樹齢で水やりを変える
植えて二年ほどは根が浅く、夏の乾燥で葉が縁から焼けます。この時期は土の表面が乾いたら朝にたっぷり与えます。三年目以降は直根が深く伸び、露地なら雨だけでほとんど足ります。鉢植えは一生を通じて水やりが必要です。
ポポーの葉は大きく蒸散が多いので、夏の水切れは他の果樹より早く症状が出ます。昼に葉がしおれても夕方に戻れば問題ありませんが、朝になってもしおれたままなら根が水を吸えていません。その日のうちに株元へたっぷり与えます。
| 場面 | 水やりの目安 | 見て決める合図 |
|---|---|---|
| 若木の夏 | 二日に一回、朝 | 葉が昼にしおれて夕方戻らなくなったら足りない |
| 成木の露地 | 十日以上雨がなければ | 葉先が茶色く縁取られたら乾き過ぎ |
| 鉢植えの夏 | 毎日、朝 | 鉢を持ち上げて軽ければ与える |
| 冬 | 露地は不要 | 鉢は月に二回、土が乾ききる前に |
肥料は少なめで根を伸ばす
ポポーは肥料を多く与えると枝ばかり伸びて実がつきません。若木は年に二回、成木は年に一回で十分です。窒素の多い肥料を避け、リン酸とカリが多めの果樹用肥料を選びます。
与える場所は幹のすぐそばではなく、枝先の真下です。細い根はそのあたりまで広がっていて、幹の際に置いても吸えません。鉢植えは表面に置く緩効性肥料を春に一回、量は袋に書かれた鉢の大きさ別の目安の半分にします。
- 二月に寒肥を入れる
- 枝先の真下の地面に溝を掘り、油かすと骨粉を混ぜたものを一株あたり二握り入れて土を戻します。これが一年の基本の肥料で、ゆっくり効いて春の芽出しを支えます。
- 六月に追肥を少しだけ
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は実が育つ時期に緩効性の粒状肥料を一握り、株元から五十センチ離してまきます。若木は葉の色が薄いときだけ与えます。
- 秋は与えない
- 九月以降に肥料を与えると枝が冬まで伸び続けて寒さで枯れ込みます。落葉するまで何も足しません。落ち葉を集めて堆肥にすれば翌年の腐葉土になります。
株元の管理
ポポーの根は浅い部分にも細根が広がり、夏の地温上昇に弱いところがあります。株元にわらか腐葉土を厚さ五センチほど敷くと、乾きと温度の変化を抑えられます。草が生えたら根を傷めないよう手で抜き、鍬を深く入れないようにします。
株元を掘り返さないのも大切です。ポポーの細根は地表から十センチほどの浅い層に多く、草取りで鍬を入れると簡単に切れます。草は根を残さないよう手で抜くか、マルチで抑えて生やさないようにします。
- 五月にマルチを敷く
- 幹から十センチ離して、枝先の下まで円形に敷きます。幹に密着させると皮が蒸れて傷みます。黒いビニールは地温を上げるので、わらや落ち葉など自然のものを使います。
- 秋に古いマルチを取り替える
- 腐ったマルチは病気の元になるので落葉と一緒に片付け、新しいものに替えます。冬は薄く敷くだけで、根の凍結を防ぐ程度にとどめます。
- 株元のひこばえを切る
- 台木から芽が出たら見つけ次第、根元から切ります。放置すると台木が勢いを奪い、品種の枝が弱ります。土を少し掘って付け根から切ると再発しにくくなります。
鉢植えでの管理
ポポーは直根が長いので、鉢植えには深い鉢が向きます。十号以上の深鉢に赤玉土と腐葉土を七対三で混ぜた土で植え、二年に一度、根を崩さずにひと回り大きな鉢へ替えます。鉢植えでも二本を並べれば三年目から実がつきます。
鉢植えの弱点は夏の鉢の熱です。西日で鉢が熱くなると根が傷むので、鉢を二重にするか、すだれで鉢だけ日陰にします。冬は落葉するので室内に入れる必要はなく、軒下で土が凍らない程度に管理すれば大丈夫です。
| 鉢の大きさ | 樹高の目安 | 植え替えの合図 |
|---|---|---|
| 八号深鉢 | 一メートルまで | 底穴から根が出てきたら |
| 十号深鉢 | 一メートル半まで | 水がしみ込みにくくなったら |
| 十二号以上 | 二メートルまで | 二年に一度、三月に土だけ替える |
葉の色で見分ける不調と直し方
ポポーは肥料も水も控えめでよい木ですが、それだけに足りない状態と多すぎる状態の見分けがつきにくいことがあります。葉の色と枝の伸び方を見て判断します。前年枝が二十センチから三十センチ伸びていれば肥料はちょうどよく、それ以上伸びるなら多すぎます。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉全体が黄色く小さい | 肥料不足か根の傷み | 六月に肥料を一握り足し、株元を掘って根の色を確かめる |
| 枝が一メートル以上伸びて花がない | 窒素過多 | 翌年から肥料を半分にし、寒肥だけにする |
| 葉の縁だけ茶色く焼ける | 水切れか西日 | マルチを厚くして朝に水を与え、若木は西日を遮る |
| 葉が黒ずんで落ちる | 根の過湿 | 水やりを止め、鉢なら鉢底の水はけを直す |
肥料の変更は効果が出るまで一年かかります。一度に大きく変えず、翌年の枝の伸びを見て少しずつ調整します。
ポポーの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
ポポーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はポポーの育て方にまとめています。
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