仕立て方は置き場所で決める
パッションフルーツの花は、主枝から出た側枝(脇のつる)の節につきます。主枝を伸ばして誘引し、そこから出る側枝を横に広げるのが基本です。鉢ならあんどん仕立て、フェンスや壁があれば横に広げる垣根仕立て、ベランダなら緑のカーテンにします。
| 場面 | 仕立て方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鉢植え・ベランダ | あんどん仕立て(輪支柱に巻く) | 省スペース。つるを二本から三本に絞る |
| フェンス・壁 | 垣根仕立て(横に広げる) | 花が多くつき、収穫量が多い |
| 窓の外 | 緑のカーテン(ネットに這わせる) | 日よけ兼用。下のほうに実がつく |
| 庭の一角 | 棚仕立て | つるを上に上げて下から実を採る。地植え向き |
どの仕立てでも、つるが混み合って葉が重なると花がつきません。葉一枚一枚に日が当たる広がりを目標にします。
主枝を決めて摘心する
植え付け後、つるが支柱の高さまで伸びたら先端を摘心(つるの先を切って脇のつるを出させること)します。すると節から側枝が出るので、勢いのよい三本から四本を主枝として残し、それぞれを支柱に誘引します。主枝が横に伸びると、その節から出る短い側枝に花がつきます。
- 支柱の高さで摘心
- つるがあんどんの一番上の輪、またはフェンスの上端に届いたら先端を指で摘みます。摘まないと一本のつるだけが上へ伸び、花がつきません。
- 側枝を選ぶ
- 摘心後に出る側枝のうち、太くて向きのよい三本から四本を残し、あとは付け根から取ります。多く残すと葉が重なり花が減ります。
- 横に誘引する
- 残した側枝を横向きか斜め下向きに支柱やネットに結びます。横に伸びたつるは節ごとに花芽を持ちます。上向きのままだと葉ばかり茂ります。
- 結び方はゆるく
- 麻ひもで八の字にゆるく結びます。つるは太るので、きつく結ぶとくびれて折れます。二週間ごとに結び直します。
摘心の目安は支柱の高さに届いたときですが、六月中旬を過ぎても届かないなら、高さを待たずに摘心して側枝を出させます。開花が七月にずれると真夏の高温で花が落ちるので、時期を優先します。
あんどん仕立ての巻き方
鉢植えで一番使うのがあんどん仕立てです。輪が三段ついた支柱に、つるを一番下の輪かららせん状に巻き上げていきます。上に上がると花が減るので、巻きながら横方向の長さを稼ぐのがこつです。一周ごとに節が二つから三つ入るくらいの間隔で巻きます。
- 下の輪から巻き始める
- つるが三十センチを超えたら一番下の輪に軽く結び、時計回りでも反時計回りでもよいので一方向に巻きます。
- 一段に一周半
- 一段の輪ごとに一周から一周半巻いてから次の段に上げます。急いで上に上げると、輪の間で葉が重なります。
- 上まで行ったら折り返す
- 一番上の輪まで巻いたら先端を摘心し、出てくる側枝を下向きに垂らして誘引します。垂れた側枝によく花がつきます。
つるの巻きひげが支柱や隣の葉に絡んで動かなくなることがあります。誘引の前にひげをほどいてからつるを動かします。
夏の間の整枝(枝の整理)
生育が盛んな七月から八月は、放っておくとつるが混み合います。二週間に一回、つるの伸び先を見て、主枝からさらに出る孫づるや、花のつかない細いつるを取ります。花が咲いた側枝は実がついているので切らず、実を採り終えてから元の二節を残して切り戻します。
- 孫づるを止める
- 側枝からさらに出る細いつるは、花がつく見込みが薄いので二節残して先を摘みます。養分を花と実に回します。
- 内側に伸びるつるを取る
- あんどんの内側や壁側に伸びて日が当たらないつるは付け根から取ります。日陰の葉は蒸れて病気の元になります。
- 実がついた側枝は残す
- 実がぶら下がる側枝は先端だけ摘み、収穫までそのまま伸ばします。実の重みで折れそうなら支柱に添えます。
- 採り終えた側枝は切り戻す
- 実を採り終えた側枝は付け根から二節残して切ります。残した節から新しい側枝が出て、九月の二番花はその枝に咲きます。古い側枝を残すと花が来ません。
つるばかり伸びて花がつかないときの直し方
パッションフルーツで一番多い相談が「葉は茂るのに花が来ない」です。原因はつるの伸ばしすぎ、肥料の窒素過多、日照不足の三つがほとんどで、姿を見れば見分けられます。表の順に確かめて直します。
| 姿 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| つるが上へ一本だけ伸びる | 摘心していない | 先端を摘み、側枝を横に誘引する |
| 葉が大きく濃い緑でつるが太い | 窒素肥料の与えすぎ | 肥料を一か月止め、リン酸の多い液肥に替える |
| 節間が長く葉が薄い | 日照不足 | 一日六時間以上日の当たる場所へ移す |
| つぼみがついても落ちる | 水切れか高温 | 朝夕の水やりと、真夏は西日を遮る |
花芽は横に伸びた側枝の節につきます。上向きのつるを横に倒すだけで、二週間後に花芽が動き出すことがよくあります。
パッションフルーツの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
パッションフルーツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はパッションフルーツの育て方にまとめています。
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