地植えにするときの条件
地植えはつるが四メートル以上伸びて実の数も多くなりますが、関東平野部では冬に地上部が枯れ、株元も凍って翌年に戻らないことがほとんどです。フェンスや緑のカーテンとして一年草扱いにするか、冬に掘り上げて鉢に戻す前提で植えます。
| 地域 | 地植えの扱い | 冬の対策 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 一年草として扱う | 秋に挿し木で苗を作り室内で越冬させる |
| 関東平野部 | 一年草扱いか掘り上げ | 十一月に株元を切り戻し掘り上げて鉢へ |
| 暖地・沿岸部 | 越冬できる年が多い | 株元を厚く覆い、地上部は不織布で包む |
| 沖縄・小笠原 | 多年草として育つ | 特別な防寒は不要。剪定で更新する |
地植えで越冬に失敗しても、秋に挿し木を取っておけば翌年の苗になります。買い直すより早く実がつきます。
植えたあとに動かないときの原因と手当て
植え付け後二週間たってもつるが伸びないときは、気温か根の問題です。パッションフルーツは二十度を超えると一日に十センチ近く伸びるので、動かないときは何かが止めています。葉の様子から原因を判断して、一つずつ直します。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| つるが伸びず葉の色は良い | 気温が足りない | そのまま待つ。夜間十度を切るなら室内へ |
| 葉が黄色くなり落ちる | 水のやりすぎか根傷み | 水を控え、日なたで土を乾かす |
| 葉が縮れて丸まる | アブラムシか低温 | 新芽の裏を見て虫がいれば洗い流す |
| つるの先が黒く枯れる | 植え付け時の根の傷か強風 | 先端を切り戻し、風の弱い場所に移す |
パッションフルーツの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
パッションフルーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパッションフルーツの育て方にまとめています。
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